シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!

劇場公開日:

シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!

解説

19世紀末のパリを舞台に、ベル・エポック時代を象徴する戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」の誕生秘話を描いた伝記ドラマ。1897年、パリ。詩人で劇作家のエドモン・ロスタンは、もう2年近くもスランプ状態に陥っていた。そんな彼のもとに、大物俳優コンスタン・コクランの主演舞台を手がけるチャンスが舞い込む。しかし決まっているのは「シラノ・ド・ベルジュラック」というタイトルだけで、執筆は一向に進まない。そんな中、親友レオが愛する女性ジャンヌと、レオになり替わって文通することに。彼女との詩美あふれる手紙のやり取りに刺激され、自身の脚本執筆もついに進み出す。やがて、借金だらけの俳優や気まぐれな女優ら崖っぷちの舞台人たちが劇場ポルト・サン=マルタン座に集い、それぞれの人生を懸けた舞台の稽古が始まるが……。

2018年製作/112分/G/フランス・ベルギー合作
原題または英題:Edmond
配給:キノフィルムズ、東京テアトル
劇場公開日:2020年11月13日

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映画レビュー

4.0恋文代筆の物語類型が持つ普遍の魅力を重層的に構成した技あり作劇

2020年11月27日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

楽しい

幸せ

岩井俊二監督の「ラストレター」やNetflix映画「ハーフ・オブ・イット」など、ラブレターの代筆や正体をなりすました文通を軸にした恋愛物は、バリエーションを増やしつつ今も作られ続けているが、その源流が19世紀末のパリで誕生した戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」だ。演劇ファンでなくとも、舞台を現代の北米に置き換えた映画「愛しのロクサーヌ」で大筋を知った人も多いはず。

さて本作は、“傑作劇の誕生秘話”という体で、劇作家エドモンが友人の恋文を代筆することに着想を得て、件の戯曲を書き上げ上演にこぎ着けるまでを快調に描く。劇中劇でのシラノとロクサーヌの文通、映画の中でのエドモンと衣装係の文通、2本の恋文代筆のストーリーラインを重層的に構成し、「シラノ」が持つ魅力を新たな切り口で伝えている。

俳優出身のアレクシス・ミシャリクは、16年に作・演出して高評価された舞台劇を、自ら映画化して長編監督デビューを果たした。俯瞰するなら、シラノ、エドモン、アレクシスの3重構造の活躍譚と捉えることもできよう。

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高森 郁哉

4.0面白かった……が

2024年9月1日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

単純

ファンタジーとして見るなら十分か
そこに、何か事実を求めるなら、ご都合主義的に話が進みすぎて軽薄な感じ。
日本の映画にありそうな展開がそのように感じさせる理由かも。
いずれにしても、シラノドベルジュラックを見た、読んだ数で評価は分かれるだろうな。

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なりなりなりたさん

5.0楽しさが押し寄せてくる

2023年11月24日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

面白くて良質な作品に出会ったときはその魅力を伝えられるいいレビューを書きたいと思うが、この作品の面白さを表すのは難しい。

主人公エドモンが作中で体験する出来事を元に「シラノ・ド・ベルジュラック」を完成させていくというストーリーはもちろん面白いと断言できるが、それよりもっと感覚的な、楽しさの風が吹き抜け貫かれるような高揚感がある。

無理矢理その理由を探ると全体のスピードが早いことだと思う。
まずストーリー展開が早い。そしてまくし立てるようなセリフ。最後にぐるぐると目まぐるしく動くカメラ。
これらが絶叫マシンかのように襲いかかってくるアトラクション的楽しさ。

作家が戯曲を完成させるという物語に感じるのは不自然なハラハラやドキドキがある。笑いがある。ロマンスがある。
映画は演出次第でいくらでも面白くなるとは思っているが、こんなに実感できる作品はなかなかない。

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つとみ

3.5名作ができるまで

2023年5月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

楽しい

興奮

知的

演劇のことは全く知識がありませんが、劇が出来上がるまでの展開がスピーディに描かれていて面白かった。

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たけお