「三木ファンだが残念」大怪獣のあとしまつ ta02110509さんの映画レビュー(感想・評価)
三木ファンだが残念
三木監督の作品といえば「インスタント沼」「亀は意外と速く泳ぐ」「図鑑にのっていない虫」「ダメジン」など、どれもチープに見える映像だけど、そこには主人公の騒がしも楽しい日常と揺れる思い、そしてナンセンスギャグが詰まっていて好感を持てるものばかり。この「大怪獣の…」については、なんで監督に似合わない大作を作ることになってしまったのかという思いで鑑賞したが、予想のとおりの残念作品だった。
ウィキペディアによれば、三木聡監督の頭の中には、「007のウエットスーツの下のタキシードはどう着るのか?」とか「ある若者がショッカーになるまでの話」とか「ガメラの死体を片付ける映画」という“映画になっていない時間を想像する企画”がウン十年も前からあったとのこと。そして、そのアイデアを会社がいよいよ取り上げたところまではよかったが、本格的でなければつまらないから大作にしたというようなことが書かれてあった。
だからちぐはぐな印象しかない酷評大作になってしまったんだ。
テーマの中に「神風が吹かないと解決しない」という政治風刺があったらしい(ほんとうかな)が、結局それはほとんど観客に伝わることはなかったとのこと。
それよりも、ここまで酷評される作品を、プロ中のプロが集まっているはずの映画会社の誰もが止められずに公開に至ったということを指摘する見方もある。というか皆そう思っているに違いない。
であればそっちをテーマとしてとらえ次回作を制作してはどうか。映画会社経営幹部の会議はドタバタギャグで満ち満ちているという設定で。
そのスピンアウトとして三木作品ならではの超低予算版「続・大怪獣の後始末~ほんとうはこうだった~」とか、いかがしょうか。
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