「それでも日は昇り、皆を照らす」望み プールサイドさんの映画レビュー(感想・評価)
それでも日は昇り、皆を照らす
まず岡田健史くん演じる規士が自分の弟と重なった。
僕の弟は小学生からバレーボールをやっており、中学は指導を受けたい先生がいる学校へ行くため、わざわざその学区内で婆ちゃんと2人暮らしするくらいのめり込んでいた。
もちろん高校でも続けた。
全国大会常連校へ進学したのだが、他部員のレベルの高さ、未経験者にも体格の差で弟は敵わなかった。
そして2年生になる前に退部した。
そこからの腐り具合はまあまあなモノで…笑
なので、規士の来訪者への態度や勝手に現れ勝手にご飯を食べ始める様子なんかはデジャブで思う所があった。
息子が事件の被害者か加害者かわからないまま、家族は世間にどんどん追い込められて行きます。
本来味方に感じる警察でさえ、不安を煽るような口調で寄り添う姿勢はありません。
マスコミは使命感か何かは本人たちの中にあるのでしょうが、遠慮というか配慮がなく、自分が同じ状況だったら恐ろし過ぎる。
そして一番憤りを感じたのが、何の権利もないのに勝手な正義を振りかざして来る輩です。
これは現実でも"誹謗中傷“という形でかなり問題になっていますよね。
相手が誰であろうとそれは犯罪です。
許してはいけません。
日付が変わるごとに朝日や夕日の実景が映し出されます。
堤真一さん演じる父親が一級建築士ということもあり、家にはしっかり日が差し込むようになっています。
被害者と加害者、どちらにしても絶望的な望みをしかないのに、なんと皮肉な演出だろうか…
結末は"良かった“と言っていいのでしょうか…言葉選びが難しい…
ただ事件の真相が明らかになった後もしっかり描かれており、モヤモヤすることはありません。
父親と母親の望みは違いましたが、どちらも間違っていないと僕は思います。
石川家のみんなは優しくて強い家族でした。