キング・オブ・シーヴズのレビュー・感想・評価
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老いた悪ガキどもの遊び
前半は強盗をするまで、後半は互いが疑心暗鬼に陥るドラマで、毛色がちょっと変わるがどちらも面白かった。
それぞれが自分勝手にお宝をポケットにしまい込む。誰は信用できない彼は信用できないと、これまた自分勝手だ。それは、命の取り合いにまで発展しそうなくらいピリピリしていく。
元々一枚岩の強盗団というわけではなく、仲もよくなさそう。
しかしこの作品が面白いのは、本当に嫌悪し合っている不仲な悪党同士ではなかったところだ。
ラストの裁判直前シーンで、いつものように軽口を言い合いながらも刑期が少なくすむように支え合おうとする。
幾度か挟まれる過去と思われるシーン。彼らは何十年も前の若い時からこんなことを繰り返している。騙して裏切ってなんかをずっと続けながら、またつるんで強盗する。
結局この人たちは体が大きくなり老いただけのクソガキで、軽口も裏切りも全て彼らのおふざけの延長なんだな。喧嘩しながらも一緒にいる悪ガキ集団。永遠の子ども。
警察にも追われ常にギリギリ感のある演出だけども、ハラハラしてしまうことがすでに仕掛けだったんだな。
仲間を出し抜き警察からのがれ金を手にする。彼らにとっては全てがゲーム。誰が一番多く稼ぐかというゲームでしかなかった。
趣味「強盗」という老人たちの集団。
老人窃盗団
2015 年のロンドンのハットン ガーデン貸金庫強盗事件を映画化。
マイケル・ケインは「ジーサンズ はじめての強盗(2017)」でも銀行強盗をやっているからだろうか今回も泥棒の王(King of Thieves)として熱演でした。
観客層も高齢化しているのでしょうかね、老人窃盗団の映画なんて若者はスルーでしょうし、実話でなければ企画の段階で没でしょう。
いい年をして凝りもせずに泥棒稼業にうつつを抜かす不良老人たち、案の定、病気自慢や健康談義で盛り上がるがそもそも共感できる話では無いので退屈なだけ、爺さんたち金庫破りなんてハードなことを頑張ったねと褒める訳にもいきませんしね。
結局、爺さんたちはあっさり御用、一番のお宝のフローレスのダイヤを持ち去った唯一の若者は未だ行方知れず、老人たちを前面に押し出してはいますが観終わってみれば彼が一番の策士だったということでしょう。
醜い…
キングオブジーヴスと言う割に、全体的に緩いし、かっこ良くない。イメージしていた老人たちのスタイリッシュな泥棒劇とは程遠い。後半は互いに猜疑心が生まれ、仲間割れだし、年の割に強欲で、全く共感できず。リーダー役のマイケル・ケインも賢く、紳士的かと思いきや、妻との約束もどこへやら。実話ベースなので、これが現実的なのかも。まぁ高齢で泥棒するくらいだから、強欲の塊であることには違いない。捕まって何の同情もなかった。
余生
なんというか中途半端な感じもしなくはない。
案外簡単に金庫破りは成功するし、その後のイザコザも緊迫感満載と言うわけでもない。
爺さん達が達観しすぎてるのか…そうそうアタフタする事もない。
クライムストーリーとしては至極退屈ではある。
ブリティッシュなジョークもピンとはこない。原本がそうなのか和訳の弊害か、結構支離滅裂な会話なのだけれど、誰も気に留める素振りはない。
ただ、老俳優達の気負いのなさは目を見張るものがある。結構な会話劇ではあるものの、芝居を見てる感じは薄い。それが返って緊張感を削ぐ要素であるのかもしれない。老練な名俳優達の仕事を堪能するのが、正しい鑑賞の仕方なのかもしれない。
ラストシーンもそうなのだけれど、結構な裏切りがあった割には、皆仲が良く見える。
ジョークを交え談笑しながら裁判に向かう。
その空気感たるや中々に見応えもあり…アレは若い俳優達には出せないものなのだろうと思う。
命への執着が薄いというか…結局、この後何が起ころうとも、どうせ棺桶に片足突っ込んでる俺たちだ、みたいな。
案外、爺さん達の暇つぶしが動機だったのかもしれない。ただ、ちょいとニヤリとするのが「警報機のスペシャリスト」の存在だ。
ホントにいたのだろうか?
それこそ、老い先短い爺さん達の置き土産ではないけれど、遺産としてどこかに隠されているのかもしれない。
全く関係のない昔の作品を、それぞれの若かりし頃として本作に引用できたりしちゃうとこは、さすがの経歴と感嘆しつつも面白い。
そんな事を考えると同窓会なような気もするし、一風変わったコメディと捉えるのもアリなのだろう。
面白いのは犯行後
実話ベースの物語。若手からの情報をもとに、おじいちゃんたちが銀行の金庫破りを企てる。
前半部分はダラダラしてて結構退屈。でも皆おじいちゃんだから金庫破りの実行もかなりゆるくて、中盤くらいからはそれなりに面白かった。でも本当の面白さは犯行が成功してからの配分で揉めたり、少しでも自分の取り分を増やそうとする醜いかけ引きが始まってからだった。おじいちゃんになっても強欲なやつは強欲だし、暴力的なやつは暴力的、ずる賢いやつはずる賢いってことだ。
でも犯行の細部はかなり雑で、そら捕まるよなって思うことばかり。実話だから仕方ないけど。ただ最後、もう刑務所に入っても別に困ることはない、心配なのは死後のことだけだってセリフはたくましくて羨ましい。
ちなみに使われていた音楽が妙にカッコよかった。本当は2.0くらいでもいいかなと思ったけど、ほんの少し加点した。
大きな展開はなく会話劇中心
思ってたのとは違ったなというのが率直な感想である。
老人が金庫を破り強盗すると言った目新しい作品であり、且つ実話ベースという事もあって期待していたが、強盗部分の詳細らこの作品においてあまり重要でなく、そこらのシーンを丁寧に描かれていたり緻密さは全くない。
強盗後の彼らの分け前をはじめとした内部でのゴタゴタを老人ネタを存分に織り交ぜてコメディ要素強めに、そして彼らの会話劇を楽しむような作品であった。
残念ながらこれらの部分を全く楽しめなかった僕にとっては退屈さを感じる作品となってしまった。
この様な強盗ものには付き物である警察に追われる展開もこの作品においては重要ではない為、
強盗部分逃走部分が重要でないとなるとやはり話の展開も大きな展開はなく、一つ一つの小さなやりとりのシーンを淡々と見せられる為合わないとやはり長さは感じる。2時間ドラマを見ているような気分であった。
俳優陣を楽しみ、そして会話劇を楽しめるようであれば楽しい作品になるのだろう。
世界的にも珍しい犯罪の実話なだけにもっと彼らの犯行手口や犯行後の生活の詳細を知りたい気持ちが強くなった。
【”剥落の趣”が漂う映画。マイケル・ケインを愛でる映画でもある・・。】
-この映画の、ストーリーはシンプルだ。
2015年に起きた、ロンドン宝飾店の貸し金庫から宝石、現金1400万ポンド(約20~25億円)が盗まれた、実際に起きた「ハットンガーデン事件」を基に描いた作品。
ブライアン(マイケル・ケイン)を始め、平均年齢60歳を越える、身体中に支障を抱える強盗団の姿が、少しの笑いと哀愁を帯びて、描かれている。-
■印象的なシーン
・ブライアンの妻が亡くなり、彼は謎の青年バジルの手引きで、再び犯罪に手を染めるが、仲間達にかつての結束はない。徐々に仲違いして行く彼らの姿。
・仲間に対する猜疑心が募る中、ブライアンは突如、彼らと距離を取る。
ー 感覚で、こいつらとは、仕事は出来ないと感じたのであろう・・。-
・残った、テリーやケニー、ビリー達は、一番若造のバジルの手引きで、何とか貸金庫から、金品、金の延べ棒、札束をごっそりと奪うが、バジルには正当な分け前を与えない。
ー 強盗の矜持も、歳とともに失ったようだな・・。-
・監視カメラなどを効果的に使うロンドン警察は、彼らを追い詰め・・。
ー まあ、自業自得というか君達が、現役時代の時とは、操作方法が格段に向上しているのだよ・・。-
◆ブライアンの且つての仲間ケニーを演じた、トム・コートネイや、表向き魚屋さんだが、盗品換金屋ビリーを演じたマイケル・ガンポンの若かりし頃の映画が、時折挟み込まれる遊び心が、楽しい。
<ブライアン達をまんまと陥れ、最後に笑った新たな”キング・オブ・シーブス”は、誰なのか・・・。(観れば、予想は付きます・・。)
男性は、歳を取ると、猜疑心が強くなる傾向があるそうだが、幾つになっても、仲間は大切にね!。>
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