劇場公開日 2022年2月4日

「よかったのは設定だけ。それ以外に褒める点が難しい。」大怪獣のあとしまつ りゅーじんさんの映画レビュー(感想・評価)

0.5よかったのは設定だけ。それ以外に褒める点が難しい。

2022年2月4日
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鑑賞方法:映画館

大怪獣の死体処理という問題意識はとてもユニークで、確かに!と思わされる素晴らしい設定だと思います。
ただ、本作が残念なのは、その設定以外に全く評価できる点がないのです。

少なくとも私が観たかったのは、空想科学読本のように、とんでもなく巨大な生物の死体処理を、日本国家としてどうするかという点であり、それこそ細かい役人同士のやり取りや、マスコミ・国民対応のようなものでした。とにかく細部のリアリティと、それを通した社会風刺を期待していたのです。
一方、本作はそれとはほど遠く、コメディもよくわからず、リアリティもなく、謎の恋愛要素もあったりと、全く共感できずに物語に入り込むことができませんでした。
俳優さんは実力派ぞろいなので、観終わったあとには気の毒にしか思えません。

あえて言えば、日本社会へのアンチテーゼとも読めるシーンがちらほら見受けられましたが、それも物語に入り込めないせいで、無理して解釈してなんとかというものでした。大人たちが一生懸命作ったものがどうしてこうなるのか分かりませんが、設定のユニークさでハードルをあげ過ぎてしまったのかもしれないですね。私もどうしてもシンゴジラと比較してしまうこともあり、制作の方々にとっては不幸なのかもしれません。

【落ち着いてからの追記】
この映画の最大の問題は、多くの観客の期待と内容にギャップがあることだと思いました。なので、大怪獣のあとしまつはあくまで脇の話で、メインストーリーにはほとんど関係ありません。大物俳優のシュールなコメディをご堪能ください、的な紹介だったら、受け入れられる方も多いかもと思いました。

りゅーじん