劇場公開日 2021年7月16日

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17歳の瞳に映る世界のレビュー・感想・評価

全94件中、21~40件目を表示

4.0ひりひりとつらい

2022年1月11日
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中絶したい女とそれを手助けする女の設定はクリスティアンムンジウの「4ヶ月、3週と2日」(2007)を思わせる。が、ムンジウのはチャウシェスク政権下で、違法中絶をする話。社会派なそれに比べて、こちらは少女の心情に焦点があたっている。

妊娠した少女と従姉妹、ふたりが遠出して中絶をする二日間のようすを坦坦とえがく。

必ずしも諒解していない関係の結果、女だけが被る不幸──その理不尽・不公平を訴えたい都合上、男を下劣に描写しているが、出てくる男全員がプレデター(女を食い物にする輩)や変質者に描かれているきらいはあった。

その誇張は理解できるが、一人くらいはまっとうな男がいてもいい気がした。

映画には描写節度というものがある。

なにかを訴えたいばあいに、それを強調するのだが、強調しすぎると──あざとくなったり、リアリティが削がれたり、うさんくさくなったり、場合によってはあほらしくも──なる。

日本のほとんどの映画監督は描写節度を持っていない。
わたしはかつて「湯を沸かすほどの熱い愛」のレビューにこう書いた。

『テーマはかわいそうな境遇。主人公双葉は薄命、娘の安澄はいじめられっ子、探偵さんは亡妻の子連れ、拓海くんは継親から逃げ出したヒッチハイカー、酒巻さんは唖者。右も左も不遇の免罪符しょっている人物だらけ。かれらが不幸自慢を繰り広げる様子はモンティパイソンの4人のヨークシャー男も顔負けで、エジプト行きたいを伏線とする人間ピラミッドなんか、全身鳥肌の恥ずかしさだったが、映画サイトは軒並み異様な高得点をつけた。
(中略)
湯を沸かすほどの熱い愛に並んだ高評価だらけレビューをながめたとき、わたしは強烈な疎外感を感じた。「泣けた」「泣けた」「泣けた」「泣けた」「泣けた」「泣けた」「泣けた」「泣けた」「泣けた」「泣けた」が居並ぶその渦中へ「爆笑しました」で突撃するのは気が引けたからだ。が、朗報!この国、フランダースの犬の最終回で天下取れっぞ!とは言っておきたい。』

かわいそうを強調しすぎるとコメディになる。
わたしにとって「湯を沸かすほどの熱い愛」はコメディだった。

悲劇なドラマをつくりたいならば、かわいそうや被害者面をひたすら強調表現すればいい──という方程式が存在するのはもはや日本映画界だけである。
また残酷をつくりたいならば風呂場で屍体をバラバラにするシーンを配置しとけばだいじょうぶ──と考えているのも日本の映画監督だけである。

かれらには描写節度がない。

描写節度とは、わかりやすく言うなら、ヒーロー/ヒロインに負の描写を加えること、あるいは悪や敵対者に共感できるような人間味が描かれることを言う。

世のなかの事象で一枚岩になっていることはひとつもない。

映画のなかの人物も、その複雑を持っていなければならない。正義に両義性がなければならない。モロも正義だし、エボシだって正義だ。絶対の悪も、絶対の善もない、複層のヒューマニティを据えることを描写節度──と言うのだ。

この映画には描写節度がある。

ふたりの少女はひたすらかわいそうな目に遭っているのだが、まったくエモーショナル方向へ落ちない。エモーショナルへ落ちないとは、観衆を泣かそうとはしない──ということ。

見ている間じゅう、ずっとヒリヒリする。

冒頭、舞台化粧して弾き語りをする主人公オータム。そんな無邪気な少女なのに、妊娠させられた男にはwhoreと罵られ、母親の後夫はクズ、バイト先の主任は変態。苦しみぬいて、スカイラーとクリニックへのバス旅をする。道中行きずりの男ジャスパーも無邪気な捕食者でしかない。

冒頭にも言ったが米(+英)映画なのにムンジウを思わせるほど暗く冷たい。

世界が冷たく、まわりのにんげんたちも冷たい。「一人くらいはまっとうな男がいてもいい気がした。」ほど、冷たい。
──のは、視点が17歳の少女だから。妊娠させられた少女にとって世界は氷のように冷たい。──と映画は言っている。

が、ぜったいにエモーションへ落とさない。ぜったいに「かわいそうなわたし、みんなわたしを見て泣いて!」とは言わない。ほとんど近接カメラで、表情が語る。冷徹な映画だった。
また、中絶ができる州、できない州という不条理についても問題を提起していると思う。

(なお「描写節度」とは便宜上の造語でじっさいにはあるかどうかわかりません。)

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津次郎

4.0質問の答えはneverではない

2021年11月1日
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だいず

3.5邦題がなんかダサい。

2021年9月28日
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ようやく観れた。
前作は少し眠くなったが、これは眠くならなかった。
話の流れがシンプルで太いからだろうか。
退屈になりがちな会話でも向かう方向がはっきりしているから飽きなかった。

アメリカは州によって法律が違い、こんな事が起きる。
ペンシルバニア-NY、バリバリの中絶ロードムービーだ。誰の子だとか、好きだ嫌いだとか一切吹っ飛ばして女子貧乏2人旅に絞って描いたのが良かったんだと思う。
ひたすら長回しで徹底的追い回すが、巧みに編集されている。自然な間や、自然な会話がうまく採集されてる。
涙が出て来るまで待ち続けるカメラ、、演技者と監督の信頼関係はこうやって醸造されるのかも。

まるでドキュメンタリーのようだった。

前作からの進歩は確実にあったと思う。

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masayasama

3.0感情を抑えた十代の妊娠

2021年9月27日
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かなり期待して行ったが、私にはあまり響かなかった。私が高齢であり、日本とアメリカの妊娠中絶に対する厳しさの違いがよく分かっていないのかもしれない。主人公はほとんど心境を語らず、親とも断絶している様子。妊娠したことに対するカウンセリングや検査機関のスタッフは皆さん優しく少女に寄り添っているように見えた。主人公はだれにも相談せずに、NYへと向かう。一緒に従姉妹も連れそう。これに関して母親との会話もほとんどない。しかも、この主人公(17)と従姉妹(21)の間にも本音を語り合うところはなく、言葉も少ない。一方で、検査の様子など、リアルで女性の置かれた厳しい現実は男性では伺うことのできないやり取りもあった。簡単に言葉にはできない、誰も信用していない、言葉は必要ない。のかもしれない。
2020の日本の「朝が来る」も十代の妊娠を扱った映画だが、こちらは人の「言葉」「態度」が自分だったらどうするのか突きつけられているようでとても印象に残った映画であった。

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M.Joe

4.0男性不審になりそう

2021年9月12日
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でてくる男性みんなクズ。

自分でやったから自分が悪い?
確かにそうなのかもしれませんが…

変に大人でやっぱり子供な17歳。
母に途中で電話する彼女、
泊まる場所の助けを断る彼女
それでも中絶には立ち会ってもらう彼女…。

私には、言葉がない2人の関係が読み取れなかったです。
指切りをするシーンでは従姉妹が
可哀想でした。
わかっていて何もできないことに辛くなりました。
が確かにあの場では何もできないのか…
ヒーロー現れろ!と映画にハッピーエンドを求めてしまいました。
現実ってこんなものか…
そして男の人怖い。最低。

スーパーの店員さんも最低。

現実には、奇跡や優しさも存在しなくて、
それを受け入れている彼女たちを見て切なくなりました。

2人は今後、
どうかいい恋をして欲しいなと願うばかりです…

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くるっぽ

3.5静かな映画。観て感じよう考えよう

2021年8月23日
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田舎の高校生が妊娠してしまったので、親にも秘密のまま、いとことふたりで親の許可なく人工中絶できるニューヨーク州に出かけていって堕胎する話。日帰りでできると思ったのに、いろいろな妥当な理由から2泊3日がやむなき状態になって、苦労する話。

会話は、きわめて少ない。「彼女の "瞳に映った世界" をカメラを通してあなたたちも観てくれ」ということなのだろう。自分も任せて、たゆたった感じ。
男性として観た方がいい映画だったなあとも感じた。彼女たち二人に関わってくる男性たちのあからさまな性的欲求(バイト先店長、露出狂、ナンパ青年)。そういうものに常日頃から晒されているんだという立場を共有することから始めよう。相手を理解するってこんなことから始まるんだろう。

とくに印象的なのは、中絶手術に割く時間の長さ。そして手術の前後でのカウンセラーとのやりとり。その一言一言が、「『子は宝。中絶なんかするな』なんて簡単に言うな」という気持ちを自分の中に生まれさせる。「それがあなたの選択ならば、どんな理由でもいい」という言葉。しみる。「なぜ妊娠した」という謎解きなんかではないことに、ほんとうに大切な意味があると感じる。

田舎(ペンシルベニア州)と都会(ニューヨーク州)の考え方の大きな違いを際立たせ、どちらであるべきかを俺たちに考えさせる。

う~ん。とにかく観たままをこちらに提示し、こちらが考えることを強要するわけではないが静かに期待しているような感じがする映画。

老若男女、すべての人に一度は観てほしい映画。エンターテインメント性は期待しないでほしいけれど、普通に最後まで観られると思います。

おまけ
おお、アメリカでもカラオケボックスは当たり前なのか!

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CB

4.0「自己開示」のシーンは観ていて辛かった

2021年8月22日
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原題:Never Rarely Sometimes Always

セリフが少なく環境音中心なので、人によっては退屈するかもしれませんが、17歳の「リアル」に寄り添う丁寧な作風に引き込まれました。

父、同級生、バイト先の店長、電車の中の変態野郎、ナンパ君など、出てくる「男」のすべてが「クズ」ばっかり。
男も社会も「敵」と言わんばかりに、冷めた表情の主人公。17歳。

しかし問題のある「男」たちと直接揉めたりするわけではなく、冷めた表情でやり過ごす。
自己防衛的に避けることで、ダメな社会と男に「折り合い」をつけてきたようにも見えました。

主人公は常に無口。

しかし、医療ケースワーカーとのやりとりで、過去の男性との関係性を、原題にもなっている4つの選択肢で聞かれるうちに、冷めた表情が崩れていく。
この「自己開示」のシーンは観ていて辛かった。

1. Never(一度も無かった)
2. Rarely(まれにあった)
3. Sometimes(時々あった)
4. Always(いつもそう)

プロミシング・ヤング・ウーマンの次に鑑賞したので、作風こそ違えど、繋がっているテーマに”う~ん”と唸ってしまいました。

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まさ

4.0少女の悲しみに濡れた瞳

2021年8月15日
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こころ

4.0男女

2021年8月15日
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この映画に関して男が意見して良いのかどうかもよくわからん。
男がめちゃくちゃ不快な奴に描かれてるなーと思ったけど、多分誇張じゃなく女性から見た男ってこんなもんなんだなと思うし。
そして「中絶は殺人だ!」と言いがちだけど、望まない妊娠や育てる能力のない親の下に産まれる子どもの事を考えたら完全に悪だとはいえないとは思うし、これって男性寄りの価値観なのかなと感じた。
よく「女は楽でいいよな」と言うやつがいるけど、僕みたいな雑魚には女性に生まれて女性として強く生きていく能力はないよ。

いとこ役のエマ・ワトソンの亜種みたいな子、めちゃめちゃ人気出そうなオーラがすごい。

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ヨッシー

3.5重いテーマだね。

2021年8月15日
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日本人でもアジア人でもなく、白人の若者も同じような悩みを持ち、1人抱え込んでしまっているのは意外だった。親の職業や家庭の収入によっても起こり得ることなんだね。
ドキュメンタリーではないけれど彼女のその後の人生が幸せであって欲しいと願ってしまった(従兄弟もね〜)。

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Miya-n

4.5従兄妹の

2021年8月14日
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タリアがめちゃくちゃ良い。17歳のカルテのアンジーと同じで主人公喰ってます。そういえばタリア・ライダーって…ウィノナ…
自分もああ云ういとこ欲しい
題材は重くてやるせないけど、読後感は不思議と悪くないです。

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michi

4.01度もない、めったにない、時々ある、いつも

2021年8月13日
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友達の少ない女子高生オータムが妊娠してしまい、地元では中絶できないので、親友のように仲が良いいとこのスカイラーが付き添ってくれて、一緒にニューヨークに行って中絶手術を受けようとする。それを淡々と描いた作品。
バスで出会った年上の男を「きしょい」とか言いつつ、根っから悪い奴ではないのを見抜いて利用し、駆け引きする。その瞬間、二人は離れてしまい、もう会えなくなるかと思った不安。
再婚相手に遠慮している母、妊娠した少女たちをサポートする人たち。
主人公のやったことに正義はないのだが、決して他人事ではない問題を描いている。

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ミーノ

3.5少女たちが置かれた厳しい環境が浮き彫りに

2021年8月10日
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NYの西側に位置するペンシルベニアに住む17歳の高校生オータム。妊娠していることを知った彼女は中絶手術を受けるため従姉のスカイラーとニューヨークへ向かった。

ヒリヒリする厳しい旅。十分なお金を持たない未成年の少女たちには危険な旅だった。

一度もない、まれに、時々、いつも・・・原題の意味、そしてオータムの日常に存在する闇を知った。そこに戻って行く彼女たちを思った。

大きな大きなスカイラーの存在。予期せぬ危機を身を削りながらもクールに回避した。そのタフさに彼女の人生を思った。そんな友達がいたら無敵なのだろうが。

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エロくそチキン

2.5なんて言ったらいいのか

2021年8月10日
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トミジュン

4.0楽しかったという映画ではない

2021年8月9日
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台詞では直接的に説明されない
色々な仕草から想像するけど、それがあってるのかわからない
現実にこういったことは、原題4単語のうちどれくらいなんだろう
邦題はミスリードさせると思う

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sakurasakura

3.0「ザ・ノンフィクション」を見ているようでした

2021年8月8日
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日曜の昼間にやってる「ザ・ノンフィクション」のアメリカ版、みたいな映画でした。

ポスターだと、左の美少女がまるで主人公みたいな撮り方ですが、右のうなだれてるk.d.ラングが主人公でした。
そのk.d.ラングが妊娠して中絶するまでを描いた映画です。(この二人は従姉妹という設定)

美少女が妊娠した設定の方が観客は増えるんだろうけど、あえてk.d.ラングで行ったところに生々しさが。
手持ちカメラでずっと追っかけてるので、一緒に旅してるような気分に。

どうやって夜を明かしたのか、うまく省略されてたけど、一体どこで寝たんでしょう?

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ababi

3.5イトコは天使

2021年8月4日
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邦題もよく意味を取れてないほど事前情報ゼロで観た。こんなロードムービーとは想像だにしなかった。目指すゴールがこれとは。それにつけても、天使のように献身的なイトコは必要かもしれない。

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t2law

3.5解き明かされなかったこと

2021年8月3日
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WELOVEMOVIES

4.0彼女たちが世界をどう見ているか、深く考えさせられる一作。

2021年8月2日
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無表情を装った心の鎧が、一瞬綻びを見せる瞬間の儚さが印象的な作品です。

高校生のオータムとその従妹スカイラーの短い旅を追う、一種のロードムービーですが、彼女らの目指す先は重く、陰鬱で、それ故に二人の表情は終始曇ったままです。高校生のオータムは、自分の人生を決定しなければならない状況で余りにも無力です。しかし彼女の心の鎧をますます厚くしてしまうのは、単なる状況の過酷さだけでなく、周囲の、時におぞましい扱い、そして眼差しです。無遠慮に近づいてくる彼らにとってはひとときの、軽い振る舞いのつもりでも、その矛先となる女性たちにとってそれがどれほど嫌悪感を催し、恐怖をかき立てるか。多くの場面でオータムが無表情であるが故に、抑え込み、無視しないと対処し得ない苦しみがむしろ切実に伝わってきます。

決して楽しい物語ではないし、誰にでも勧めたくなる作品ではありませんが、深い余韻を残す映画と言えます。

 一貫して10代女性の内面を描いてきたエリザ・ヒットマン監督は、本作が劇場長編作品としては三作目に当たります。第一作の『愛のように感じた』(2013)もまた、八月以降に全国で公開となるようです。こちらのヒットマン監督の筆致も気になります。

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yui

4.0時代

2021年8月1日
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回る回るよ!時代は回る・・♪
困難な時代ではあるが、確かに次世代の意識の変化の萌芽はここにあるという感想です。

新鮮さとしては家族をめぐる問題はさっと通り過ぎ、監督の二人の少女にそそぐ優しいまなざしが
気持ちいい位、寄り添い抱きしめている姿が浮かび上がる構成です。(それは意に添わぬ相手にキスされている従妹に手を差し伸べて・・って場面に現れていました)

私的には退屈する場面もあったんですが、17歳という年齢を考えればこんなに世界はシンプルで
過酷ではあるけれど、これから経験する世界のいしずえになる描写は好ましいということに尽きます!

昔ダルデンネ兄弟の「ロゼッタ」という秀作があり、」1999年制作でした。20年程してこんなに社会は成熟したけれど、相変わらず少女達の瞳には過酷さが見えている。現実はきびしい

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ソルト