「君、物好きと言うことなかれ!」大怪獣のあとしまつ BACKCHA-Tさんの映画レビュー(感想・評価)
君、物好きと言うことなかれ!
※2回目の鑑賞です。
1回目は、くだらないコント劇に頭と心が乱れ映画に集中出来なかったので、気になったところを
確認するために再鑑賞。2回目なので余計な気遣いは極力カットできたので、やっと満足できた。
スクリーン本編上映して即、光(爆発)の特撮に衝撃。核兵器ではないと米軍の解説から、スクリーン下をよーく見ると人影が写る、2回目なので誰かを容易に連想できる。
昭和生まれの筆者は、脚本的には、三木監督と違った世界での感傷となる。もっと掘り下げて欲しかった、青木家と帯刀アラタ(主演=山田涼介)との関係性。母(銀粉蝶=雨音ユキノの母)が、
「アラタさんが素敵な人でよかったわ。」と放ち、余命間もなく尽きることを悟る会話を青島涼(オダギリジョー)が母の方を寄せて感銘を覚える(もっと欲しい)。木下恵介アワーである。
大衆食堂の従業員サヨコ(二階堂ふみ)と青島との描写にも昭和の怪獣映画にあった日常の
画を懐かしく思う(もっと欲しい)。町工場の社長(松重豊)には、下町ロケットに見る日本の零細企業の頑張りも特撮的な扱い。風刺を覚える国防軍川西隊員(有薗芳記)には、北のNo2を彷彿させる。もう、やめて~離してと叫ぶ横山弁護士を思い出すシーン、劇画映画ーアキラ!の気鋭の宗教活動家の描写、役割を終えたミツハダム(八ツ場ダム?)など、突っ込みどころ満載でしたがあまり気にならないレベル。
希望(怪獣の愛称)に哀愁を覚えるストーリー(実相寺監督の脚本)があればと欲張る自分がいる。
昭和とはレベルが異なる特撮技術であるが物語に満足感が薄い。鑑賞後のパンフを読んで、三木監督に不満はないが脚本には文芸作家も面白かったかも知れない。映画としての満足感は
1回目より2回目の方が高い、なんなら3回目のムビチケを購入している自分に納得している。
最後の10分間には、涙を流した。もしかするとこれは、これから始まる「xxxxマン」のプロローグで、主人公=帯刀アラタの連続ヒーロードラマではないかと。だから、名優の無駄遣いなどないのである。特に気にいったのがアラタが跨ったバイク(ホンダNM4-01ベースの近未来的なホルム)である。あと60秒ほどウルトラセブン並みにカッコよく走らせて欲しかった。
スクリーンの最後に次回作の予告があるがこれでキャストは極少なくて良くなったなあと思った。
帯刀アラタを含む特務隊、西大立目総理、雨音総理秘書官、雨音ユキノ環境大臣秘書官、環境大臣、青島涼と母、食堂のサヨコ、町工場社長と科学者くらい。
大怪獣のあとしまつ2・・・乞うご期待。