大怪獣のあとしまつのレビュー・感想・評価
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はやすぎたのかも
時効警察がすきな人であれば三木聡はスベるくらいがちょうどいいのは解っているはずだ。というか、微妙or盛大にスベっている有様そのものが三木聡なのであって、根本的に笑いの質がM-1のようなものとは違うことは知っているはず。
──にもかかわらず大怪獣のあとしまつが酷評合戦になってしまったポイントは四つあり①ひとつは半径が広がったこと。インスタント沼や亀意外のような日常や霧山くん(時効警察)のいるオフィスで繰り広げられる小ネタ集のイメージからゴジラ的フィールドへの変換に三木聡シンパさえもついていけなかった。
②暗い時代にふざけた。新型コロナウィルス禍下にスラップスティックの大規模なやつをやった。また公開時期がロシアのウクライナ侵攻と被っていた。
③勘違いされた。進撃の巨人あるいは庵野秀明のようなものを想像した観衆の反撥をくらった。
④編集がぐちゃぐちゃ。なにやってんのかわからない笑。
世評が荒れた要因は以上四点だが、映画は労作だった。
三木映画にふだんはない風刺要素が入っていたことに加え第一線俳優と三木組が総出演していた。岩松了のギャグも他作に比べてさえていない──わけでもなかった。
──
筒井康隆や小松左京といえば今では大家だが、かつてSFがくだらないものと見なされていた時代がある。
むかしの筒井康隆のエッセイには(SFを小馬鹿にするような)頭の固い連中にたいして怒りまくる件がいっぱい出てくる。
大怪獣のあとしまつは筒井康隆風のスラップスティックになっている。
したがって本作に対する拒絶反応は、筒井康隆のジャズ大名や小松左京の日本沈没に対する当時の人たちの拒絶反応に似ている。
だがジャズ大名や日本沈没は今では傑作である。だから大怪獣のあとしまつもおそらく早すぎた。20年後にカルト認定される日がくるだろう。
映画の主題はうんこのようなゲロのようなものの処理作戦からのキノコ繁殖阻止。その主題を夥しいアンサンブルキャストたちが、雁首揃えて大真面目に演じている。ばかばかしいとかくだらないとか百も承知な立脚点からはじまっている話であり、もとからマーケットに載せるのは無謀だった。
映画はパニック映画のパロディと政治家のカリカチュアで構成されているが、けっきょく話が見えないので全体が雪崩のように瓦解している。
とりわけパニック映画的なライブ感を出すために手持ちカメラを揺らしていることと、感動へ導いている気配にすさまじい違和感があった。
なぜこれが感動ヴァイブを発しているのかまったく解らない。サザエさんやちびまる子にタラのテーマが流れているようなものであり、いっそのこと巨大化したアラタくんが巨大うんこをひりだして終わったほうがはるかに合理だった。
ウィキペディアにあった批評家たちの批評は月並みだったが、ひとつ──
『大勢の人々が関わっていながらも「ここまでつまらない」作品が「最後まで、どこかで止まらずに出来上がってしまう」ことに対して、日本の映画業界全体に批判を加えている。』
──という一文は頷けた。
が、それを言うなら日本映画は『どこかで止まらず出来上がってしまう』作品だらけ──だとは思う。
個人的には腹が立たない点において本作には救いがあった。
日本映画のなにが気に入らないのかといえば、アートなおごり=芸術家きどりと、俺様気配=鬼才風(きさいかぜ)吹かしである。
(たとえば)河瀬直美とか荻上直子とか園子温とか蜷川実花とか三島有紀子とか、そういうもってない人が自惚れ値まんまんでくりだしてくる映画にむかつくのであり、逆に言えば腹が立たない映画に反撥は感じない。
前述したように、これほどまでにばかなことを金と人をつかって仰々しく大真面目にやっているプロダクトゆえ、将来再発掘される可能性は大きいと思う。
全く面白くない
いらないお笑いの要素。。
面白いけど残念
そこまで酷評すべきか?
典型的な案件映画。俳優女優を一新しないと、映画産業は終わる気がします。
演出・脚本・演技・映像・編集・登場人物…要素がすべて駄目という珍しい映画です。唯一、シンゴジラの後ってどうなるんだろう?という部分の誰でも感じる発想は悪くないかもしれません。怪獣8号はありますけど。
とにかく脚本が俳優ありきなんでしょうね。とにかく冗長です。冒頭の子供と同窓会の演技のひどさ。笑い袋の品の無い展開。いつもの俳優たちのいつもの演技。ギャグになっていないギャグ。金が無いことを逆手にとるのではなく開き直った映像。テーマ性の欠如(シンゴジラ的な一見テーマ性に見える何かは入っている)。
まあ、上げればキリがないくらい駄目です。この原因は俳優女優を先に決めているからな気がします。日本映画でも、表現したいことを表現した映画には素晴らしいものがありますが、しかし、こういう案件臭の強い作品が氾濫しすぎて…アニメに客をなぜ取られているか?それは俳優女優ありきの案件映画作りだからです。
子供の遊びを大人が本気でやると、スゴイ!・・・のに・・・
ウルトラマンはM78星雲まで何分で帰るのか。
怪獣が壊した街はなぜすぐ直るのか。
なぜ怪獣は日本ばっかり来るのか。
仮面ライダーはなぜ郊外の岩場で戦うのか。
怪人はなぜキックで爆発するのか。
小学生の休み時間の会話って
だいたいこんな感じ。
そのくだらない会話が
めちゃめちゃ面白かったあのころ。
その小学生の会話を、
大人がクソ真面目に作りました。
ってのがこの映画の面白さなのに、
大人のクソドラマに子供のアイデアを
パクっただけという、
逆になっちゃいました。
という残念映画。
あのころゲラゲラ笑いながら
話していたくだらない妄想話を
そのまま映画化すれば良かったのに、
下手にドラマとか恋愛とか政治とか絡めて
大人の話にしちゃうからこうなる。
あとさ。
「すげぇ面白い話あるんだけど聞いてよ!」
から始まる奴の話って大体つまんないでしょ?
笑わせようとするから笑えなくなるのね。
クソ真面目にくだらないことするから面白いのね。
大人も子供も楽しめない映画に
なっちゃいました。
希望
三木聡監督、映画…その時点で嫌な予感。 試しにアマプラで見ましたが...
あの結末···決して嫌いじゃない!
史上稀に見るクソ映画
おいおい、面白かったぞ
評判が散々だった本作。アマプラ登場でやっと観ました。
最初っから、コメディ作品で時々下ネタもあるということを踏まえて視聴しました。
ところが、いやいやいや。いやいやいやいや。なかなか良く出来ていて面白い。
俳優陣も豪華。映像もなかなかいいし、ストーリーも面白い。
コメディーの部分は、時効警察やオダギリジョーが好んで出てるような深夜ドラマとか、クドカンのコメディ作品が好きな人ならわりとすんなり受け入れられるノリだと思う。
これはホント宣伝が悪いよね。
最初っからコメディとして売り出しとけば良かったのに。
福田監督や三谷幸喜、クドカンなどの作品が、思ってたのと違って寒いギャグばっかりだったぞって怒る人いないでしょうに。
これも三木聡監督の不条理コメディだとちゃんと分かって観れば面白いし、映画としてしっかりした作りになってる。
ほんともったいない。
これなら映画館で観たかった。
映画好きなら、というか、映画愛がある人なら、映画始まって10分15分くらいで、その作品がどういうタイプの映画を自然と判断して、その作品を観る姿勢を自身の中で整えられるはず。
でも、真面目な怪獣災害映画風に宣伝しちゃったもんだから、思ってたのと違う、コレジャナイって思っちゃった人が続出しちゃったんだと思う。
なんとも不運な作品だなあ。
あと、続編出るのかなあ?
出してほしいなあ。
今世紀3本の指に入る
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