「とっても素敵な本気の愛の物語 やるなジジイ おっと失礼」43年後のアイ・ラヴ・ユー カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
とっても素敵な本気の愛の物語 やるなジジイ おっと失礼
水曜日の午後から観賞しました。15人ほどの観客でしたが、9割はシニア層。でも20代の女性も一人おられました。鼻水啜っている人、結構いました。私も泣けました。映画の始まりとエンドロールの背景もフェルト生地のようなデザインを使っていて、とても暖かみがありました。誰の目にも優しい感じで、尚更ほっこりしました。
観賞の動機は名優ブルース・ダーン【ピーナッツバターファルコンのカールおじいちゃん】がどんなふうにお茶目なおじいちゃんを演じるのか、楽しみだったことと、「君に読む物語」との類似性を持つ映画なので、内容を是非確かめたかったからです。
演劇評論家のクロードの相棒のシェーンとの会話では、この年になるとちょっと聞いたことのある薬の名前が次々に出て来ます。アルツハイマーの薬が出てきたかはよくわかりませんでしたけど。リリィがアルツハイマーになったというSNSでの記事を新聞社でたまたま見つけたクロードは、リリィのそばにいるために看護付き高級高齢者住宅に嘘ついて入居することを思いつくというアイデアが面白く、特殊工作員を送り込む相棒の役が重要でしたw 老人役のブルース・ダーンが魅力的。「運び屋」のクリント・イーストウッドも良かったですけど、なんというかなぁ?知性と品があるんですよねぇ。いたずら好きで、機転も効く。ピーナッツバターファルコンのカールおじいちゃんとダブるんですよねぇ。孫娘との関係も微笑ましく、彼女の役柄も重要。ちょっと、かなり昔の青春ドラマ(ビバリーヒルズ青春白書?)風の野暮ったさはわざとらしかったけど。シェークスピアの冬物語。いい台詞でした。孫娘が王子様役の台詞完璧で、演劇評論家の孫は将来、演出家?
集団食中毒で公園中止の仕掛けも面白かったです。この時期、不謹慎かもしれませんけど。
「君に読む物語」へのオマージュかなと思ったのは、手紙💌、雨☔。手紙はリリィが書いたものだけど、自分で書いたものを読まさせていた。さすがに老人ホームの庭での豪雨のなかのキスシーンはありませんでしたけど。ホテルのスイートルームのような部屋いっぱいのピンクのユリの花。粋なことやるじゃないか。やるなジジイ。嗅覚に訴える。アルツハイマーでは嗅覚低下も起きるらしいから、たくさんのユリが必要なのかもね。CDも聴覚からのアプローチ。
アルツハイマーのふりをして、家族にもスペインにぶらり途中下車の旅と嘘ついて老人ホームに潜入するって、なかなかユニーク。誰彼となくスパイだという被害妄想おばあさん。なかなか鋭いねぇと思ったんですけどねぇ。
演劇評論家になってからの初恋って、かなり遅咲き!年くってから覚えた禁断の愛はそりゃ、忘れられないかもねぇ~
老人ホームでの色恋沙汰も本当にすごい人はすごいらしいですねぇ。三角関係、あるいはそれ以上のもつれから刃傷沙汰になって、職員が怪我したとかあるらしいですよ。ブルース・ダーンみたいにきれいに年とれるといいな。あっ、今夜はボケ防止で、鯖の味噌煮です。年もほんとはサバ読みたい。