メイキング・オブ・モータウンのレビュー・感想・評価
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伝説のレーベルだけに社長の自画自賛も面白い
モータウンというレーベルが、黒人音楽にとどまらず世界のポップミュージック全般に多大な影響を及ぼしたことは否定のしようがない。その中核にいて陣頭指揮を執ったのが創始者、社長、作曲家、プロデューサーだったベリー・ゴーディで、そのゴーディが弟分でモータウンの副社長だったスモーキー・ロビンソンと往時を振り返りながら、モータウンのビジネス哲学を語りまくる。
ゴーディは、強烈なリーダーシップゆえにモータウン帝国によるエンタメ界制覇を夢想し、やがて凋落するのだが、そんなことはおくびにも出さず、音楽業界での功績にだけフォーカスしており、それもゴーディ自身がガッツリ関わっているのだから、どうしても自画自賛の匂いは強い。それでも面白いのは、ゴーディの功績の大きさと強烈な個性、そして、明快な経営哲学が今も刺激的だからだろう。
例えばゴーディは、音楽工房モータウンを作るに辺り、フォードの自動車工場の組み立てラインに着想を得たと明かす。流れ作業のように大量生産されるポップソングが、いかにして人の心を打ち、今も人の心を捉えるのか。芸術と商品という永遠のテーマに関する、空前絶後の成功例を教材にした研究室のようでもある。
唯一、ビートルズに対抗したモータウン
モータウン・レーベルの創設者、ベリー・ゴーディのインタビューでモータウンの歴史を振り返る。
私は世代的に殆ど知っている事柄が多かったが、スモーキー・ロビンソン、マービン・ゲイ、テンプテーションズ、フォー・トップス、ダイアナ・ロスとシュープリームス、スティービー・ワンダー、ジャクソン5など綺羅星の如く光を放つスターが登場するのは楽しい。
よくぞこれだけの才能が集まったものだ。
チャーミングなおじいちゃん
音楽作りを車の組立ラインに当てはめてテンポよく展開させ、大部分がインタビューであっにも拘わらず、退屈しないようになっていた。
モータウンレーベル創始者のベリーゴーディは相当なやり手だったと思うのだが、今となってはギラギラした感じもなく、ニコニコとよく笑い、笑顔の素敵なチャーミングなおじいちゃんといった雰囲気で観ていて心地良かった。
人種差別などの暗い話題は避けて通れないが、過ぎ去って見ればそれもまた良い音楽を生み出すためのパワーとなっていた訳で、キング牧師、マンデラ氏、オバマ氏…それぞれがモータウンの音楽には特別な感慨を覚えているのも納得だった。
観賞後は音楽ってやっぱりいいな、と胸がジンとすると共に心に爽やかな風も吹いた良作だった。
自分のアメリカ史が立体化された
Motownの音楽、とりわけ70年代のブラックミュージックは10代の頃のHipHopカルチャーからの遡りでドハマりした時期があり、色々な音楽を聞くようになった今も黒人のグルーヴに心地さを感じるDNAがあると感じている。もはやクラシックスの領域である音楽の立ち上がる瞬間のアーティストやプロデューサーの事情やアメリカの文化背景が分かり、60年代の名曲や自分が好きだった70年代の音楽が立体的になっていく。とりわけアメリカの黒人差別が色濃く残る時代に同じフロアで人種を超えてその音楽で踊るというのは、音楽の力というのを改めて感じる。さらにMotownでは黒人だけでなく、女性や白人の社員などを積極的に雇用していて皆が良い音楽を作る事に集中しているという、現代のベンチャー企業のような社風があった事も見え方が変わった。さておき、音楽史として、アメリカ文化史の1つとして確固たる地位を築いた創業者のベリー・ゴーディと、彼と共に時代を築き上げたスモーキー・ロビンソンやGoodMusicを残してくれたアーティストには敬意を表したい。ブラックミュージックに興味が無い人にとっては、仲良しおじいちゃんが過去の栄光を語り続ける地獄の作品。
善爺
ジェイミーフォックスが出てくるとドリームガールズが想起されるが、悪役として描かれてきた印象があるベリーゴーディーが老齢になって、スモーキーとイチャつきながら生気を帯び、その像をアップデートしてきたことに昔日の感あり。直前にサムクックの映画を見ていたこともあり、ベリーも時代の寵児、公民権を前進させたことには相違なし。マーヴィンにスティービーとベリーの殻を破って、モータウンを変態したことを、しっかりと認知。善い人になったものだ。
みんな、すっごく楽しそう‼
1959年にデトロイトの1室でレコード会社を始めて、スティービーワンダー、マービンゲイ、シュープリームス、テンプテーションズ、ジャクソン5を輩出。ビートルズの圧倒的な人気の中で、米国の若者たちの新しい音楽として急成長していった 「モータウン」 レーベルのドキュメンタリー。(サウンド・オブ・ヤング・アメリカとまで言われたんだね)
みんな、すっごく楽しそう‼ もちろん曲がのりのりだから、ずっと楽しいわけだが、自分には、「自動車工場で学んだ、『工程ごとに作りこんでいく』 という原理原則を応用したという姿が興味深かった。発掘されたどの歌手も、作曲担当、ダンス担当、マナー担当といった工程を通って行って人気歌手になっていく、その様はなんか楽しかった。
さらに、各歌手とそれをプロモーションする人々のチームが複数あるが、その関係を示す下記の言葉は、なんか、とてもためになった。
「競争しつつ助け合う」、「よいビートを練り上げて、クールに、そしてワオって曲に」、「し烈だが建設的なんだ」、「会議では誰も本音、何を言っても許される」、「白人と黒人が共通点に気づくんだ」、「苦しむな、自ら創造しろ」
ベリーゴーディという人のリーダーシップが、強烈に印象に残る映画でした。堪能。
「What's Going On」の素晴らしい和訳だけども必見
ジャンルやアーティストよりモータウンという”会社”の話。
創業者ベリー・ゴーディが、前職の自動車ラインのノウハウをどう音楽ビジネスに落とし込んだかが面白い。
そしてミュージシャン達は人間ゆえにラインから逸脱する様子も興味深い。
ベリー・ゴーディと相棒のスモーキー・ロビンソンの証言を中心に進むのだけど、この二人が元気ですごい。
豪快に笑って、たまに鋭い眼光を見せる。急に100ドルの賭けをする場面も;
力強く喋ってたベリーは今年91歳だとか。信じられん!
ジャクソン5、スティビーワンダー、テンプテーションズ、スプリームス……モータウンという小さな場所にこんなにも才能が集まった奇跡に胸アツ。
小さいレーベルがポップスを圧巻していく物語はワクワクする。
と同時に黒人への強い差別の中を生きてきた音楽の物語でもある
いくつものリアル・グリーンブックなエピソードを生きている人達が語っている事実に息を飲んだ。ほんの少し前のことなんや。
差別に対しての色んな思惑が語られるなか、流れるマービン・ゲイの「What's Going On」に胸を掴まれる。
ここでの日本語訳がまた素晴らしい。必見です。
ひとつ注意なのが、歌唱/演奏シーンはやや少なめ。そこを期待するとちょい肩透かしを食うかも。
でも最初期のジャクソン5や16歳のスティビーワンダーなどレアな映像はいっぱい。
子供時代のスティビーワンダーのライブ映像には震えた。
まさに天才ですね……。
演奏映像でのカタルシスは少ないけど、ポップ史に名を残す名レーベルの物語には興味しかなかったです。
音楽は時代/社会とともにあるのだなぁと実感。
奇跡みたいなめぐり合わせが作った音楽が人を世界を救うのだとも。
【”社歌をキチンと歌えるのが、社長と副社長だけって、MOTOWN社、大丈夫なのかい!” それでも、MOTOWN社が生み出した、多くの名曲は今でも世界中に響き渡っている・・。】
■このドキュメンタリー作品の面白い所
・ベリー・ゴーディが考え出した、MOTOWN社の楽曲製作システム。
- ベリー・ゴーディがフォードの組立工だったことを初めて知ったし、MOTOWN社の”ビジネスモデル”が車の組立ラインであった事。曲の”品質管理委員会”なんて、我社かと思ったよ・・。暴君のイメージが強かったベリー・ゴーディが急に身近に思えてしまう。
そして、ベリー・ゴーディが黒人経営者として成功した理由が、この作品では、随所で描かれているのである。-
・ベリー・ゴーディと副社長スモーキー・ロビンソンとの関係性
- スモーキー・ロビンソンは知っていたが、ベリー・ゴーディとの関係性は知らなかったなあ。仲が良いのだねえ・・。お二人とも私より数十年も、先輩であるがお元気である。-
・スティービー・ワンダーの若き頃の映像とその天才振りを見抜いたMOTOWN社が、僅か11歳の彼と契約したという先進性。
- スティービー・ワンダーをかなり遅れて聞いた者としては、あの映像の凄さに吃驚する。-
・初期、MOTOWN社のアーティスト達の過酷なアメリカ南部巡業の光景。
・スプリームス(私は、シュープリームスという名の方がシックリくるが、映画ではスプリームスと呼ばれていたので)がヒット曲に恵まれずに”ノー・ヒット”と呼ばれていた事と、彼女たちにヒット曲を齎すための、MOTOWN社の戦略。
そして、スプリームスが”エド・サリバンショー”に出演する快挙の裏に隠されたある事実。
- つい先日、ダイアナ・ロスの娘さんの初出演映画「ネクスト・ドリーム」を観たばかりで、何だか感慨深い。
そして、今作では描かれていないが ”創立60周年記念作品だからね!”ベリー・ゴーディJRの暴君振りは有名で、これが後年のデトロイト暴動と呼ばれるH=D=Hを始めとするMOTOWN社を初期から支えてきた多くの人物が、去って行ったのである。(この事実も、ずっと後に学習) -
・マーヴィン・ゲイの「What's Going On」発売に当たっての、MOTOWN社の決断。
- 政治とは一線を画す事への決別。
そして、「What's Going On」は名曲として、今でも全世界で流れている事実。
この曲をお洒落な曲としてカーステレオで流している貴方(と私)。
たまにはリスニング能力を駆使して、詩を聞こうよ!-
<システマティックに音楽を作る思想を初めて取り入れ、ミュージシャンの素質を的確に見抜き、育てるベリー・ゴーディ。
彼が作り上げたMOTOWN社が生み出した名曲の数々は世界中で今でも、鳴っている。>
<2020年12月29日 刈谷日劇にて鑑賞>
■蛇足(推測)
・エンドロールで流れた、社歌を歌えないスタッフの方々の困惑した表情と言い訳。
嬉しそうに、フルで歌い上げるベリー・ゴーディと副社長スモーキー・ロビンソンの姿。実は”ブラックカンパニー”じゃないの? MOTOWN社は。
私も社歌は歌えませんが・・(あるのかな?)。”社是”は言えます!。
歴史の勉強は1960年代から遡る形にしたらどうでしょう?
創業社長のご機嫌な60周年記念社史、に留まらなかった。はみ出た部分が凄くて涙がでてしまった。アーティストがモータウンを離れ、そしてまた戻ったように。1960年代はやっぱりいろんな意味ですごい。
自動車工場の生産ラインや部門を音楽作りに取り入れるセンス、会議が濃厚で短いこと、肌の色も性別も年齢も人種も関係なく適材適所で働ける、競争させる、でも愛がある。どんな職場もそうあって欲しいものです。そして、モータウンで育てたからこそ、自分=モータウンの枠を超えて成長し新しい世界を作り上げるアーティストを認めることができたベリーは、人育てが上手いだけでなく、自分の「生徒」から学ぶこともできる。どんな教員にも見習って欲しいものです。
当時のデトロイトは活気があって豊かだったんたなあ、キラキラしてる。公立の学校でクラシック音楽の授業があったことが、皆の素養になってると聞いて、ヨーロッパの学校も頑張ってくれ、と思った。
スモーキーが居るからこそのベリーだな。
音楽としては、テンプテーションのMy Girl、知ってて自分でびっくりした。ジャクソン5は勿論知ってたし(映画「ベン」の主題歌を歌う可愛いマイケル覚えてます)、スティーヴィー・ワンダー(11歳からもう完成された天才!これは知らなかった!)も好きだからSuperstitionもよく聞いてた。彼の最後の言葉とマーヴィン・ゲイのWhat's going onに尽きます💧
モータウンが何かわかった
音楽レーベル、モータウン、の歴史を創設者ベリー・ゴーディと戦友スモーキー・ロビンソンの2人が当時の映像とともに語るドキュメンタリー作品。
初めてモータウンというものを知り、スティービー・ワンダー、マイケルジャクソンなど数多くのスターが所属し多くの名曲を出してきた事を知った。
また、音楽業界でもアフリカ系アメリカンの受けた差別や苦労、音楽に自動車会社フォードの生産ラインでの経験から品質管理を持ち込んだとか、興味ある所も多く有った。
マイケルジャクソンの幼い時の歌唱力やダンス、スティービーワンダーの即興での作曲などデビュー前から凄かったのがわかる。
ただし、知らない歌手の興味ないエピソードも多くあり、ゴディーの自慢話のような所も多く退屈で時々寝てしまった。
これほど貴重な映像と音源、そして証言を引き出した二人のターナー監督に深く敬意を表したい一作。
現在から見ればモスバーガーと勘違いする人も多そうな、モダンなロゴが特徴のモータウン。創設者のベリー・ゴーディ・ジュニアが考案したビジネスモデルと音楽性はたちまち世界を席巻し、黒人の社会的地位の変化にまで影響を及ぼしていく。そんなベリー・ゴーディの破天荒な一代記。
「私たちの音楽をブルースやポップスと言うジャンルではなく、スタンダードにしたいんだ」といった意味の作中の台詞が示すように、まさにモータウンが「スタンダード」に駆け上がっていく過程を、信じられないほど貴重な音楽と映像で見せてくれます。
モータウンのビジネスモデルは、 ゴーディもかつて働いていた自動車工場の生産手法を取り入れています。といっても、字面から連想されるような、同じようなアーティスト、楽曲を大量生産する体制ではなく、発掘したアーティストをどのようにヒットメーカーに仕上げていくのか、その方法論を体系化したところにこのモデルの真髄があります。
ゴーディはこの構想に基づいて様々なアーティストを発掘し、そのたびにモータウンとそれが生み出すモータウンサウンドは大きく自己変革を遂げています。その中でも間違いなく大きな転換点となったのは「ザ・スプリームス」のプロデュースで、なかなかヒット曲に恵まれなかった彼女たちに、ゴーディはその個性に合った楽曲を提供し、黒人に対する偏見の強かったテレビ番組にも受け入れさせていきます。その証言と映像が圧巻であることはもちろん、改めて「ザ・スプリームス」の歌声の素晴らしさに感動します。
アーティスト発掘計画書を模した図面がたびたび現れ、今何を語っているのか、これからどのような話を展開しようとしているのかが視覚的にわかりやすいように作られています。プレゼンテーションの手法としても見事。また単に映像をつなげるだけでなく、非常に効果的な加工や編集が加えられており、ドキュメンタリー映画であるにもかかわらず劇映画を観ているようなスリリングさがあります。というか、よくこんな細かいところや舞台裏まで、映像に記録していたな、と半ば感心、半ば呆れることもしばしば。
60年代70年代には、何をやっても成功していたゴーディが、80年代に入ると手塩にかけて育てたアーティストたちに相次いで離反され、凋落して行く様子までも、まさに当事者たちの証言によって語っていきます。普通なら非常に陰惨な芸能界暴露ものどうなってもおかしくないような展開。しかしゴーディの屈託のなさや、彼の元から巣立ったアーティストたちが依然として彼に深い敬意を払っているなどが相まって、むしろ和やかさすら伝わってきます。
まぁ、作中でちょっとだけ触れていたモータウン内の血縁関係をめぐるいざこざも含めていたら、かなり違った感想になったでしょうが。
結末直前に提示された「あるもの」を巡り、それまで伝説のアーティストとして振る舞っていた彼らが見せる素の表情が最高。ベリー・ゴーディとスモーキー・ロビンソンの掛け合いも、時に笑いを、時に涙を誘います。ゴーディは90歳を前にして(全く見えない!)引退を表明しているのですが、まだまだ何か仕掛けそうな予感に満ちていました。
揺るがぬファミリーの絆こそ財産
人種に対する価値観を超越させた良質なる音楽の量産、そのqualityに対する保証ともいえるオーナーの”一途な思いと情熱”を、証言を通じ深掘りして紡ぎ出す、貴重な音楽遺産だろう。確証ある目利きとプロデュース力、綿密な戦略には欠かす事のない本音の議論を経て放たれる、明確な規範に裏打ちされたヒット作の数々。そうした楽曲の”育成”プログラムには、人の感性を基に作られる「機械では無い」物への、正にお手本となる生産術があり、その工程と内情がユーモラスに描かれていた。現代社会と同様、時に、時代の大きな流れとは、昨日迄の思考や行動を一変させる。そうした大きな畝りの中で、柔軟な思考を忘れなかったこのファミリーの働き方も、混沌とした社会を切り拓く一つの重大なヒントとして投げ掛けられている。愛すべきレーベルの歴史を知り、その愛情が普遍的であると実感した。
クライマックスは”What’s Going On”
ベリー・ゴーディとスモーキー・ロビンソンが語るモータウンのアンソロジー。まさに『公式』であります。
悪いことはかっ飛ばしてポジティブに責めまくるので、観る我々も減速することなくアドレナリンが出まくる。知らないエピソードも満載で楽しくて仕方がない。
クライマックスはマーヴィン・ゲイ‼︎
”What’s Going On”が最高傑作だと言い切るスモーキーの言葉に落涙したのも束の間、マーヴィンのアカペラによる”What’s Going On”。涙が止めどなく溢れ出した。そしてジェームス・ジェマーソンのベースが加わった瞬間、鳥肌が立ち嗚咽を漏らした。そう、マーヴィンとジェマーソンだけで十分だった。音楽の奇跡が在った。
そしてダイアナ・ロスが歌う"Ain't No Mountain High Enough”をバックにしてのグランドフィナーレ。清々しい涙が流れ続けた。
踊る現代史だよ、皆の衆。
Ain't no mountain high enough が、やっぱり好き。タミ・ファレルの歌声もダイアナ・ロスの囁き声もカットされてたけどw
天使にラブソングを、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー、グッドナイト・ムーン、早熟のアイオワ等、映画でもお馴染みの人気曲で、しかも、必ず一番良い場面で使われてると言う。今もカバーが絶えないスタンダード。この曲は、本当に皆んなに愛されてるんだろうなぁ、って思いました。「モータウン」そのものですよね。
デトロイトのヒッツビル誕生から、ロスへの移転とその後までのドキュメンタリー。
品質委員会のやりとりは興味津々。本当に、こんな議論があったんだ。
南部へのツアーのエピソードには暗澹。あのメンバーでもホテルに泊まれないなんて。グリーンブックだよ、こっちでも。
まるでアフリカ系アメリカ人の近代史。差別の中でも陽気なラブソングを歌い続けた彼ら。政治的である事が知性の発動であるなんて言うなら、音楽も表現も辞めろよって思ってますが、スモーキーの歌はジョンレノンと同じで「愛」だった。
俺的には、モータウン=ジェームス・ジェマーソンなんですが、演奏する姿に萌え。ダイアナ・ロスとスープリームスには無条件萌え。
もうね、萌え続けの112分で。
良かった!とっても!
以下余談。
AKBのフォーチュンクッキーが流行った時、「モータウン風アレンジ」などと評されているのを見て思いました。
「全然違います」
日本で「モータウン風」と勘違いされているかも知れない、ストリングス多用でグルービーなブラック感溢れるリズム陣、やや忙しいギターリフのアレンジは、厳密にはモータウンでは無く、トルコ人プロデューサー&アレンジャーのアリフ・マーディンあたりの音楽だと思います。カーリー・サイモンのTranquilloや、アベレージ・ホワイトバンドあたりのイメージで西海岸的。このドキュメンタリーには、西海岸的にグルーブされた音楽は出て来ません。
思わずほろりです
38歳のわたしにも耳馴染みのあるモータウンのヒット曲。レーベル立ち上げから初期を振り返るドキュメンタリーですが、楽曲の制作エピソードに関わる時代背景も出てきます。
それは人種差別の過激さ。
今なお、アメリカに限らずどこの国や地域でも起こりうる、いや起こっているヘイトや分断。
そして、そうした社会に対しての作り手としての価値観にぐっときました。
深く太い映画でした。
軽口を叩きつつ、めちゃくちゃ仕事できるこのリーダー、素晴らしいと感じました。
また聴いたことがある楽曲でメロディが好きなものこそ、その歌詞を知ることで、より味わいが深まりますね。
組織として素晴らしい
音楽が素晴らしいのはもちろん、企業・組織としてかくあるべきという哲学を見出せたような気がして、随分イメージと違って驚いた。
車の街デトロイトならではの発想の種(冒頭の機械音と音楽が混ざるところが良かった。『ダンサー・イン・ザ・ダーク』のナンバー"Cvalda"を彷彿とさせる)
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