「主義思想よりもこわいもの」ジョーンの秘密 chakauooさんの映画レビュー(感想・評価)
主義思想よりもこわいもの
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モデルとなったメリタ・ノーウッドは共産主義者だったそうであるが、
この映画の主人公のジョーンはそのように描かれていない。
ジョーンをあえて普通の大学生とすることで、
強烈な共産主義思想を持っていなくとも
仕組まれた友情や恋愛に翻弄されて
誰でも戦争に加担する可能性があるんだと示唆しているように思えた。
周りの共産主義者の空気に飲み込まれていくジョーンを見ていたら、
高野悦子の日記を思い出した。孤独であり未熟である。
ソニアの突然の窓から侵入の出会いから仕組まれていたと思うとぞっとする。
ソニアの大人で少し危険の香りがする妖艶さに
自分が大学1年生だとしたら簡単に魅了されてしまいそうだ。
そしてジョーンを取り巻く男たちよ。
ジョーンが利用される側だったからかもしれないが、
まあとにかく見ていてイライラしてしまうような奴らばかりだ。
「会いたかったって言っておけばいいんだろ」って態度が見えてるぞ!
モントリオール大学のトイレのシーン、
ジョーンからおどろおどろしい恋愛の憎しみが溢れていたね…
最後は強かに逃亡をゲットしたジョーン。
ソニアの家の訪問後あたりだろうか、ジョーンが利用する側に転換した気がした。
ラストに現在のジョーンが見せる不敵な笑みが意味するものはなんだろうか。
こうなることを見越して、子供を弁護士に育て上げたのかと思わせるような含みのある笑いだった。
ジョーンの取った行動について何を思うか、ゆっくり考えよう。
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