「サスペンスではなくラブストーリー」砕け散るところを見せてあげる kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
サスペンスではなくラブストーリー
原作は未読。
石井杏奈で印象に残っているのはJTのCM(北村匠海の彼女で後に結婚するアレ)だったりする。映画ホムンクルスでの女子高校生役ではなかなか過激な演技をしていたことも記憶に新しい。そんな彼女がE-girlsのメンバーだったってことは最近知った。地味な印象があるからとても意外だった。おじさん的な意見かもしれないけど。
本作はそんな石井杏奈と中川大志主演のサスペンスってイメージで観に来たのだが、サスペンスの部分はかなりショボい。父親のやったことなんて、予告編で想像がつく以上のことはなかった。母親が殺されてるってのもそりゃそうでしょうねって感じた人が多いはず。そして中川大志演じる清澄の行動がとにかくバカすぎる。玻璃のことを信じるならケガをしている彼女と行くのは池じゃなくて警察だろうよ。しかもその後玻璃の家に行くなんてバカの上塗り。そもそも玻璃がトイレの道具入れに閉じ込められたときも、あの鍵は扉の下から手を伸ばせば自分で取れるでしょ。
その後の話も結構駆け足で、再会シーンなんてかなり重要な気がするのにモノローグで済ませちゃうのかって思った。でも不思議なことに観た後の印象はそんなに悪くない。途中からサスペンスではなくラブストーリーとして観ていたからかも。玻璃にちゃんとした家族ができてよかった。
清原果耶と原田知世もよかっただけになんかもったいない。もう少し感動的な映画になった気がするのに。あ、よく考えたら原田知世は石井杏奈が歳を重ねた役だから、北村匠海は石井杏奈の息子ってことになる。ちょっとしたJTのCMのパラレルワールドのようだ!