ディック・ロングはなぜ死んだのか?のレビュー・感想・評価
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感想を聞かれても困るが、気持ちは吐露したくなる映画
アメリカの片田舎で起こった殺人事件。その被害者の死の真相を追うサスペンスといったところなのですが、主人公がやっている中年バンドの練習風景から始まるこの映画。
彼らのバンド「ピンク・フロイト」のグダグダな演奏が披露された後は、練習もそこそこに「ハメ外すか?」と飲酒して花火を打ち上げ、空き瓶・空き缶を的に射撃をし、焚火に小便をかける。と、いい年してこのノリで楽しいのかな?と思うのは自分が根暗だからなのか?と思っている間にシーンは移り、バンドメンバーの1人ディックが重傷を負ったため、病院へ運んでいく主人公とその友人。ところが何故か病院の前に重傷を負ったディックを放っぽり、その場を離れてしまいます。
結果ディックはそのまま死んでしまうのですが、ディックが重傷を負った理由を知っているハズの主人公と友人の2人は、これまた何故かディックに何があったのかを隠蔽しようとするのです。
ところがオープニングで見た印象の通り、2人とも別に知恵がまわるタイプではないので、短絡的なアイディアと嘘で施された隠蔽工作はほころびだらけ。だが事件を追う保安官側も、のどかな田舎の保安官のため、のんびり捜査を続け、直ぐには真相にたどり着かない。
こんな感じで特に緊張感もなくヌルい展開なのに、ナチュラルに墓穴を掘りまくり、いつの間にか追い詰められた主人公はとうとう自分の妻に事件の真相を告白するのです。
そこで明かされた真相があまりにもあんまりな内容のため、もう観ているこちらは笑うしかありません・・・。
しかし当人達は悲惨そのものなのです。こんな真相が小さな田舎町で周知されたら明日からどの面下げて生きていけばいいのか?そのことに思いを馳せると何ともいえない気持ちになるのですが、幸いなことに真相が真相なだけにあまり共感ができない!
もうこちらの気持ちは戸惑いながら森へと消えていくコメットとシンクロしています。
別に見る映画に毎回人生の糧になる何かを求めている訳では無いのですが、こんな話を見せられてどうしろというのか!?
かつての木曜洋画劇場の解説者 木村奈保子さんに「あなたのハートには何が残りましたか?」と問いかけられたらこれ程困る映画もありません。(いや、木曜洋画劇場で放送された映画は結構答えに困る作品が多かったのですが…)
しかし世の中には、あぁ面白いなぁ、楽しいなぁという感想を抱いてもエンドロールが終わった瞬間から内容を忘れてしまう映画というものもありますよね?
そのような映画に比べたら、コレはいったい何だったのだろう?と思わせる、尾を引く映画です。お勧めはしませんが得難い経験をさせてくれると思います。
おバカ映画は嫌いじゃないけど
この手の性癖はあまり好きじゃないんで。
嫁さんがあまりの馬鹿さに茫然自失するさまと
警官がえ?!ひょっとしてこういうこと?
にたどり着くところなんぞ笑えるが
この手の性癖はあまり好きじゃないんで。(強調)
40点
アレックスシネマ大津 20200908
妙な哀愁
とある事件をファーゴ風に語っていく。
あきらかにおかしいのに、つくっている人も演じている人も笑わず笑わせようともしない──を徹底すると、コメディになりえる。たとえばジャームッシュやジャーヴェイスのThe Officeみたいな感じ。
ポイントは「笑わせたい欲」を完全に払拭しにじみ出させもしないこと。ばあいによってはコメディだと認識される必要すらない。日本だとはねトびみたいな感じだが、総じてオフビートはあちら(海外)の方が得手だろう。
今最も旬の監督コンビといえばDaniels(ダニエル・クワンとダニエル・シャイナート)。オフビートの(斜め)上をいく「なんだこれ」なクリエイターだと思う。
映画The Death of Dick Longはシャイナートの単独仕事だが「なんだこれ」なエスプリを含有しつつ、主人公が陸続として苦境にはまっていく演出が巧かった。
──
バンドもやっている仲の良い三人の男。それぞれ恋人や妻子をもつ善良と言っていい男たちだが、秘密がある。
飲んでハメを外すと厩舎で馬を掘ったり馬に掘られたりする。
トリオ「ピンク・フロイト」はじつは獣姦仲間だった。
話は実際にあった事件から翻案されている。
獣姦は変態行為だが、男たちはそのこと以外は、いたって穏やかな家庭人であり、だからこそオフビートが加速する。
失策を糊塗しようとして、さらに失策をかさね、にっちもさっちもいかなくなっていく演出が上手だった。
太って緩慢な警官はファーゴを思わせたが、映画はコメディよりも哀感へ振っている気がした。
映画内の男たちは要するに酔ってやらかすわけだがその意味ではマンチェスター・バイ・ザ・シーに似ている。
むろん突飛な比較対象なのは解っているが、酔って途方もないことをやらかし、その後の顛末を哀感でつづっていく──ゆえに両者は近似プロットだった。
スイスアーミーマンやエブエブをクリエイトしたDanielsのテーマのひとつはおそらく人間がもっている複雑さだと思う。
獣姦を習癖としてきたジーク(Michael Abbott Jr.)だが、素は妻子を愛する穏やかな家庭人だ。であるなら、無垢な娘の視点から、獣姦で捕まった父親はどのように見えるのか、どのように納得すればいいのか。──その複雑さに対する哄笑と哀愁がDanielsの狙い、ではなかろうか。と思った。
ディックの死因を知る前と後
誰だって性癖やフェチ、(性)欲くらいはある
それを自分の人生、思う存分 楽しめば良い
しかし、それが死や犯罪に繋がらないように 理性が必要になってくる。
人は死んだら感情が無くなるから、自分の死因なんてどうでも良くなるはず。しかし生きてる方は自身の「変態」な部分を隠そうと必死になる。
実際カミングアウトしたら奥様に軽蔑されちゃったもんね… 本当はここでパートナーは笑ってくれたかもしれないのに…ディックが死んでるなら笑えないのも当然か…
この映画はディックの死因が判明してからは まるでコントに変化する、とても新感覚な作品で結構楽しめました。めっちゃ好き☆
ただ、ディックが死んだ時の回想シーンがあったら
もっと良かったなって 思ったりしちゃいます♪
海外ってやっぱすごいな
田舎町で起こったある殺人事件を描いたダークコメディ。
バンド仲間のハメの外し方が、実に田舎町っぽくて微笑ましい。
主役のマイケル・アボットJr.が、グランジファッションど真ん中で見た目モロにカート。
でも腹が弛んでいたりとアマチュア感がたっぷり。スターには程遠いこの感じも、良い片田舎感。
腕にある漢字タトゥーも「武士家」と謎。武家のことでしょうか?
そんな緩いパーツがいっぱいな感じで物語は始まります。
物語はディックの死因を隠ぺいする為、場当たりな嘘を数珠繋ぎにつき続ける話。
フェチズムと体面のせめぎ合い。
知られたら決してこの町では生きてはいけない、閉鎖的な田舎町ならではの悲劇なのでしょう。
完全にワンアイディアで最後まで引っ張るんですが、やはり着眼点は面白いです。
何というか、海外ってやっぱすごいなって思いましたw
こんな時、おしり探偵がいたらなぁ〜
言葉以外にも
「馬鹿馬鹿」しい映画。
いろんな愛というか、性というか、欲というか、が
あるうだろうけど。
これを、コメディなんていうなよ、笑えない。
しかし、イヤな感じだね。何がイヤかというと、
すごく狙ってる感じがするんですよね。
こういうのを作った監督やスタッフのドヤ顔が目に浮かぶ。
「俺たちにはタブーなんてないぜ」
「どうだい、ぶっ飛んだだろう」みたいなw
最近見た映画の中では最低作品。
ファンの方、ごめんw
馬を逃すなよ、馬鹿馬鹿しいw
The Death of Dick Long
愚者の善意は害悪になる
ディック・ロングはなぜ死んだのかァ〜〜??
馬
ライティングとキャスティング
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