「生きてこそ?正しい人であれ・・・」望み ratienさんの映画レビュー(感想・評価)
生きてこそ?正しい人であれ・・・
いや〜、考えさせられます。
ある日、高校生の殺害事件が発生し、現場から逃げ去る2人の姿が目撃される。
ところが、その日から行方の分からない関係者が3名いる。主犯格が判明していることから、1人は加害者で、もう1人は被害者の可能性がある。
行方の知れない我が子はどちらなのか?
加害者の家族に対する風当たりは強い。
執拗に押し掛けるマスコミ。
家や車に落書きをされ、卵を投げつけられる。
心ないネットへの書き込み。
仕事もキャンセルされ、私立高校への受験も危ぶまれる。
もしかしたら、被害者かもしれないという想いは誰も持たず、加害者の家族として迫害される。
だが、それでも母親は(たとえ、犯罪者であっても)、生きていてくれることを望む。
家族の中でも亀裂が生まれる・・・
自分ならどうだろう?
家族を守ってあげたいという気持ちはあっても、犯罪者でない方を望むと思う。それが死を願うという行為であったとしても、残された家族のことを考えてしまう。結局は、自分がかわいいってことだろうが、それでも(たとえ家族であっても)悪人を許す気は無い。
但し、犯罪者の家族に対しては、特別視してはいけないと思う。この作品における心無い行為の数々には、怒りが込み上げた。
特に、匿名性の暴力には、尚さら腹が立った。
【ネタバレ】
息子が、取り上げていたナイフを持ち出していたことに気付いた父親は覚悟した。やるせない想いに包まれいた矢先、息子の部屋でナイフを見つけた父親は無実を確信した。
被害者のお悔みに出掛けたのだが、邪険に扱われてしまう。
そんなところに警察から連絡が・・・
遺体確認に出向いた両親に明かされる真相。
息子に誤った行動はなかった。常に正しく、優しい行為は、自分たちが普段考えている息子、そのままだった・・・
いや〜、切ない。涙が溢れ出ました。
その、失ったものの大きさに。
犯罪者でなかった安堵感に。
最後まで信じきれなかった不甲斐ない想いもあったんじゃないだろうか。
そして、新たな道を考えていた息子の叶わなかった未来に。
すっごく後味が悪いのに、なぜかスッキリしてしまう不思議な感覚でした。
とは言え、ちょっと的外れな話ですが、彼の無実を信じ続けていたのが、女子高生達だったってとこに、イケメンの特権って過っちゃいました。
コメントありがとうございます😊
本作に限らず、
身内や親しい人以外の関係無い人が攻撃するのは間違っています。関係ない人は何もしてはいけないと思います。変な社会です。
共感ありがとうございます😊
父親の考えですね。母親としては、産んだ子が先立つのは、自分が死ぬより辛い。父と母の立場の違いもあるのでしょうか。私は判断つかないです。
世間のエゲツなさ、どうにかならないのでしょうか。