劇場公開日 2021年9月23日

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空白のレビュー・感想・評価

全415件中、1~20件目を表示

3.5責任の取り方

2021年10月6日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

難しい

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くまの

4.0複雑な機微を、複雑なままに

2021年9月25日
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鑑賞方法:映画館

 娘を交通事故で亡くした父親がモンスタークレーマーと化すくだりはインパクトがあるが、その恐ろしさを描くための作品ではない。
 怖い怖いクレーマーのホラーのような話かと思いびくびくしながら観始めて、実際前半は色々恐ろしかった。娘の交通事故シーンのリアルさにおののいたし、古田新太の何をしでかすか分からない雰囲気にすっかり呑まれた。
 しかし、中盤以降はそんな恐怖がはるか遠景に見えてしまうような人間描写が展開される。

 娘を亡くした父親の添田、万引きをした娘を追ったスーパーの店長青柳、店員の草加部の3人の、多面的な描かれ方が印象的だ。
 添田の偏屈さと、時間の経過とともに変容する心。
 青柳の卑屈さと不器用な立ち回り。気持ちが追い詰められるにつれ、言動が不安定になる様がリアルだ。
 草加部の絶妙な薄っぺらさ。ボランティアをやったり理不尽なことに怒って見せたりしているが、相手の立場で考えることが出来ない狭量さが節々に表れる。

 それぞれの描写の匙加減が善人または悪人一辺倒にならず、こんな人いるよねと思わせる生々しさがある。だから、主要な登場人物が全面的には共感できない人間達で展開も息苦しいのに、引き付けられる。
 添田の傍若無人な足掻きが、我が子についての無知に気付き自分の中の空白を埋めるための彷徨だったということが、後半で徐々に分かる。作品全体の印象がちょっと変わる。

 エキセントリックな添田の迫力が際立つが、物語の中で一番恐ろしいのは添田や青柳に加害をする野次馬とマスコミだろう。
 添田もかなり理不尽で不愉快だが、当事者であるという大義名分が一応ある。マスコミの行き過ぎたゴシップや切り取り報道、姿を見せない野次馬たちの卑怯な犯罪は、何の正当性もない。
 本来事故とは無関係な彼らがあそこまでやるのは、視聴率や自分の日常の鬱憤の捌け口のため、それだけが理由だ。彼らは飽きたら自分たちの所業を都合よく忘れ、一生消えない傷を負った当事者だけが残される。

 終盤にはちょっといい話っぽい雰囲気が醸し出されるが、添田の行動が引き起こした事の顛末は個人的には許せず、また添田のような人間が実在したら前半の地獄が続くだけだろうとも思いもやもやとした。とはいえ物語としては適切な落とし所だったので複雑な気持ちになった。
 この、見た側が思いを引きずるような複雑な後味こそ監督の狙いだろう。不快指数は高いが、メインキャスト3人の演技や人物描写の説得力は一見の価値がある。
 いい人間と悪い人間の境目がはっきりしていて、よかれと思ってやったことが必ず報われるなんて、現実はそんなに単純なわけがないのだ。

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ニコ

4.5入れ替わる被害者と加害者

2021年11月30日
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鑑賞方法:映画館

ある女子中学生の交通事故死の本当の加害者は誰なのかを問う作品だ。
万引きをした女子中学生を、万引きされたスーパーの店長が追いかけた。女子は逃げる時に道路を飛び出し車に轢かれて死んだ。万引きの被害者は店側だが、事故に視点を変えると店側は加害者に見える。女子は学校でいじめられていた。学校側はそれを隠そうとする。では、真の加害者は学校だろうか。女子の父親は、娘につらく当たる駄目な父親だった。しかも、自分の駄目さを自覚できていない。では、彼は加害者なのだろうか。しかし、最愛の娘を失ったという点では、被害者ともいえる。
事故を起こした女性運転手が父親に謝罪に来る。自責の念から彼女は自殺する。この自殺の加害者と被害者は誰だろうか。スーパーの店長はワイドショーで女子中学生の死の責任を問われ、スーパーには人が寄り付かなくなり、スーパーを閉店させることになった。ここの件については、彼は被害者となる。こんな風に、被害者と加害者が入れ替わり続ける。
理不尽な死の責任が本当に誰にあるのか、それはわからない。誰かを悪く言えば、だれかを加害者に仕立て上げれば解決できるほどにこの世界は単純にできていない。その複雑を真正面から見据える勇敢な作品だ。

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杉本穂高

4.5脇役を侮るなかれ!細部に神経が行き届いた1級の作品

2021年9月29日
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鑑賞方法:試写会

泣ける

悲しい

幸せ

スーパーで化粧品を万引きしたことを疑われ、発作的にその場から逃走した女子中学生が交通事故死。彼女を追い詰めた店長の責任を追求する父親は、さらに、娘が通っていた学校側の型通りの対応を批判。一方、メディアは店長を殺人者のように追い回し、客足が遠のいたスーパーは閉店に追い込まれる。偽善と悪意が渦巻くうんざりするような世の中で、父親は、1人、猛獣のように吠え続ける。しかし、彼は娘が生前発信していた"かすなSOS"を聞き逃していた。

吉田恵輔監督は日々のニュースで見聞きしてきたような、そう珍しくもない事柄をヒントにオリジナル脚本を完成させた。細部にまで神経が行き届いた本作の魅力は、怒りながらもやがて自分と向き合わざるを得なくなる父親を演じる古田新太を筆頭に、メインキャストは勿論、いかにも無責任そうな学校長や、地味だが人が良さそうなスーパーの男性店員、等々、脇役が絶妙な点が挙げられる。「確かにこういう人いる」と思わせる、実は定型に陥らない素朴でリアルな脇役たちの演技によって初めて、物語はリアリティを持ち得たのだと思う。
脇役を侮るなかれ!

そういう意味で、これは限られた予算内でディテールに時間をかけた1級の作品。そんな細かな積み重ねの上に、感動的なラストが訪れる。

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清藤秀人

4.0吉田恵輔監督がまた傑作を撮った

2021年9月20日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

吉田恵輔監督の作品はほぼ全て観ているが、どれもこれも何を伝えたいのか、何を訴えたいのかが明確に伝わり、ガッカリさせられた記憶というものが殆どない。
そんな中で、スターサンズの河村光庸氏と2度目のタッグを組み、世に放とうとしているのが今作。メインビジュアルで古田新太の姿を見た方々は、娘を失った父親がどんどんモンスター化していく様を思い浮かべるかもしれないが、それだと既視感のあるものになってしまう。
吉田監督はそんな安直な人ではない。古田の魅力を最大限に引き出すための“生贄”として、いまの日本映画界にとって欠かすことのできない松坂桃李を差し出すというキャスティングの妙にうならされる。

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大塚史貴

1.5少年→少女への変更はなぜ?

2025年2月18日
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公開当初はよく考えずに鑑賞していたが、
これが昨今騒がれている問題の片鱗か...と思った。

この映画には元となる事件がある。
万引きをしたのは少年だ。
それがなぜか映画では少女に改変している。

娘のために狂っていく父親の方が絵面的に面白いとでも判断されたのか?

先生を流産させる会、も元ネタは少年だったのに少女で実写化された。これらはたまたまで、逆もあるのだろうか。

今のご時世だからこそすんなりとは受け入れ難くなってしまった映画。

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よも

4.5最後まで見て。

2024年12月17日
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鑑賞方法:VOD

序盤、中盤、終盤、隙がなく辛いシーンが続くため、見るのをやめたくなると思う。しかし、ラストシーンまで耐えて欲しい。全ての人が救われるようなラストでは決してないが、見て良かったと思えるような映画になっている。
諦めたくなるが諦めず続けよう。
ほら、一回このサイトを閉じて、続きを見続けよう。

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冬タコ

4.0人生はどうしようもない時が

2024年11月2日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

あるよねぇぇ

生きるってことは乗り越えて行くことだねぇ

時の流れは重要だねぇぇ

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drchu

4.0それぞれの価値観を認識させられる作品

2024年10月20日
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鑑賞方法:その他

ずっと気になっていたのですが見る機会を逃していました。そこでNetflixにある事がわかり今日鑑賞しました!
凄い!これはあらゆる登場人物の気持ちをそれぞれ汲み取って構成されている素敵な作品だと思いました。
全体的には暗い話なのですが最後まで飽きる事なく観ることが出来ました。
言えることはみんな前を向いて生きていかなければ行けないと言うことです。正しい事をしても誤った風に捉えられる。100人が100人同じ気持ちには決してならないと言うことが言いたいのかもしれないと感じました。

第三者は情報の波に泳がされて意見していると言う事です。
TVがこう言ってるからそうなんだ。あいつはイカれてる。気狂いだ。あんな店にはもう行けない。
全部メディアに泳がされている。

最後のお父さんの描いた絵と娘の絵が同じ物を描いてたシーン感動でしたね。全てが輪になった気がしました。
道を少しずつ取り戻していくあの背景が素晴らしかったです。スーパー閉店は悲しいけど弁当が美味しかったと伝えてくれる人もいた。

何が言いたいかというと100人が100人同じ気持ちにならないとは裏腹にその中でも味方はいて光をもたらしてくれる方がこの世にはいるんだなと感動した作品でした。皆さんも是非見てください!

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つぐちゃんねる

1.0胸糞悪い

2024年10月18日
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汚いおじさん

4.0少しずつ間違えた結果

2024年10月7日
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泣ける

悲しい

難しい

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ヒri ツ

3.5美しすぎる土下座NO1

2024年10月3日
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子供を失った後を描いていてミッシングと似てた

それぞれがもう取り返しのつかない事実に対してどう折り合いをつけていくかという話
そんで折り合いはつけらんねえからちょっと時間くれっていうセリフは切実だった

ただ起きてしまったことの気持ちの整理を自分の中で完結させて処理しないと負の連鎖が繋がって次の犠牲者が出てしまう
人生難し!!!!

そんでやっぱりスーパーのおばちゃんが強烈だった
優しさがお節介に変わる一部始終を見て本当にイライラしてしまった
ドサクサに紛れてキスしようとした時は「ついに本性表しやがったな!妖怪お節介!」

優しさってなんだろうってこの映画を見ていると思う
あのおばちゃんも母親だとしたら鬱陶しくも受け入れられるもんだけど、パートって立場が違うだけで同じことをしていても気味悪さが出てしまう
そして善行は善行だと信じて疑わない
疑わないというよりは疑う余地を作りたくない。自分が役に立っていると疑いたくないが故の正義感だった
それでもあのおばちゃんに助けられた人もきっといたわけで

うーん。
とりあえず優しさって自分中心に考えちゃダメですね

それと松坂桃李の邦画史上一番綺麗な土下座が見られるぞ!
相当家で練習したんだろうな!
あんなに無駄のない洗練された土下座なかなか見られないぞ!役者さんすげえ!
美しすぎて新体操の技の一つかと思った

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真平

3.0難しい

2024年9月21日
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(ノω<;)

3.0世のマスゴミ観ろ!

2024年7月23日
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ゆさ

4.0ずっと苦しかった

2024年6月22日
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悲しい

怖い

難しい

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わんわん

4.0結局加害者は誰なのか

2024年6月13日
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ももんが

3.5ミッシング鑑賞後に観ました。

2024年5月25日
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Tak

4.0特に古田新太さんが逸品だったが…

2024年3月25日
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悲しい

怖い

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きよ

3.5考えさせられる作品

2024年3月24日
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鑑賞方法:VOD

人間の心の揺らぎがふんだんに盛り込まれており、映像は決して派手ではないが、見応えのある作品だった。
内容はネタバレになるので控えさせていただきますが、いろいろと考えさせられました。現実世界でも同じようなことが起こってもおかしくないし、既に似たようなケースはあるのかもしれません。自分の思い込み、人とのコミュニケーションのとり方、考え方の強制、そんなことを考えながら観てました。
あと配役が素晴らしかったです。特に古田さん、松坂さん、寺島さん。すごく役に説得力がありました。

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take

0.5脚本に難アリ💦

2024年3月24日
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鑑賞方法:VOD

1番共感しやすいのは被害者のスーパー店長だが、対立相手の万引き女子高生の親父側もしっかりフォローして描いてるので描写の焦点がブレて気持ちが入っていけない。
例えるなら、この事件後について相反する立場の2人から同時に聞かされてるようなもの。

しかも、スーパー店長のキャラもひ弱で、必要以上にこの件に責任を感じ過ぎていてストーリーを引っ張っていけてないし、共感できない。
この場合、もっと論理的思考の芯の強いキャラ(パートのおばさんは強すぎw)にして娘を亡くした父親とバチバチの対立ドラマにしないとテーマも立たず、盛り上がってもいかない。

親父が娘の事を何も分かってないということを、別れた妻から言われるのではなく、スーパー店長との対立の過程で彼に言われたほうが、よっぽど効く気がする。

この映画から感じる監督の脚本能力は低く、パートおばさん達や事故関係者、マスコミ報道などの無関係なエピソードも絡めてくるので更に入り込めない。
本作のように1つのストーリーに2つ(以上)のテーマを混在し語る手法は邦画では数多く見受けられるが、どれも浅く面白くない。理由は簡単でテーマを盛り込む量が多いほど、1つのテーマを掘り下げる尺がなくなるからと、観客が共感しにくいから。

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toshibo