劇場公開日 2020年11月13日

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「北川景子は怒り顔でも美しい。見どころはそれだけ・・・」ドクター・デスの遺産 BLACK FILE お抹茶さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5北川景子は怒り顔でも美しい。見どころはそれだけ・・・

2020年11月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

言うまでもなく北川景子は美人だけど、怒った顔もやはり美しい。
人妻になったとはいえ、とても魅力的です。

作品の中身はなんというか、テレビの出来の悪い2時間サスペンスドラマですね。

公式ホームページによれば「安楽死を手口にする猟奇的な連続殺人犯“ドクター・デス”が仕掛ける事件」とあります。
少し前に、不治の病の患者から安楽死を請け負った医師が逮捕された事件が報道されましたが、本来、この「安楽死」というのは非常に重いテーマです。

同じく公式ホームページに「本人の意思と家族の同意のもと実行される安楽死は殺人と言えるのか」とありますが、答えはとても簡単で、法律(刑法202条)に明確に犯罪行為と規定されています(ヨーロッパの一部の国では合法化されているそうですが)。

わが国では、「尊厳死」については議論がなされていますが、「安楽死」は議論の余地なく犯罪行為とされています。
ちなみに、
「安楽死」は第3者が不治の患者を死に至らしめるために積極的に介入する
「尊厳死」は医療介助を差し控えることにより不治の患者を死に至らしめる
  と違いがあります。

医療技術の進歩によって、助かる見込みはないけど際限ない苦痛を死ぬまで受け続けなければならない人がいるそうです。苦しむ患者に対して鎮痛剤を投与しますが、薬が効かなくなる場合があり、そうなると後はあとは安らかに逝くことを祈ることしかできません。

そのような患者に対し何ができるか?「安楽死」は許されるのか?とか、作り方次第でどのようにも描くことができたはずです。また、逆に、安楽死についてあまり深入りせずにミステリー重視で作品を作ることも可能でしょう。はっきり言ってこの作品の作りはとても中途半端と感じました。

ストーリー的には、
冒頭、火葬中止させて検視解剖させますが、そもそもその段階では遺族の反対押し切ってそのようなことをする権限はないはずです(この段階で、この作品大丈夫か?と思いました。)
その後、単に似ているというだけでいきなり警察に連行して事情聴取してますがそのような権限もありませんし(任意?)、まして事情聴取中に腰ひも結び付けて逃走防止を図る権限もありません(この段階で、脚本の出来は良くないと判断しました。)
これ以上はネタバレになるので書きませんが、犯人の人格についての描き方も、警察の捜査方法も、犯人による誘拐の描き方も支離滅裂ですね。

北川、綾野両主役は頑張っていたと思いますが、
刑事2人のバディ物として続編作るには、今作の出来は悪すぎると思います。

お抹茶