「これは事件だ。」大怪獣のあとしまつ まめもやしさんの映画レビュー(感想・評価)
これは事件だ。
これは事件だ。この映画、中途半端なんかじゃあない。大人がしっかりふざけて、滑り散らかしている。緊急事態を知らせるアラームを、「実は冗談でした」とふざける冒頭シーンが象徴するように、予告編を観て楽しみにしていた人間を裏切るトンデモ脚本&演出になっている。オチがヒドいとかの問題ではなく、「どう?予想を裏切る展開でしょ?」とドヤ顔する企画の狙いがみえて悲しくなった。東映さん、松竹さん、これがあれだけの俳優・スタッフと製作費を引っさげ、他の日の目を浴びられなかった映画を差し置いてまで届けたかった映画なのだろうか。コロナ禍で映画界も苦しい状況にあることは当事者なら痛感しているはず。これからの映画界を救う一人ひとりの制作者の努力を無駄にせず、本作という屍を「希望」に変えていってほしい。
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