「モータウン・サウンドって、中学生の頃、mourn town sound だと思っていた」メイキング・オブ・モータウン カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
モータウン・サウンドって、中学生の頃、mourn town sound だと思っていた
1959年創業のレーベル。社長ベリー・ゴーディ元気すぎ。80ははるかに越えているはず。顔テカテカ。頭ピカピカ。音楽と金と女がエネルギー。結婚三回、離婚も三回。子供はざっと両手。看板女性歌手のダイアナ・ロスにも子供生ませて、やるな。じいさん。
子供のころは新聞売り。
黒人の子供はひとりならキュートだが、ふたりだとキョーイ(笑)
なるほど名言。
プロボクサーやめて、歌手🎤に。
レコード店経営(失敗)を経て、姉さんと作曲家に。
スモーキーと出会って、彼らに背中を押され、姉さんにお金出させて、レコードレーベルを作ることに。スモーキーは特別な恩人だね。その二人が楽しそうに当時を振り返るかたちで進んでゆく。
スモーキーとミラクルズでヒット連発。
その背景には黒人がどんなにいい曲を作っても報酬はすずめの涙。それじゃ、自分たちのレコード会社作るしかない。
ブルースは14小節の単調なコードの繰り返し。歌詞もアレと失恋ばかり。当時のデトロイトの組み立て工たちはそれでもブルースを聞いていた。だが、そんなんで満足するベリー・ゴーディではなかった。黒人にも白人にも受ける曲でないと儲からん。歌詞は当然、恋愛もの中心。
やっぱり、強いリーダーが賢くないと組織はだめ。会社の理念と方針についての理路整然とした映像と説明はとても分かり易かったが、ベリー・ゴーディは実際に自動車工場で働いてはいない。
時々、ジェイミー・フォックスが出てきて、当時の黒人差別などについて後押しする(あまり刺さらなかったけど)。
ニール・ヤングも時々出てきて解説。畑違いだし、レーベルも違うけど、唯一の白人の出演者だった。インディアン(先住民)の味方なのは知っていたが、黒人ミュージシャンからも信頼される音楽界のドンなのだろう。反骨のロッカーだし。まあ、プロレスでいえばベリーに味方してくれるレフェリー役かもね。
あと白人はベリーが雇ったイタリア系の営業部長だけ。マフィアと思わせて、半ば脅しでレコード置かせる話しのくだりが実に愉快。ご本人、ご存命で白髪の老人だった。
その他、スタッフではスプリームスのお作法しつけ役の教育係が印象に残っている。スタッフメインにミュージシャンたちのインタビューや当時の写真、フィルムもたくさん見れて、聴けて大満足。
なかでも、スティービー・ワンダー、マイケル・ジャクソンの少年時代、ジャクソン5でしょう。
マーヴィン・ゲイ、タミー・テレルは早くに亡くなって残念。マーヴィン・ゲイの路線変更のくだりやダイアナ・ロスの社長に対する反抗のくだりも良かった。
メアリー・ウェルズの My Guy に対抗してテンプテーションズの My Girl ができたくだりは二人ともえらく楽しそうでした。うんと儲かったもんね。
デトロイト発のアメリカン・ドリームを堪能。
モータウン・サウンドって、中学生の頃、mourn town sound だと思っていた。年中喪中の町の音楽。ゴスペルがルーツの悲しい黒人の音楽。ちょっと勉強し過ぎだったかな。
モータウンって Motor town (デトロイト)だったんだね。