劇場公開日 2021年7月16日

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17歳の瞳に映る世界のレビュー・感想・評価

全93件中、1~20件目を表示

4.5語られない従姉妹の物語も気になって仕方がない

2021年8月27日
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村山章

4.0つらく、やるせなく、美しく、過酷

2021年7月13日
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鑑賞方法:試写会

悲しい

なかなか届かないだろうとは思うが、未成年で性交渉の可能性がある十代の若者にこそ観てほしい映画だ。避妊の知識が不十分だったり、知識はあっても男性側に押し切られ行為に及んだりして、結果的に望まない妊娠をしてしまったとき、精神的にも肉体的にもダメージを負うのは圧倒的に女性の側なのだということを、本作は主人公オータムと従妹のスカイラーの数日間を通じて訴えかける。

親に隠したまま中絶したいオータムは、保護者の同意が必要な地元ペンシルベニアではなく、同意不要で手術を受けられるニューヨークへ行くことに。つらくやるせない旅だが、スカイラーの並外れた献身が大きな救いであり、珠玉の輝きを放つ。2人がレジ係のバイトをする地元のスーパーで旅費と中絶費用のお金を盗み、旅先で資金が尽きた時に“体を張って”知り合ったばかりのナンパ男ジャスパーから借金するなど、自身へのリスクを顧みずオータムを助ける姿勢に、観客の多くは「自分ならここまで他者のためにできるだろうか」と自問するはず。演じるタリア・ライダーの醒めた目も印象的で、精神的な幼さと脆さを感じさせるオータムを演じたシドニー・フラニガンとのバランスが絶妙だ。

通路の柱の陰からオータムがそっとスカイラーの手をとるシーンが忘れられない。

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高森 郁哉

3.5見終わると妙に優しい気持ちになれる

2021年7月12日
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泣ける

悲しい

アメリカのペンシルベニアからニューヨークまで、女子高生が親友の従妹を伴いニューヨークへ。目的はペンシルベニアでは両親の同意なしには許可されない中絶手術を受けること。なぜ、彼女はそうしなければならなかったのか?という、"話の起点"になる疑問は想像の域に止めて、冷え冷えとしていて温かみのない女の子2人の旅に同行するカメラは、最近、あまり見かけなくなったニューヨークの冷たい横顔を捉え続ける。地方からバスでニューヨークを訪れる乗客たちが行き交う"ポート・オーソリティ・バス・ターミナル"の風景が象徴的だ。ニューシネマ世代の筆者は思わず、夢破れて逆にニューヨークからフロリダへと脱出する男たち2人の道行きを描いた『真夜中のカーボーイ』('69)を思い出してしまった。劇中、ニューヨークのカウンセラーから妊娠に至るまでに少女が受けた虐待や強要の頻度を4択(原題の意味)で答えさせられるシーンがある。それまで封印してきた感情が一気に溢れ出るとき、彼女が負った肉体はもちろん、心の傷がいかに深いかがわかるのだ。アメリカに住む女子高生たちの日常をテーマにして、笑いは一切排除し、取り巻く環境の世知辛さに徹底して寄り添った作品。しかし見終わると、妙に優しい気持ちになれるのだ。少女たちの幸せを願って。

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清藤秀人

1.5よくわからない映画だった

2023年11月20日
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千恵蔵

4.0少女を取り巻くこの世界。

2023年5月21日
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鑑賞方法:映画館

知的

冒頭で主人公が歌う歌。男に翻弄される自分を嘆いた歌詞。女としてこの世に生まれてきたことへの嘆きともとれる。そんな彼女に浴びせられる心無い罵声。

舞台は閉鎖的なペンシルベニアの田舎町。思わぬ妊娠に一人悩む主人公。彼女は親にもその事実を打ち明けられない。この田舎町で打ち明けようものならどうなるか、彼女はよく知っている。
田舎の病院は検査も不正確で、あげくに市販の検査薬を使う始末。そんなものすでに試した上での来院なのに。
中絶に対しては当然保守的で、物々しいビデオまで見せられる。

本作を通して主人公が感じる女性であることによる様々な重荷。父との確執、職場でのセクハラ、生理のつらさ、性行為での男性側の横暴、妊娠のリスク、そしてその妊娠を実の親にも相談できないこの世界の閉塞感。

やむなく親に内緒で堕胎をするために仲の良い従妹とニューヨークへ。堕胎を行う病院の前ではキリスト教原理主義者たちによる中絶反対デモが行われている。

帰りのバス代のために男に身を許す従妹と主人公の指が辛うじて繋がる。同じ「女」であるという同士としての二人の絆。

主人公は何故に親にも相談できず、むしろ親に内緒で堕胎に至らなければならなかったのか。帰路につくバスの中で柔らかく暖かい陽射しだけが彼女を優しく包み込む。彼女を取り巻く世界とは対照的に。

今のこの世界で女性の生きづらさを説明を極力排した映像のみで見せた監督の手腕にうならされる作品だった。

以前削除されたレビューを再投稿。

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レント

4.0この作品は誰しもが身近に起こりうる話

2023年5月7日
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難しい

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nin

5.0現実を知ること。、女の子は必見

2023年5月7日
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鑑賞方法:VOD
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redir

3.517歳の女性の前に立ちはだかる世界とは。妊娠中絶がきっかけとなり世...

2023年5月1日
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鑑賞方法:VOD

17歳の女性の前に立ちはだかる世界とは。妊娠中絶がきっかけとなり世界は皮肉にも広がりかけるが、それは当然危険を伴うものでもあり。
主人公の、ナイーブすぎるゆえにかえって揺るがぬ存在感と、いとこの健康さがはらむ危うさの対比が印象的。

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ouosou

5.01.Never2.Rarely3.Sometimes4. Always 女はつらいよ。4択で人生決まる

2023年4月9日
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マサシ

4.0もう子供じゃないのにけして大人じゃない

2022年7月22日
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鑑賞方法:VOD

17歳はもう子供じゃないけどけして大人じゃない。
その年代特有の、寄る辺なさが丁寧に描けていたと思う。

もうちょっと幼い時は自分の世界の中心は家族で、頼れるのは親ってはっきりしてたのに、
成長とともに、親との関係が微妙になっていくことはあるある。
日頃から不機嫌な顔の仮面かぶってたら、ピンチになってもうまく親を頼るやりかたがわからない。頼りたくないって思ってしまう。

頼れるのは自分だけ。でもお金もなくて知識もたいしてない。
オータムには寄り添ってくれる同世代のいとこがいたから、まだましなのかもしれない。
2人でニューヨークの街をさまよう。

世界は自分にひれ伏すなんて勢いで堂々とわたり歩ける17歳なんて、なかなかいない。みんな内心の心細さ、不安を押し殺し、日常を生きてる。
そして非日常のトラブルにぶちあたると、途方にくれる。途方にくれた、無口な彼女の心情はよく伝わってきて、リアルで、そしてちょっと心をかき乱される。なんでもないって顔してても、いざ実際に起きたことと向き合うと、彼女の口からは「never」はほとんどでてこない。まだまだ大人じゃない彼女は、いろんなことを飲み込んでやり過ごしてきたんだろう。17歳だからってだけじゃなくて大人になっても、わたしたちはちゃんと「never」って言えるように、彼女たちも言えるように。そうあってほしいって、そういう世界であってほしいって思う。

そして、傷ついてもよるべなくても不快な時も、つながれた指先が、救いとなるように。そんな絆がどこかにはあることを祈りたい。誰にとっても。

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ターコイズ

4.5女性の権利がまた一つ覆された!!

2022年7月4日
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鑑賞方法:DVD/BD
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琥珀糖

4.0スカイラーがいい子すぎる

2022年6月25日
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バイト先の店長に手を握られたり、客のオッサンにパーティに誘われたり、ナンパしてきた男に連絡先渡しちゃったり、美人だけどワキの甘いスカイラー何かやらかしそうと心配してたけど、ただひたすらオータムを支えてて健気。気の立っているオータムにひどいこと言われても見捨てないし、手術前ナーバスなオータムにはくだらない手品を見せてリラックスさせる。挙句の果てに帰りのバス代まで調達してくれて、もうなんていい子なのこの子は!オータムかなり厳しそうな人生だけど友だちには恵まれたね。手術後の食事で初めてオータムが笑顔を見せてて良かった。未成年が自分の意志で中絶できるこういう施設があるのって成熟した社会だなと思う。中絶禁止の州法を容認する判決が出たばかりのアメリカだけど後退しないよう願っています。

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三毛猫泣太郎

3.5リアルな17歳目線で共感持てました。 従姉妹役のタリア・ライダーの...

2022年6月9日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

リアルな17歳目線で共感持てました。
従姉妹役のタリア・ライダーの異常な可愛さがとても印象的でした。
凄く雰囲気のある描写でとても良かったです。

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tuna

3.5理不尽な社会

2022年5月29日
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シドニー・フラニガン演じる主人公オータムの演技がよかった。理不尽さに対する怒り、不安と孤独、多くは語らないけれど伝わってきました。
女性と男性の交わりのなかで子ができるのにその責任や対処は女性が負わなければならない。男女に対する性教育と中絶の支援が重要だと思います。
いとこのスカイラーと笑いあうシーンが救われると同時に弱い存在にしわ寄せがくる社会の理不尽さが苦しかった。

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はるみ

3.0監督が女性ならではの視点で丁寧に作られている

2022年5月18日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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Ririen

4.0親友は従妹だけ

2022年5月17日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

予期せぬ妊娠に戸惑う主人公は17歳、結局、親友の従妹とニューヨークに行き、中絶することに。
日帰りのつもりだったが、なんと3泊4日となり、お金もなくなり・・・。
年相応の無鉄砲さが危なっかしく、見守ってしまう。

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いやよセブン

3.5自分で決めたのなら、なんの問題もない。

2022年4月6日
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鑑賞方法:VOD

個人評価:3.7
誇張なく静かに17歳の少女に、ただただ寄り添う物語。教訓や説教もなく、少女の決断だけがそこにはある。
自分で決めたのなら、なんの問題もない。
劇中でのこの言葉がとても印象深い。

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カメ

3.5ニューヨークの片隅で

2022年3月23日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

難しい

ニューヨーク…そこに若者が憧れる煌びやかさは一片も映し出されてはいなかった…

ある目的の為だけにニューヨークへ向かったオータムと彼女の異変に気付き問題解決の為に同行する従姉妹のスカイラー

女性であるが故の苦悩…しかし女性の武器も利用出来る…リアル過ぎる17歳の危うさ、脆さ、痛みを伴うロードムービーの異色作でした

ケースワーカーや両親を頼らず葛藤しながらも
淡々と事を成して行く少女達に
大人としての面目の無さに虚無感さえ感じてしまった…
それ程、主演2人の刹那さと切なさが込められた深い演技力に今後注目して行きたい!

オータムとスカイラーの「18歳の瞳に映る世界」が
希望に満ちた明るい世界である事を祈ります

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ねもちゃん

4.0人間らしい人の瞳に映る世界‼️❓

2022年1月12日
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そうなんだよね。
原因を作る男は、古今東西、アメリカも日本も、いるんだよね。
苦しむ女性、それも、未成年なら、犯罪、いや、命のやり取りすらある。
無責任で、怠惰な、男たち、にはムカつくな。
意義はあるよね、公開して広くみんなに知らしめること。
観てて、エンタメじゃないから、観てて、苦しいけど、映画ファンとして、見届けて、レビューする義務はあると思う。
誰にも薦められるわけじゃないけど、未成年の中絶とか、親とか、男として関心があるなら、ぜひ。
いや、未成年の男女、是非。

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アサシン5

4.0ひりひりとつらい

2022年1月11日
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中絶したい女とそれを手助けする女の設定はクリスティアンムンジウの「4ヶ月、3週と2日」(2007)を思わせる。が、ムンジウのはチャウシェスク政権下で、違法中絶をする話。社会派なそれに比べて、こちらは少女の心情に焦点があたっている。

妊娠した少女と従姉妹、ふたりが遠出して中絶をする二日間のようすを坦坦とえがく。

必ずしも諒解していない関係の結果、女だけが被る不幸──その理不尽・不公平を訴えたい都合上、男を下劣に描写しているが、出てくる男全員がプレデター(女を食い物にする輩)や変質者に描かれているきらいはあった。

その誇張は理解できるが、一人くらいはまっとうな男がいてもいい気がした。

映画には描写節度というものがある。

なにかを訴えたいばあいに、それを強調するのだが、強調しすぎると──あざとくなったり、リアリティが削がれたり、うさんくさくなったり、場合によってはあほらしくも──なる。

日本のほとんどの映画監督は描写節度を持っていない。
わたしはかつて「湯を沸かすほどの熱い愛」のレビューにこう書いた。

『テーマはかわいそうな境遇。主人公双葉は薄命、娘の安澄はいじめられっ子、探偵さんは亡妻の子連れ、拓海くんは継親から逃げ出したヒッチハイカー、酒巻さんは唖者。右も左も不遇の免罪符しょっている人物だらけ。かれらが不幸自慢を繰り広げる様子はモンティパイソンの4人のヨークシャー男も顔負けで、エジプト行きたいを伏線とする人間ピラミッドなんか、全身鳥肌の恥ずかしさだったが、映画サイトは軒並み異様な高得点をつけた。
(中略)
湯を沸かすほどの熱い愛に並んだ高評価だらけレビューをながめたとき、わたしは強烈な疎外感を感じた。「泣けた」「泣けた」「泣けた」「泣けた」「泣けた」「泣けた」「泣けた」「泣けた」「泣けた」「泣けた」が居並ぶその渦中へ「爆笑しました」で突撃するのは気が引けたからだ。が、朗報!この国、フランダースの犬の最終回で天下取れっぞ!とは言っておきたい。』

かわいそうを強調しすぎるとコメディになる。
わたしにとって「湯を沸かすほどの熱い愛」はコメディだった。

悲劇なドラマをつくりたいならば、かわいそうや被害者面をひたすら強調表現すればいい──という方程式が存在するのはもはや日本映画界だけである。
また残酷をつくりたいならば風呂場で屍体をバラバラにするシーンを配置しとけばだいじょうぶ──と考えているのも日本の映画監督だけである。

かれらには描写節度がない。

描写節度とは、わかりやすく言うなら、ヒーロー/ヒロインに負の描写を加えること、あるいは悪や敵対者に共感できるような人間味が描かれることを言う。

世のなかの事象で一枚岩になっていることはひとつもない。

映画のなかの人物も、その複雑を持っていなければならない。正義に両義性がなければならない。モロも正義だし、エボシだって正義だ。絶対の悪も、絶対の善もない、複層のヒューマニティを据えることを描写節度──と言うのだ。

この映画には描写節度がある。

ふたりの少女はひたすらかわいそうな目に遭っているのだが、まったくエモーショナル方向へ落ちない。エモーショナルへ落ちないとは、観衆を泣かそうとはしない──ということ。

見ている間じゅう、ずっとヒリヒリする。

冒頭、舞台化粧して弾き語りをする主人公オータム。そんな無邪気な少女なのに、妊娠させられた男にはwhoreと罵られ、母親の後夫はクズ、バイト先の主任は変態。苦しみぬいて、スカイラーとクリニックへのバス旅をする。道中行きずりの男ジャスパーも無邪気な捕食者でしかない。

冒頭にも言ったが米(+英)映画なのにムンジウを思わせるほど暗く冷たい。

世界が冷たく、まわりのにんげんたちも冷たい。「一人くらいはまっとうな男がいてもいい気がした。」ほど、冷たい。
──のは、視点が17歳の少女だから。妊娠させられた少女にとって世界は氷のように冷たい。──と映画は言っている。

が、ぜったいにエモーションへ落とさない。ぜったいに「かわいそうなわたし、みんなわたしを見て泣いて!」とは言わない。ほとんど近接カメラで、表情が語る。冷徹な映画だった。
また、中絶ができる州、できない州という不条理についても問題を提起していると思う。

(なお「描写節度」とは便宜上の造語でじっさいにはあるかどうかわかりません。)

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津次郎