「優しい愛に溢れた作品ではあるが…」43年後のアイ・ラヴ・ユー KZKさんの映画レビュー(感想・評価)
優しい愛に溢れた作品ではあるが…
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主人公のクロードは十数年前に恋が実る事なかった舞台女優のリリィがアルツハイマーを患い施設で生活をしている事を新聞で目にする。
クロードは彼女の治療の役に立ちたい事を願いアルツハイマーを装い同じ施設に入所しリリィの記憶を戻す手伝いをしていく作品だ。
予告の段階だと恋愛作品なのかなと勝手に解釈していたが、恋愛要素ももちろんあるが彼らが若い時のような男女間の恋愛というより友情よりの愛が溢れた作品に思えた。
もちろんクロードはリリィをまだ愛してるからこそ彼女のためになる事を必死にやるわけだが、リリィは既に旦那がおり決して今更一線を越えてまで彼女との関係を強く求めてるわけではない。この辺はクロードの優しさも感じられる。
これらの様に優しい愛に溢れた作品ではあったが、同時に展開が少し早くクロードとリリィの過去の関係をもう少し丁寧に描いて欲しくも思えた。またリリィが記憶の一部を戻す展開も薄く感じてしまった。
彼女が好きな花を送り、好きな曲を送り、そして彼女が最も輝いてたシェイクスピアの劇を見せたりとありきたりな展開でそれらの描写に深みもあまり感じられなかった。その為リリィが記憶の一部を戻したシーンでもあまり強い感動を感じる事ができなかったのが少し残念だった。
ただクロードの優しさ、そしてリリィに対する愛は終始描かれており、温かい気持ちにさせてくれる作品であることは間違いないだろう。
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