「×ネズミ △牛 ○不細工な犬」宇宙でいちばんあかるい屋根 bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
×ネズミ △牛 ○不細工な犬
イヤイヤ、牛にも見えないですw
好意的に表現して「不細工な犬」か「タテガミを書き忘れたシンバ」とかw
少女の一夏のファンタジーは、家族を大切にして幸せな家庭を築けと言う、文部科学省推薦映画に推薦したくなる様なハートフルな物語。監督・脚本が藤井道人さんで、今、この主題は予想外でした。まぁ、ちょっと、ネガティブエナジーな人になっちゃったイメージ強すぎるんで。
山形県鶴岡市の加茂水族館にある「クラゲドリームシアター」の写真を、一時期プロフィール画像に使っていました。映画のフライヤーに、「クラゲドリームシアター」を見かけたので「こりゃスルーしちゃアカンかな」と。正直に言うと、監督・製作陣に、好き!な人は居ないし、ギガにネガに振れたストーリーも予想されたので、スルーか見るか悩んで。インターステラ―が「ほぼ満席」じゃなければ、後回しにしてたと思いますけど、スルーしなくて良かったです!
宇宙で一番明るい屋根
屋根は家族の象徴。その色や見た目は、家族と言う名の「人の集まり」の代用特性。ボロいトタン屋根も、手入れがされていれば、何かを大切にする心を持った人が居る、んだろうね。
継母との心の距離感が縮まらないのは、2歳の時に家を出て行った母親が恋しいからなのか、家を出て行った理由が「彼女」なのではないかと疑っているからなのかは、良く分からないけれど。外面上は幸せな家族でも、二人に実子が生まれる事で、自分の居場所がなくなるのではないかと言う恐れは、じわじわと少女の心の中に沈殿して行く。
少女が、自分自身を縛り付けていた己の心を乗り越えていくだけの、ひと夏の物語。その手助けをするのがファンタジーで、霊的な存在なのか、現実の存在なのかが曖昧な「星ばあ」。
樹木希林さんとか、市原悦子さんとかだよなぁ、こんな役回りと設定。桃井かおりさんも、その域に達したのかぁ、なんて思いながら見てました。あの独特のしゃべり方は若い頃と一緒なのに、正体不明のバアサンにぴったりやん!なところが可笑しかった。
P-PRの水筒のフタを糸電話の受話器として機能させるには、かなりの張力が必要です。それ、そんなにたるんでたら、もはや糸電話じゃないでしょ。糸電話アピアランスの霊界電話w
もうね、泣かすには十分ですよ。清原果耶さんの一人芝居に、今回もシテヤラレマシタ。
14歳の少女の描写がリアルな気がして良かった。同級生の男子に向かっては、軽い姉御感。好きな年上の男の子の前では、完全乙女。星ばあに対しては、タメグチ。これが、どこにでも居そうな普通の14歳を感じさせてくれました。
14歳の少女の物語と言えば、ハチドリもそうだったよねぇ。題材は、似て非なるもので、実は決定的に違うんで直接比較はフェアではありませんので比べませんが。両者に共通する、ポジティブなテーマが良いなぁ、って思いました。
「宇宙で一番」、とデカく打って出やがってるけど、「明るい屋根」は「作るもの」。できるか否かは、あなた次第だよ、ってことで。
良かった。普通に。
藤井道人で、ちょっと不安に思ってるあなた。
大丈夫です。これは妙に着色されてません。「青の帰り道」の頃の藤井監督ですね。と、「青の帰り道」と言えば、清水くるみちゃんが、スェクシーな感じに成長してて、アレアレ、だったぁw
と。あんな「画伯」が個展を開けるぐらいに大成するんですよ。そこは、カエルの子はカエルって事で。