劇場公開日 2021年4月9日

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「携帯もスマホもない時代設定を選んだ事には好感を持てた。」砕け散るところを見せてあげる YAS!さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0携帯もスマホもない時代設定を選んだ事には好感を持てた。

2021年4月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

2つの異なる映画をミックスして、あれもこれもいれて欲張ったせいで、作品の焦点がすっかりボケてしまった。
前半部分を言いたかったのか? 言いたかったのは後半部分なのか?
あと30分もあれば、それらの疑問を解決できたのか?
後半部分が主テーマなら、前半をもっと簡潔に削る冪。

3人の男優陣(中川大志さん、井之脇海さん、堤真一さん)はそれぞれ非常に良い仕事をした。
3人とも満点。

若手女性陣はどの子も、もう1摘み塩味が利いていない。
特に石井杏奈さん、可愛いく魅せるのは後半だけにして、
前半 特に制服を乾かしているあたりの時間帯で
「本当は可愛いく、おしゃべりな女の子」の演技・演出は映画の質的価値を大きく下げてしまった。
前半はもっと口数を減らしたブスにしないと、中盤以降に彼女を素敵に変化させることができなくなってしまいます。
石井杏奈さんのような美的な女性ではなく、もっと個性派女優さんを起用すべきでした。

手の跡から予想された展開にすすまなかったが、
だったら、関連するシーンはちゃんと全カットす冪だ。

冒頭「死んだのはふたり」これは、何? 冒頭で出す意味はまったくない。
スーツケースの持ち主の事を意味しているのは判るが、
この思わせぶりな会話は作品の品位を壊している。

商店街のシーンでは後方に見える赤橙が気になってしまい、シーンに集中できませんでした。
これはカメラの露出が主要2名に合っていないからです。夜の撮影にはちゃんと露出計を駆使して欲しい。
同じように、演出に関係なく、昼間や室内でも周囲・背景の明度に露出があってしまい、
本当に描きたい部分の画質が落ちてしまうのはもったいない。
これは今時にしては、性能が悪いカメラのせいでしょう。この辺で予算を抑えたのは失敗でした。
そういった撮影が非常に悪いシーンが沢山あり、残念な映画になってしまいました。
カメラと照明スタッフそして機材はアマチュアレベル。

この映画の後半は園子温監督風にしたかったのだろうか?
まとまらず残念。映画の製作者は欲張り過ぎました。

「冷たい熱帯魚」とでも、見比べてみようかな

YAS!