宇宙でいちばんあかるい屋根のレビュー・感想・評価
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映画初主演の大役を見事に演じ切った清原果耶。世界観に慣れれば良作。
2016年公開の「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」で小松菜奈の中学生時代を演じてから、ある種のスター性のようなものを感じつつも、まだ主演までは早いのか、と思っていたら、本作で「14歳の中学生」役で映画初主演を果たした清原果耶。
「3月のライオン」「ちはやふる 結び」など、脇役での演技しか見てこなかったので、まずはフルバージョンの清原果耶の演技の上手さに驚きました。
本作は日本アカデミー賞で作品賞を受賞した「新聞記者」の藤井道人監督作品です。「清原果耶×藤井道人監督」としては2019年公開の「デイアンドナイト」がありましたが、「デイアンドナイト」は作品のトーンが暗く、2人の良さがそれほど出ていないと感じました。
それが本作では一転して、「14歳の中学生の、お隣に住む大学生への淡い恋心」などを描いていてファンタジー色さえもあります。
正直、桃井かおりが最初に出てきた時には面くらいましたが、ただすぐに作風に慣れると思います。
しかも、だんだん桃井かおりの良さが出てきます。
「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」においてもそうですが、とにかく最後まで焦らず見届けることが大事な作品だと思います。
例えば、「なぜ本作は2005年を描いているのか」はずっと分かりませんでしたが、終盤に分かりました。このように、意外と設定もキチンとしている作品でした。
また、お隣の大学生を演じている伊藤健太郎ですが、このところ、急激に演技の上手さが出てきて魅力が増しているように思います。
予定では2021年春のNHK連続テレビ小説の「おかえりモネ」では清原果耶がヒロインを演じるなど、本作は世の中の一歩先を行く作品になっているのも注目点です。(評価は難しく他作品とのバランスを考え★3.5にしていますが、★4に近い気もします)
清原果耶のピュアさと表現力は◎。屋上のセット感が惜しい
2017年の「3月のライオン」から清原果耶に注目し、主演ドラマも観てきたので、遅すぎとさえ思える映画初主演作。場数を踏むたび着実に表現力を伸ばしてきたが、ピュアさが変わらないのも彼女の魅力の一つだ。
藤井道人監督は「デイアンドナイト」で清原のファムファタール的資質を引き出したが、今回は家族や学校での悩みと淡い恋心を抱くごく普通の中学生・つばめ役に起用。思いや感情を内に向かわせがちな14歳が、毒舌だが妙に頼れる星ばあ(桃井かおり、悲しい表情が絶品)と出会い、自らの殻を破って変わる姿をさわやかに描いた。
つばめの憩いの場である雑居ビルの屋上は、ファンタジーと捉えるならある種の異空間として存在すべき重要スポットなのに、安っぽく仕立てられたセット感丸出しのルックに…。他のロケ撮影シーンの映像がごく現実的なタッチで統一されたのに、屋上セットだけ半端に浮いているのが惜しい。
清原果耶の出演作品は「砕け散るところを見せてあげる」、 「まともじゃないのは君も一緒」を見たことがある。 どちらもとても良かった。
動画配信で映画「宇宙でいちばんあかるい屋根」を見た。
2020年製作/115分/G/日本
配給:KADOKAWA
劇場公開日:2020年9月4日
清原果耶(つばめ)18才
桃井かおり(星ばあ)68才
伊藤健太郎23才
吉岡秀隆50才
坂井真紀50才
水野美紀46才
山中崇
醍醐虎汰朗
伊藤健太郎はこの映画の公開1か月半後の10月28日に
乗用車を運転中にバイクと接触事故を起こして、
そのまま立ち去ったとして逮捕された。
後に不起訴となった。
これは清原果耶の映画初主演作。
清原果耶が大阪市淀川区出身だとは知らなかった。
清原果耶の出演作品は「砕け散るところを見せてあげる」、
「まともじゃないのは君も一緒」を見たことがある。
どちらもとても良かった。
2025年現在23才の彼女だが
今後もますます活躍するだろう。
事務所が最大手というのも大きい。
大石つばめ(清原果耶)は書道教室の建物の屋上で
星ばあ(桃井かおり)と出会った。
つばめは隣に住む大学生の亨(伊藤健太郎)に恋をしていた。
亨の誕生日に勢いで亨の家のポストにバースデーカードを入れてしまう。
彼女はそれを酷く後悔していた。
星ばあはバースデーカードを取り戻していた。
星ばあは不思議な力を使える。
この映画はファンタジーだ。
つばめは、亨と仲良くなれた恩返しに
星ばあの孫・マコトの家探しを始める。
つばめがマコトの家を見つける。
星ばあはつばめに礼を言い「家族は大事にしろ」
と言い残し夜道に消えていった。
その日以来、星ばあは現れなくなった。
満足度は5点満点で3点☆☆☆です。
柔らかい作品
主人公がビルの屋上で手紙を書くシーンから始まった。
大道具が作ったセットのような変な屋上だったので、
妙だなと思っていたら、空を飛ぶ婆さん登場。
ファンタジーだ。と、この時分かった。
この婆さんが桃井かおり。
エンドロールでも2番目に出ている通り、重要な役なのだが
映画.comでの出演者リストでは 何故か最後となっている。
しかし間違いなく本作品のキーパーソン。
最初の屋上もそうなんだが、ちょっと変な箇所が多い。
屋上では、採光のトップライトを下からのライトで光らせ、
屋外で使う事の無い裸電球を配置して、誰もいないはずの
夜の屋上に照明をつけてるし、
主人公が憧れる男子高校生は、普通のギターではなく
「バンジョー」を弾く。この選択をする男子は まずいない。
何かに発展するわけでなく、妙に明るい屋上にあるトップライトと同様
監督の趣味だろう。
雰囲気はファンタジーっぽく、柔らかな仕上がりだった。
ちょっと不思議なファンタジー
胸が熱くなるファンタジー
勝手な想像だが、作者は自分自身の過去を振り返り、当時の自分に言ってあげたかったことをこの作品を通して表現したのかなと感じた。
物語としての辻褄合わせのような種明かしも含まれてはいるが、ファンタジーである以上理由の深堀は必要ないかなと思った。
高校生の娘大石ツバメと妊娠中の母という画の違和感の正体。
なぜツバメが書道教室に通っているのかという謎。
星婆という存在に感じる秘密。
臨月の時期に起きた奇跡。「君の名は」でいうところの「誰そ彼時」ということだろうか。
鳥はツバメにとって自由の存在。鳥の名前を持つ水墨画作家「ヒバリ」
勇気を出して母の絵を見に出かけたツバメは、3羽のツバメの絵に本当の家族の姿を重ね合わせるが、10年前に描いたその絵のモデルは「ヤマガミ家」を描いた3羽だった。そして母はツバメに気づかなかった。
やがて訪れるだろう家族の中での疎外感がツバメの中に広がる。また孤独になるのか、それともそれは巣立ちの時期を暗示しているのか。
星婆は言う「年を取ったら何でもできるようになる」
星婆の言葉は悩める青春時代を過ごしてきた作家と似たように悩める娘たちに向けた「メッセージ」
それをファンタジーとして描き出した作品。
「後悔は行動してからしろ」
「後悔は、時間がたてば大きくなる」
屋上に置かれていたスクーターは星婆が孫のために買ったものだろう。
最後に孫に会えたのは、星婆の喜びだったが、本当はもう少し長くいたかったのだろう。
本当はいい子のマコトのことがどうしても気がかりだったのか。彼と少し付き合っていたのと、臨月の母という「誰そ彼時」の条件を持ったツバメの力を借りて彼女の前に現れたと想像した。
「屋根を見ればどんな人間かわかる」 ちょっと良くわからない言葉。
屋根とは頭上にあるもの。スピリチュアル的にそこにあるのは真我。それを天から実際に見ているのが星婆ということだろうか?
星婆の教えに従って自分自身の内面と対峙してきたツバメは、2020年に水墨画家になる。つまり物語のほとんどが2005年の出来事だ。
アレンジを加えて色が乗った水墨画。あの「ねずみ」の絵から見れば相当な成長だ。
その絵を見る書道の先生がいるが、ツバメも家族も登場しない。
それはきっと、高校時代のツバメと同年代の娘たちの「成功」を願っているから。
だからあの水墨画展に立っているのは、成功した将来の「私」。つまり視聴者自身だ。
先生が見た最後の絵 公園にいる二人が屋根を見下ろしている光景。おそらくその絵のタイトルがこの作品のタイトルなのだろう。
多感な時期に悩んでいる青春時代の若者。
些細な勇気で乗り越えられるたくさんのことがある。
糸電話の糸はない方がよかったように思う。物理的な意味で。
でも基本的にあるのが作家から多感な青春時代を過ごしている若者への純粋なメッセージだ。
良い作品だった。
屋根の軒先にツバメの巣?! 星バアと夜空を見上げるファンタジー
イマイチ
ひと夏の少女の成長物語
怪しげなお婆さんとのひと夏の交流を描いた作品。
原作がファンタジー作品らしく、ここに乗れるか乗れないかがすごく大きいと思います。
とはいえ雰囲気が良く、すぐ慣れるとは思いますよ。
清原果耶の透明感が素晴らしく、また桃井かおりとの相性も良かったです。
桃井かおりの“ありすぎる存在感”とちょうど良い。
気になるといえば、屋上のセット感があまりにも安っぽかった。これはあえて絵本のような演出だったのですかね?
色々な要素が絡んだ進行ですが、やはり親子の在り方でしょう。
同じ屋根の下過ごした時間が一番大事ですよね。
それと清原果耶はCoccoによる主題歌も見事に歌い上げていました。
ひと夏の少女の成長物語、心地良かったです。
思春期の女子を主軸に広がる少し不思議な夏物語
(原作未読、ネタバレなしレビュー)
清原果耶さん主演とのことで鑑賞しました。
この作品すごくよかったです。特に「先のストーリーが読めなくてドキドキ」や「坂口健太郎さんの胸キュンシーン」などがあるわけではなくこの映画の雰囲気がすごく気に入りました。これと言ってすごいといえるところはあまりないのですが、どこか惹かれてしまうさ作品です。
まずはストーリーですが、いろんな悩みを抱える思春期の女の子に起きた少し不思議な夏物語といったところです。女の子が少しずついろんな経験を積んで成長していく姿は愛おしくかわいらしいものでした。この手の作品は多くありますが、他とは違う不思議な魅力に包まれます。
キャストさんですが、文句はありません。主人公の清原果耶さん。悩める中学生の女の子を完璧に演じれており、隣に住む大学生(坂口健太郎さん)に恋をし動揺するシーンや家族と心がすれ違ってしまったシーンも持ち前の演技力で魅了されました。清原果耶さんのパパ役山中崇さんとママ役坂井真紀さんはさすが歴が長いだけあります。特に坂井真紀さんが涙を流すシーンは思わずもらい泣きしてしまいました。素晴らしい演技です。この三人家族は本当に家族なのではないか疑うくらい馴染んでおり映画の世界に入りこんでしまいました。
「色褪せたように、なんかつまらないなぁ」と思う方に見てほしいです。物の見方や考え方が少し変わるかもしれません。
切なく心温まる青春ファンタジー
観終わって、映画って良いなって思わせる、切なく心温まる良作である。本作は、14歳の少女の青春ファンタジーである。少女とその周りに起きる出来事を人生の喜怒哀楽として捉え、浅過ぎず、深過ぎず、程よく掘り下げている。笑いあり涙ありのバランスの取れたエンタメ作品として楽しめる。
本作の主人公は、多感な14歳の女子中学生・つばめ(清原果耶)。彼女は、実父と義母の三人暮らしだったが、両親に子供ができ、居辛さを感じていた。また、近所に住んでいる幼馴染の朝倉亨(伊藤健太郎)に恋心を抱くようになっていた。そんなつばめの唯一癒される場所は、通っている書道教室の屋上だった。ある日、突然その屋上に見知らぬ老婆(桃井かおり)が現れる。最初は老婆と距離を取っていたつばめだが、次第に打ち解け老婆を“星ばあ”と呼ぶようになる。そして、つばめは星ばあに色々な事を相談していく・・・。
最初は、何の変哲もない青春物語だと思っていたが、星ばあの登場で作品の雰囲気がガラリと変わった。不思議な青春ファンタジーになっていった。星ばあを演じる桃井かおりのアクの強い存在感が際立っていた。作品の方向性をぶち壊してしまうのではと心配したが、さすがに、芸達者の桃井かおりは自身の役柄をしっかり心得ていた。変幻自在の演技で、時には祖母のように、時には母のように、時には姉のように、そして時には親友のように、つばめ役の清原果耶と接し、彼女の青さ、瑞々しさを上手く引き出していた。つばめの人生の案内役になっていた。
清原果耶は、多感な少女役を台詞だけでなく全身で表現していた。特に、立ち姿の演技が光っていた。立ち姿だけで、つばめの想いが画面を通して伝わってきた。主題歌の歌唱を含め表現者としての非凡さを感じた。
ラストシーン。つばめのアイデアを活かした、本作らしい切なく心温まるものだった。
本作は、つばめのひと夏の成長を通して、人生の喜怒哀楽を巧みに表現した良作である。
宇宙でいちばん明るい屋根
思いがけない良作
一言「星ばあ、最高!」
予備知識なく見ました(評価サイトはチラッと)。
どこか悩みを抱えている女子中学生役の、清原さん。
この世代では群を抜いて透明感がある、大好きな役者さん。
書道教室の屋上に行ったら、そこには見知らぬ老婆=星ばあがいて。
これが桃井かおりさん。この老婆キャラが最高!。
少女の悩みを聞き、いろいろアドバイスをしていく(ただし食べ物と交換で)。
その言葉たちがすっごく刺さるし、少女の行動を後押しする。
「後悔は行動してからしろ」
「年くったらなんだって、できるようになるんだ」
親だとちょっと距離感が近くて、あまり悩みを話したりできにくいけど。
老婆だったら、それこそ年くってるから。いろんなことも話せる。
そういう相談相手がいるって、思春期には大切だよね。
終盤ちらっと脳裏に浮かぶ。「星ばあって、本物?」。
中学生にしか見えない存在なような気・・・⁈。
なんとなく結末はこうだろうなあ、と思ったけど。
粋な演出に、ちょっとだけホロっ。そういうことかって。
心が洗われた素敵な作品でした。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「空を飛べたら、どうする⁈」
清原果耶の表現力と桃井かおりの存在感
まだ中学生役が通用する清原果耶ちゃん
清原果耶ファンとして鑑賞。
ストーリー的にはファンタジーと日常をマージした内容。
この作品の見所は新進女優の清原果耶さんと個性派大御所女優桃井かおりさんとの共演だろう。
気後することなく、清原果耶さんが演じきったところにさすが!という満足感。
自分の秘密(?)居場所である習字教室のビルの屋上。
そこでふと出会ってしまった星ばあ扮する桃井かおりさん。
乱暴な口調の星ばあとのやりとりに普段は大人しいつばめちゃんも、そこは今風の女子中学生の口調で渡り合い、2人の距離はいつしか縮まっていく。
このやりとりは見応えがある。
星ばあの後悔、つばめちゃんの中学生特有の葛藤。これが2人の年の差で埋め合わせてゆく。
映画ではないが、主演として好評だった透明なゆりかごのような彼女主演の映画作品が待ち遠しい。
3月のライオン、朝がきた、ぼく明日、ユリゴコロ等、助演女優として秀逸な作品は十分なので。
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