劇場公開日 2021年7月16日

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「感情を抑えた十代の妊娠」17歳の瞳に映る世界 M.Joeさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0感情を抑えた十代の妊娠

2021年9月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

かなり期待して行ったが、私にはあまり響かなかった。私が高齢であり、日本とアメリカの妊娠中絶に対する厳しさの違いがよく分かっていないのかもしれない。主人公はほとんど心境を語らず、親とも断絶している様子。妊娠したことに対するカウンセリングや検査機関のスタッフは皆さん優しく少女に寄り添っているように見えた。主人公はだれにも相談せずに、NYへと向かう。一緒に従姉妹も連れそう。これに関して母親との会話もほとんどない。しかも、この主人公(17)と従姉妹(21)の間にも本音を語り合うところはなく、言葉も少ない。一方で、検査の様子など、リアルで女性の置かれた厳しい現実は男性では伺うことのできないやり取りもあった。簡単に言葉にはできない、誰も信用していない、言葉は必要ない。のかもしれない。
2020の日本の「朝が来る」も十代の妊娠を扱った映画だが、こちらは人の「言葉」「態度」が自分だったらどうするのか突きつけられているようでとても印象に残った映画であった。

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M.Joe