43年後のアイ・ラヴ・ユーのレビュー・感想・評価
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診断の手がかりは行動様式だけなのさ
映画「43年後のアイ・ラヴ・ユー」(マルティン・ロセテ監督)から。
「昔の恋人がアルツハイマーのため介護施設に入ったことを知り、
自身もアルツハイマーのフリをして同じ施設に入居する」
映画だから、主人公は演劇評論家と大女優だったりするが、
私たち小市民でも、あり得る話だな・・とメモをした。
どうやら「アルツハイマー病」って、数値化できないようだ。
冒頭、友人にこの作戦を告げる時、こんな会話をする。
「顕微鏡とかスキャンでも診断はできない、死後に初めて確定する。
つまり診断の手がかりは行動様式だけなのさ」
「だからどうした?」「鈍い奴だな、バレないってことさ!」
「脳とか神経の回路でも?」・・と。
医者が病気として診断するのだから、何かしらの基準があるはず、
そう思っていた私は、完全に裏をかかれた気がする。(汗)
予告編では、インパクトのある言葉が私を引きつけた。
「今日から俺はボケ老人になる」
ボケ(もの忘れ)と認知症(痴呆症)、そしてアルツハイマーは、
別の病気のはずなんだけどなぁ・・と苦笑い。
そうか・・「診断の手がかりは行動様式だけ」なるほど・・。
頭の中から全てが消え去ったとしても。
良いわぁ、これは良い。
スペイン・アメリカ・フランス合作。フランスは毎年800億円レベルで政府が映画製作支援しており、海外作品にも金を出しています。と言うか、「人」を支援に出して、その「人」に金を払っていたりするんで、日本のODAと同じ構図。回収ループの向きは違うけど。
だってスペイン映画って、ねぇ。アレだもん。この映画なんか、丸っ切りのフランス映画ですやんw
Absolutely everything reminds me you ですって。違いますでしょ。貴方が、何時も彼のことを考えているだけでは?
いずれせよ、この手紙の言葉が伏線になります。
43年前の不倫ですよ。Wじゃ無いのが救いだよ。スペイン・フランス的には、どうなんよ。と言うか、あの辺って入籍するんだっけ?子供も無いのに。って事で、舞台はアメリカてすが、発想は南欧的。イタリアが舞台だったら、一番しっくり来るかも。
いずれにせよ。
タニアが演じるハーマイオニーの台詞はリリィを覚醒させます。
She reminds me what myself was.
が、リリィの立場からの言葉でしょうか。
アルツハイマーで全てが頭の中から消えて。自分自身が何者であったのかを思いださせてくれたのは「演劇」だったと言う。
この落とし方が最高。やっぱり、フランス映画でしょ、コレw
またまたですが。邦題が最低のセンスだよ、全く。
Remember me、と奔走するクロード。リリィが自分自身を取り戻したきっかけは、彼女自身が何者かであったかを教えてくれる、シェイクスピアの冬物語。それが分かっていたクロードの本当の愛。
やっぱり、邦題がダメ過ぎですw
良かった。とっても!
優しい気持ちになれる、ハートウォーミングな小品。あぁ、睡魔が…😪
かつての恋人がアルツハイマー患者用の老人ホームに入居していることを知った演劇評論家のクロード。
彼女に会うため、病気を装ってホームに入居するが…、というヒューマン・コメディ。
今年初の新作映画鑑賞!…だったかな?
扱うテーマがテーマだけに、劇場のお客さんの平均年齢が高い!
老人と老人のラヴ・ロマンスという、中々珍しい作品。
老人の比率が高い日本において、今後ますます需要の増えてくる題材かも。
40年ぶりに恋人と再会するが、彼女は何も覚えていなかった…、というなかなか重い内容の作品だが、映画のタッチは軽快でコミカル。
誰が観ても嫌な気持ちにはならないであろう、カラッとした作風で小気味良い。
主演のブルース・ダーンをはじめ、老俳優たちの演技は素晴らしい。リアリティのあるアルツハイマー演技には心が動かされます。
映画の尺は90分と短め。映画の内容もそれに見合うかのような地味さ。想像以上のことは何も起こらない。
そのため、中盤以降はかなり眠かった…😪
エンディングも、あまりに安易なハッピーエンドな感じがしてどうも…。
なんというか、扱っている題材に対して作品の着地点が軽すぎる感じがしてしまった。
クロードがアルツハイマーに対して偏見を持っており、入居者と過ごすにつれてその偏見が消えていくとか、そういう内的な成長を描いてくれるとよかったかも。
クロードと入居者たちの交流描写が少なかったので、最後の退去のシーンで感動が込み上げるとか、そういう気持ちにはなれなかった。
孫娘の描写も中途半端。最後、なんか演劇して終わる。
というか、娘夫婦のいざこざってなんかふわふわしたまま終わった気がする。結局、あの旦那のクズさに対しての報復とかなかったし。
ここはもうちょい膨らませられたところだと思った。
死ぬまでに一度、かつての恋人に会いたいとか、初恋の人に会いたいとか、そういう気持ちって特に男の人なら誰でも持っているような気がする。
クロードの回想シーンの切なさは、ちょっと涙腺にきましたね…😢
「チャンスは逃すな」と言いアグレッシブに行動するクロードの姿には、老人になっても守りに入るな、という教訓が込められているような気がする。
全くその通り!
まぁ、正直絶対に映画館で観るべき!って映画ではない。ほかに観たい作品があれば、これは後回しでもいいと思う。
ランタイムも短いし、ハートウォーミングな作品なので、ご夫婦でのんびりと鑑賞すると吉、かな?
ロマンティックだと思います。だけど…
最初に言っておくととても面白かったです
登場人物が皆チャーミングで素敵だった
でもなんだか納得のいかない自分がいます
おそらく賛否ある物語だと思います
いや!賛否あってほしい
本当に本作には期待していました
きっとロマンティックな話なんだろうなって…
アルツハイマーになった初恋の女性の心を取り戻すためにじいさんがボケたフリをして施設に入所するって純愛ラブストーリーなんだと思っていました
だけど純愛といえば聞こえはよいのですが
☆要するに不倫ですわ
病気のリリィを責めるのは酷だとは思うけど
若い頃のリリィはズルい女だと思います
リリィ夫のピーターが可哀想ですよ
これでピーターが嫌な奴ならよかったのに多分本当にいい奴なんだろうと思います
若い頃に妻の不倫相手(クロード)に敗北を自覚し、それでも妻を許し、そして戻ってきた不倫相手に再び妻の心を奪われる
それでも面会を許すなんて…ピーターが優しすぎる!!
情けない!もっと妻と向き合えよという気持ちもあるけど夫婦にしかわからないことだってあると思う
徐々に記憶を失い、ひょっとしたら過去の恋愛を思い出して口に出すこともあったかもしれない
愛していたからこそ一緒にいるのが辛かったのかもしれない。自分の感情よりもリリィの精神面を優先してクロードの面会を許したピーターは本当にリリィを愛しているのだと感じました
それよりも施設を退所し家族と楽しく暮らしこれからもピーターの払うお金で入所するリリィと面会を続けるであろうクロードの美味しいところのつまみ食いっぷりがちょっと許せない
リリィを施設から連れ出して慰謝料払って2人で暮らせばいいのに
クロードがチャーミングなおじいちゃんでお話の流れもロマンティックだっただけにとても残念でした
なぜリリィを未亡人にしなかったのか理解に苦しみます
最後に一言
彼女の記憶を呼び覚ます事だけが目的なら絶対にピーターに協力を求めるべきだった
そう思います
とっても素敵な本気の愛の物語 やるなジジイ おっと失礼
水曜日の午後から観賞しました。15人ほどの観客でしたが、9割はシニア層。でも20代の女性も一人おられました。鼻水啜っている人、結構いました。私も泣けました。映画の始まりとエンドロールの背景もフェルト生地のようなデザインを使っていて、とても暖かみがありました。誰の目にも優しい感じで、尚更ほっこりしました。
観賞の動機は名優ブルース・ダーン【ピーナッツバターファルコンのカールおじいちゃん】がどんなふうにお茶目なおじいちゃんを演じるのか、楽しみだったことと、「君に読む物語」との類似性を持つ映画なので、内容を是非確かめたかったからです。
演劇評論家のクロードの相棒のシェーンとの会話では、この年になるとちょっと聞いたことのある薬の名前が次々に出て来ます。アルツハイマーの薬が出てきたかはよくわかりませんでしたけど。リリィがアルツハイマーになったというSNSでの記事を新聞社でたまたま見つけたクロードは、リリィのそばにいるために看護付き高級高齢者住宅に嘘ついて入居することを思いつくというアイデアが面白く、特殊工作員を送り込む相棒の役が重要でしたw 老人役のブルース・ダーンが魅力的。「運び屋」のクリント・イーストウッドも良かったですけど、なんというかなぁ?知性と品があるんですよねぇ。いたずら好きで、機転も効く。ピーナッツバターファルコンのカールおじいちゃんとダブるんですよねぇ。孫娘との関係も微笑ましく、彼女の役柄も重要。ちょっと、かなり昔の青春ドラマ(ビバリーヒルズ青春白書?)風の野暮ったさはわざとらしかったけど。シェークスピアの冬物語。いい台詞でした。孫娘が王子様役の台詞完璧で、演劇評論家の孫は将来、演出家?
集団食中毒で公園中止の仕掛けも面白かったです。この時期、不謹慎かもしれませんけど。
「君に読む物語」へのオマージュかなと思ったのは、手紙💌、雨☔。手紙はリリィが書いたものだけど、自分で書いたものを読まさせていた。さすがに老人ホームの庭での豪雨のなかのキスシーンはありませんでしたけど。ホテルのスイートルームのような部屋いっぱいのピンクのユリの花。粋なことやるじゃないか。やるなジジイ。嗅覚に訴える。アルツハイマーでは嗅覚低下も起きるらしいから、たくさんのユリが必要なのかもね。CDも聴覚からのアプローチ。
アルツハイマーのふりをして、家族にもスペインにぶらり途中下車の旅と嘘ついて老人ホームに潜入するって、なかなかユニーク。誰彼となくスパイだという被害妄想おばあさん。なかなか鋭いねぇと思ったんですけどねぇ。
演劇評論家になってからの初恋って、かなり遅咲き!年くってから覚えた禁断の愛はそりゃ、忘れられないかもねぇ~
老人ホームでの色恋沙汰も本当にすごい人はすごいらしいですねぇ。三角関係、あるいはそれ以上のもつれから刃傷沙汰になって、職員が怪我したとかあるらしいですよ。ブルース・ダーンみたいにきれいに年とれるといいな。あっ、今夜はボケ防止で、鯖の味噌煮です。年もほんとはサバ読みたい。
アルツハイマーにならないように気をつけましょう
クライマックスでリリィが劇団のセリフを思い出して演じていたのが良かった。
クロードもリリィに思い出そうと優しく語りかけるのも良かった。
欲を言えば、クロードが施設を離れてリリィに会いに行くのを見たかった。
ただ、買春を繰り返す旦那のことはこの映画に無くても良かった。
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70歳のクロードは妻を亡くし、LA郊外に一人で住む元演劇評論家。近所に住む親友のシェーンと老後を謳歌していた。
ある日、昔の恋人で人気舞台女優のリリィがアルツハイマーを患わせて施設に入った事を知る。もう一度リリィに会いたいと願ったクロードは、なんとアルツハイマーの《フリ》をしてリリィと同じ施設に入居するという一世一代の《嘘》を思いつく。
シェーンの協力のもと、遂にリリィと念願の再会を果たしたクロード。だがリリィの記憶からクロードは完全に消し去られていた―。そんなリリィに、クロードは毎日のように二人の想い出を優しく語りかけるのだった。
ニューヨークでの出会い、かつて共に過ごしたパリでの日々を綴った手紙、一緒に聴いたガーシュインの音色、そして想い出の花・ユリの香り。しかし、なかなかリリィの記憶は戻らない。そんなある日、昔リリィが演じたシェイクスピアの「冬物語」を施設で観劇する事になり、クロードは孫娘と一緒にある作戦を実行する。
【”我が愛を疑う事なかれ” 男は初恋の女性は幾つになっても忘れない生き物なのである。そんな頑固で偏屈だが、心優しき男をブルース・ダーンが、絶妙に演じています。】
■冒頭、妻を亡くし、独り自由に暮らすクロード(ブルース・ダーン)が、タブロイド紙の囲み記事で、「名舞台女優、リリイ、アルツハイマーのため、施設に・・」と言う記事を読んだ際の彼の表情。
- このシーンで、二人の過去の関係が直ぐに分かる。-
■序盤、クスクス笑ったシーン
・クロードが、リリィの施設に入るために、隣人でクスリ競争をしている友人、シェーン(ブライアン・コックス)の協力の基、施設の面接に臨むシーン。
- 良い年をして、おバカである・・。又、二人のクスリ競争(どれだけ、クスリを服用しているか競争・・)も、ラストに絶妙に効いてくる。-
◆巷間で屡、言われているように、歳を重ねても、女性は概ね元気だが、男性はみるみる精気が無くなる人が多い・・、という事は、この二人にはないね!
幾つになっても、何でも言える親友の存在は大切だなあ、とふと、思う。
■印象的なシーン
1.クロードが、漸く会えたリリィを見る優しい眼差し。話しかける際の、柔らかな口調。 入所時のドタバタ騒ぎとは別人である。
又、彼が彼女に無理に過去を思い出せようとしない所も良い。
施設の庭の二人掛けの椅子に座り、昔の写真を見たり、クロードが大切に保管していた手紙をリリィが読む姿を見るクロードの、嬉しそうな顔。
- さりげなく送る百合の花束、お気に入りのCD。リリィが身に纏う、薔薇の花柄が印象的な数々のワンピースも素敵である。-
2.孫娘タニアの協力により、起きた奇跡
イロイロと手を回し、本来慰問に来るはずの劇団をキャンセルさせ、タニアが密かに思いを寄せる青年が主催する劇団を呼び、リリィの且つての十八番であった、シェイクスピアの「冬物語」を演じさせるシーン。女性がセリフに詰まった際に、リリィが”自然に”舞台に立ち、スラスラとセリフを口にする姿を、客席から驚きの表情で観るクロードの姿。
そして、万雷の拍手の中、幕が閉じられ、クロードが舞台に上がり、リリィの鼻先にそっとキスをするシーン。
- リリィには、夫がいる事を施設内で目撃していたクロードは、唇ではなく鼻先にキスをしたのである。紳士である・・。ー
<且つて愛した初恋の女性への想いを、ブルース・ダーンが絶妙な演技で魅せる作品。
序盤はコミカル要素を塗しながら、後半は心に沁みるシーンに移行していく作品構成も良い。
ラスト、クロードが施設を去る際の、人々とハグするシーンや、リリィの夫と交わす会話もとても良い。>
◆クロードの娘セルマの愚かしき夫が、クロードの男としての器の大きさを見せる反面教師として、効果的な存在でもある・・。
■蛇足
・私の初恋の女性は元気かなあ・・。私の転校で、離れ離れになってしまったけれど、夢だと言っていた婦長さんに、なれたのかなあ・・。
等と小学生の時の彼女の事を思い出し、それ故に、クロードのリリィへの優しい眼差しが染みた作品。
30年近く経っても、初恋の女性は忘れ難いのである。
私だけであろうか?
優しい愛に溢れた作品ではあるが…
主人公のクロードは十数年前に恋が実る事なかった舞台女優のリリィがアルツハイマーを患い施設で生活をしている事を新聞で目にする。
クロードは彼女の治療の役に立ちたい事を願いアルツハイマーを装い同じ施設に入所しリリィの記憶を戻す手伝いをしていく作品だ。
予告の段階だと恋愛作品なのかなと勝手に解釈していたが、恋愛要素ももちろんあるが彼らが若い時のような男女間の恋愛というより友情よりの愛が溢れた作品に思えた。
もちろんクロードはリリィをまだ愛してるからこそ彼女のためになる事を必死にやるわけだが、リリィは既に旦那がおり決して今更一線を越えてまで彼女との関係を強く求めてるわけではない。この辺はクロードの優しさも感じられる。
これらの様に優しい愛に溢れた作品ではあったが、同時に展開が少し早くクロードとリリィの過去の関係をもう少し丁寧に描いて欲しくも思えた。またリリィが記憶の一部を戻す展開も薄く感じてしまった。
彼女が好きな花を送り、好きな曲を送り、そして彼女が最も輝いてたシェイクスピアの劇を見せたりとありきたりな展開でそれらの描写に深みもあまり感じられなかった。その為リリィが記憶の一部を戻したシーンでもあまり強い感動を感じる事ができなかったのが少し残念だった。
ただクロードの優しさ、そしてリリィに対する愛は終始描かれており、温かい気持ちにさせてくれる作品であることは間違いないだろう。
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