劇場公開日 2021年6月25日

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「成長したピーターに物足りなさも」ピーターラビット2 バーナバスの誘惑 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0成長したピーターに物足りなさも

2021年6月26日
PCから投稿

そこそこクオリティは高く、楽しんで観られた。
イギリスやアメリカで人気が根強く、本編にも多数引用されていたディケンズ(『クリスマス・キャロル』『二都物語』などの作者)のように、富裕層(出版社)と庶民(マグレガー夫妻)や、善と悪の対比を物語に組み込んでいて、その辺は上手かった。

一方では、一作目ほどの勢いはなかったとも感じました。
つまらなくはないんですよ。
ただ…
やっぱ、前作のインパクトが強すぎた。

『アウトレイジ』+『プライベート・ライアン』、戦時中の『トムとジェリー』みたいだった前作でのピーターは、何気なく人殺しレベルの悪事を働いたわけですが。
そんな前作から比べると、ピーターがそこそこ聞き分けがいい子に成長していて、優等生ぽくなっていたせいで、物足りなく感じたのかもしれません。

本作ではマグレガーも含めた「みんな仲良し」から、「マグレガーも家族」へとステップアップするための試練というか、失敗話。
悪への憧れと、父の面影を感じる年上の男に認めてもらいたい一心で、犯罪に加担したピーターの姿は、少々ニューシネマの香りを漂わせつつ、(前作の戦争映画から)ギャングの強盗映画の文脈へと変化したといえるが、こう…
命がかかってるほどの切迫感が希薄。

また、キャラを深めることと、キャラをいじることを混同しちゃった感。
前作でそれぞれの性格を確立したから説明も少なく。
なんか、日常系4コマ漫画の6巻目あたりみたいな「皆さん分かってますよね」な雰囲気も醸されていて。
パート2もの映画にありがちな、焼き直しな匂いもあり。

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コージィ日本犬