劇場公開日 2020年8月7日

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「感想を聞かれても困るが、気持ちは吐露したくなる映画」ディック・ロングはなぜ死んだのか? モアイさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0感想を聞かれても困るが、気持ちは吐露したくなる映画

2024年6月10日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

単純

アメリカの片田舎で起こった殺人事件。その被害者の死の真相を追うサスペンスといったところなのですが、主人公がやっている中年バンドの練習風景から始まるこの映画。

彼らのバンド「ピンク・フロイト」のグダグダな演奏が披露された後は、練習もそこそこに「ハメ外すか?」と飲酒して花火を打ち上げ、空き瓶・空き缶を的に射撃をし、焚火に小便をかける。と、いい年してこのノリで楽しいのかな?と思うのは自分が根暗だからなのか?と思っている間にシーンは移り、バンドメンバーの1人ディックが重傷を負ったため、病院へ運んでいく主人公とその友人。ところが何故か病院の前に重傷を負ったディックを放っぽり、その場を離れてしまいます。
結果ディックはそのまま死んでしまうのですが、ディックが重傷を負った理由を知っているハズの主人公と友人の2人は、これまた何故かディックに何があったのかを隠蔽しようとするのです。

ところがオープニングで見た印象の通り、2人とも別に知恵がまわるタイプではないので、短絡的なアイディアと嘘で施された隠蔽工作はほころびだらけ。だが事件を追う保安官側も、のどかな田舎の保安官のため、のんびり捜査を続け、直ぐには真相にたどり着かない。
こんな感じで特に緊張感もなくヌルい展開なのに、ナチュラルに墓穴を掘りまくり、いつの間にか追い詰められた主人公はとうとう自分の妻に事件の真相を告白するのです。
そこで明かされた真相があまりにもあんまりな内容のため、もう観ているこちらは笑うしかありません・・・。
しかし当人達は悲惨そのものなのです。こんな真相が小さな田舎町で周知されたら明日からどの面下げて生きていけばいいのか?そのことに思いを馳せると何ともいえない気持ちになるのですが、幸いなことに真相が真相なだけにあまり共感ができない!
もうこちらの気持ちは戸惑いながら森へと消えていくコメットとシンクロしています。

別に見る映画に毎回人生の糧になる何かを求めている訳では無いのですが、こんな話を見せられてどうしろというのか!?
かつての木曜洋画劇場の解説者 木村奈保子さんに「あなたのハートには何が残りましたか?」と問いかけられたらこれ程困る映画もありません。(いや、木曜洋画劇場で放送された映画は結構答えに困る作品が多かったのですが…)

しかし世の中には、あぁ面白いなぁ、楽しいなぁという感想を抱いてもエンドロールが終わった瞬間から内容を忘れてしまう映画というものもありますよね?
そのような映画に比べたら、コレはいったい何だったのだろう?と思わせる、尾を引く映画です。お勧めはしませんが得難い経験をさせてくれると思います。

モアイ
KEIさんのコメント
2024年7月20日

モアイさん、コメント頂き有難うございました✨木村奈保子さん、懐かしい〜!確かに困りますね😅

KEI
ジョンスペさんのコメント
2024年7月18日

フォロー、コメントありがとうございました。適当なことを書いているのは自分の映画的素養が不足しているためです(哀)。『ディック・ロング〜』も何年か前に劇場で観ていますが、そのベタなタイトル以外、ほとんど内容を失念しています。こちらこそよろしくお願いします!

ジョンスペ