逃げた女のレビュー・感想・評価
全3件を表示
何気ない女子トークだけってことはないでしょーよ。
はて、何を観せられているのか?
そして、おそらくガミのことなんだろう
けど、何から逃げたのか?
直感から文脈を組み立ててみることに。
ガミは離婚してないのかもしれない。
「愛する人とは何があっても一緒にいるべき」
が理由で。先輩や知り合いと話をすることで、
その決断を正当化したいと思ったのでは。
ヨンスンにあまりにも男っ気がない、
あるいは同居人との関係を疑う始末。
お盛んなスヨンには元気をもらい、
むしろ背中を押される。
ウジンとは想定外だけど、押された背中は、
かつての彼氏、チョン先生に向いた。
喫煙所で食ってかかる様子や戻って再び
映画を観るガミが愛おしい。
あと、三人それぞれのシーンの中で現れる
男性たちが興味深い。泥棒ネコ呼ばわりする
野良猫に餌をあげることに注意する男性、
一度の関係が断ち切れず逆ギレ状態の男性、
面倒くさい鼻持ちならない男性(チョン先生)。これを見てると、女性同士の穏やかな
シーンに男性が割り込むことでざわつく
対比がコミカルにも思えた。
とにかく、りんごが食べたくなってきた。
柔らかな空気感
主人公ガミを演じたキム・ミニのナチュラルな演技と透明感、スレンダーで美しい身のこなしに魅了されました。
韓国映画「はちどり」で主人公の少女ウニが慕う漢文塾の教師ヨンジを演じたキム・セビョクも出演。
作品全体を包む柔らかな空気感、耳障りの良い韓国語で交わされる何気ない会話(←韓国語は全く分かりませんが😅)が心地いい。
自ら生き方を選択し、互いに本音で思いを語り合う彼女達の姿に、心が和みました。どちらかというと女性にお薦めの作品かも知れません。
-鶏の首の後ろ
映画館での鑑賞
上の階には何がある?
シンプルな服を着て猫を可愛がっている中性的な友人。片や有名デザイナーの服を好み色恋沙汰にも積極的な女性的な友人。まったくタイプの異なる二人だが、二人とも上の階には狙ってる男性がいたり何かある。(一人目の友人はそれが何かもわからない)
最後にガミが行くのはfall in fallという奇妙な名前の文化施設的なところ。施設案内表記は上からB2で始まり一番下が4Fという、通常とは逆になっている。そのB2に元恋人がいて、講演会みたいなものを開いている。元恋人とは4Fで会い、元恋人の最近の活動に苦言(現妻が言っていたのと同じ)を呈し、一度はその施設を去るものの、また戻ってきて映画を観ている。
逃げた女というタイトルから、このラストは一度元恋人から逃げたけど、もう一度向き合っているようにも見えるし、fall in fallという施設名から元恋人のところへズブズブ落ちていくようにも見える。
いずれにせよ、何気ない会話から登場人物たちの人生が浮き上がってくるところがすごいし、登場人物に思いを巡らせて非常に面白かったです。
全3件を表示