はちどり(2018)のレビュー・感想・評価
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何気ない日常だったりするが
14歳の少女が経験する日常。
友人に裏切り、兄の暴力、大人のいい加減さ、大切な人を亡くす、手術・・・。
若い頃は世の中不条理なことばかりに感じる年代。
そんな年代の視点を上手に演じてた役者と、作り上げた監督の力が光る作品だと思った。
淡々と…
淡々と、人生良いこともあれば、悪いこともある、ドラマチックではなく、あまりにも平凡な映画に感じてしまった。期待しすぎたのかも知れない。家父長制が色濃く残る当時の韓国において、3人兄妹の一番下の娘ウニはヒエラルキーでいうと一番下。家族は父を初め、長男の教育には熱心で、そのためにみんな協力しなければならない。プレッシャーもあるだろうが。父はうるさく偉そうに指図ばかり、浮気してるし、母は無関心、兄には暴力を振るわれ、姉は不良、ウニに優しく語りかける家族はいない。ウニが入院退院しても来ない。恋人も浮気、マザコンでふらふらしてるし、塾の友達にも裏切られ、ウニを慕っていた後輩も学期が変われば心変わりされる。そんな心の内を唯一相談できた塾の先生も橋落下事故で死んでしまう。本当に自分の心の内を語れる人って、そんな簡単にいるだろうか。まぁ人生はそんなもん、って話。
少女は静かに大人になった
主役の子がとても良かった。幼さの残る笑顔、時折みせる大人のような静かな瞳、どれもとても魅力的だった。
この映画を観てまず思ったのは、韓国の家庭の在り方だった。ひと昔前の日本じゃないけれど、圧倒的な学歴社会、偏差値の高い高校からトップクラスの大学には入ることが、成功への道と信じられてる。そして、お父さんの言うことは絶対なのだ。子供達を愛するが故に自分の価値観を押し付ける父親、長男であるが故にプレッシャーで妹に暴力を振るう兄、夜遊びの姉、なんだか子供に無関心な母親など、信じられる大人がいないのだ。
そんな中で会う塾の先生に自分を守ることを教えられる。
ここから彼女は急速に成長していく。
普通の女の子が、悩みながら成長する過程を丁寧に描いて、静かな感動をくれる映画だった。
美しい世界
いまはそう思えない、そう思える日が来ることすら想像も出来ないかもしれない。
けど美しいと思える世界は、きっと来るに違いない。
多感な時期を過ごす心の葛藤が要所要所に散りばめられた作品だと思う。
思春期の歯痒さを思い出す
【はちどり】 2018 韓米合作
時代背景がソウルオリンピック前、民主化されて間もない混乱の時代。経済が飛躍的に伸びて建設ラッシュ… 人々はどこかせわしない。どの国もこんな時代があったような…
14歳といえば、まっすぐで傷つきやすく、大人への不信感が爆発してたかも。ウニの気持ちがすごくわかる。
うちも父が封建的で、時々「親に向かってその態度はなんだ」とビンタされてたから。
でも、ムカつく父でも、ふとした時に優しいところもあったし、ウニ達と同じように、よく一緒に食卓を囲んだ。喧嘩したり揉めても、一緒に夕飯を食べた。今思えばあれが良かった。あれが全くない家だったら、グレてたかもしれないと思う。
世の中は矛盾だらけ。理不尽だらけ。
周りがみんな敵に見えるような思春期。
ウニが可愛い。みずみずしいとはこのこと。
(なんでこんな自然な演技なの??日本にはいない)
さすが女性監督、目線が優しく、メッセージがジワジワくる。
ヨンジ先生との出会いが大きかったですね。
人は、誰に出逢うかで運命が大きく変わることがありますね。
ただ話を聞いてくれるだけでもいい、ちゃんと目を見て、一人前に扱ってくれるだけでいい。
ウニの心の拠り所になっていた素敵なヨンジ先生。
私も誰かのヨンジ先生になれたらいいなとも思った。
【人生は不思議で美しい】
【人と出逢い、何かを分かち合う事は素晴らしい】
ヨンジ先生、ありがとう
ウニの人生のほんの通過点ではあるけれど、私たちにもたくさんのことを示唆してくれる映画。
パラサイトが「動」なら、これは「静」
韓国映画の奥行きを見ました。
トリックスター
ぼーっと階段を上がっていると、たまに階を間違えることがあるので、冒頭笑ってしまった。
父ちゃんも兄ちゃんも泣くシーンまでは、どこか虚勢をはっていたように見える。
「不良」に憧れる時期ってあるよね。
あの彼氏はやめときなさい。
漢詩は個別に習いにいくくらい重要なんだね。
はちどりの羽ばたき
監督のキム・ボラは本作が長編デビュー作で、実体験がベース。
だとしたら、何と痛々しく、悲しく、切なく、でも優しく、温かく、美しく。
複雑な感情が交錯しつつも、思春期の感情がリアルにひしひしと伝わって来る秀作。
好景気に沸く1994年の韓国・ソウル。
その片隅の集合住宅で、両親、兄姉と暮らす14歳のウニ。
受験競争の学校にはついていけず、友達は別学校の生徒。
時折その友達と悪さをしたり、ボーイフレンドや後輩の女子生徒とデートをしたり。
それもこれも両親の気を引きたいから。
両親は仕事が忙しく、全く見てくれない。
唯一見てくれるのは、優秀な兄だけ。
しかし、この兄が問題。
両親が見てないのをいい事に、しょっちゅう暴力を振るってくる…。
ここから見えてくる韓国社会の問題。
以前見た『82年生まれ、キム・ジヨン』と通じる。
圧倒的な男性上位。
それは、家庭の中でも。
父親は絶対。所謂、昔の日本のような家父長制。
この父親は特別尊敬に値するいい父親にはどうしても思えない。口を開けば、仕事や世間に愚痴、家族に対しても説教…。
父親は百歩譲ってまだ分かるとしても、兄が卑屈。
一度、兄が暴力を振るっている事を両親に訴えたが…、両親はまともに取り合ってくれない。「兄妹喧嘩はよして」
母親は毎日疲れているように生気ナシ。
孤独感、息が詰まるほどの閉塞感…。
もしあの時、あの人と出会えてなかったら、私はどうなっていたんだろう…?
通っている漢文塾。
新しい教師がやって来る。
女性教師のヨンジ。
何処か不思議な雰囲気のヨンジ。でも聡明で、何よりウニの話に耳を傾け、聞いてくれる。
こんな鬱憤だらけの日々の中で、先生と会う日だけが唯一の楽しみになった。
思春期の少女が年上の女性に憧れを抱くのはよくある事。
同性から見ても素敵だから。一緒に居て楽しいから。良き理解者だから。助言者だから。
「殴られたまま黙っていてはダメ」
思春期の少女の悩み、心の揺れ、家族や周りとの関わりを繊細に描いたキム・ボラの演出は、これが長編デビューとは思えないほど。『82年生まれ、キム・ジヨン』のキム・ドヨン同様、韓国からまた才能ある女性監督が続く。
本作は監督の実体験がベース。監督の少女時代となったパク・ジフのナチュラルさ、瑞々しさ。そこに複雑な感情も体現。
ヨンジ役のキム・セビョクが好助演。劇中の役同様、不思議な魅力で印象を残す。
ある時、耳の下にしこりが見つかったウニ。
心配し、私の為に泣いてくれた父。
初めてというくらい家族の温もりを感じた。
手術、入院。
友達や先生も見舞いに来てくれた。
病室の人たちもいい人たち。
退院は早かった。
少女は皆の温かさに包まれて…。
まるでハッピーエンドのようで、これで終わりかと思いきや、そうじゃなかった。
とにかく本作、多感な年頃の少女の心情をまさしく表すように、淡々としながらも展開が変わっていく。
先生が突然塾を辞めた。最後に会えなかった。
それが原因で塾と揉め、塾をクビに。
当然、家族は激怒。
またウニの鬱憤が募る。
本作はほんの数ヶ月の出来事。
“北”ではトップが変わり、韓国社会も変わりゆく真っ只中。
経済も急激に発展。
自分の周りも変わっていく。
そしてまさか、この2つのある悲劇に見舞われるなんて…。
1994年に起きた聖水(ソンス)大橋陥落事故。
日本人なので全く知らなかったが、韓国では知らぬ者は居ない、手抜き工事が原因で多くの犠牲者を出した大事故らしい。
姉はいつもバスでこの橋を渡って通学していた。その日は通学に遅れ…、助かった。
今度は兄が涙する。家族の一人が犠牲になっていたかもしれない。
やはり、家族なのだ。
しかし…、犠牲者はいた。
先生から小包が届いた。
それを頼りに先生の実家に会いに行く。
先生の母親。悲観に暮れた表情。
くどくど言うまでもないだろう…。
この世界は時に残酷。
大事な人を一瞬で奪っていく。
出会えたのも、ほんの僅か。
でも、その出会いがあったから。
家族ともやっていける。
私自身も羽ばたいていける。
はちどりの羽ばたき。
噛めば噛むほど
見おわってぼやっとした印象が残る。腑におちない部分やシーンが引っかかる。もう一度観ると、何気なく見送ってた演技・演出にハッとさせられる。まだまだおかわりできる。
知人能幾人。他人も家族も分かり得ぬ。それでも進め、中学生。
少女の世界
殺人や陰謀が描かれる訳でなく、少女の日常に起こる小さな出来事が描かれ、「どういうこと?」ってその理由が示されずに流れる出来事もあるので、何が面白いのか?って思う人もいると思います。主人公パク・ジフの演技、視線が素晴らしく、その年代の実物大の女子の感情がみずみずしく描かれているところが素晴らしいと思いました。
やりたい流れは分かるんだけどね。
団地に住み、父と母は自営業、兄や姉が居て、ボーイフレンドもいる。そんなウニは14歳。
思春期な彼女が中心で、家族、友人、漢文塾の先生との交流と日常を描く。
自分に照らし合わせれば、団地に住んだ事無いし、変な涙を見せる父でも無かったし、そっけない母でも無かったし、人にケチをつける兄でも無かったし、事前悪人探しの先生もいなかったし、万引きもしたことないし、友人は変な裏切りせんかったし、周りの事なんか鵜呑みにして問い詰める家族では無かったし、なんかストーリーについていけなかったのが正直な感想である。
韓国映画は観るけど、個人的に韓国の生活文化に興味が無いのも、この映画を楽しめない理由の一つ。
一流大学に入らないと人生終わりの様な受験戦争。
1990年急激に経済成長した韓国経済。
そんな中でも色濃く残る家父長制。
そんな韓国社会をもう少し描いてくれれば、前のめりで観る気が出たかも。
この映画で描かれる子供と大人の中間的「中二病」世界。理不尽が付いてまわるこの世界。
いつの間にかも多いその世界。
韓国らしいクセがある。実際にあった事故もそう。
それに繋げたラストもそう。
クセが強すぎて自然な感じが無く、表現的にわざとらしく感じる部分も。(全体的に自然な感じなだけに)
映画的にその世界をこの可愛らしい彼女にて映し出すのは功を奏しているとは思うけど、もっと漢文塾の先生との繋がりが観たかったな。
私がついていけなかった世界観が狭くなってでも。
心の交流も唱えているのだから。
「90年代韓国の孤独と素晴らしい撮影が一体になった傑作」
1994年ソウルの団地に住む中学生ウニの物語で、全編が彼女の視線から見た日々を丹念に綴っている。
多くの方々が指摘している事ではあるが、当時の女性や女子への抑圧的な世間と家族との関わりが描かれており共感するところや自分の性別ゆえに気づかなかったところを炙り出してくる。
そんな抑圧されたウニの姿を、デビュー作とは思えない洗練された語りと抜群のカメラワークで丁寧に映像を重ねて見せてくるキム・ボラ監督の手腕に驚かされる。
同じ場所でも時間の経過やウニの心情により明らかに見え方が変わってゆく様がわかる。
出会いや別れを経験することによって狭かった世界が広がるようにカメラ位置が少し後ろに引いたりしている。
彼女が通う塾の教室や階段での微妙な広がりを感じさせる変化には唸らされる。
特に塾の階段で、ヨンジ先生と心通じる場面の窓外にある木の揺らめきと廃ビルのような階段までもがドラマチックに魅せるカットや数回通る公園や通学路の朝昼の煌きと夜の冷えた表情と静さの対比。
家の近くで目にする心あらずな様で彷徨う母親の姿を、陽光の中の不穏な雰囲気で映像に予感せる描写など。(ただしこの場面は特に後の伏線の様な感じでは無い)
ウニが通う診療所の3回のカメラワークの変化なども以外性と広がりを感じさせる。
ただ、カメラアングルの変化よって一見すると違う場所にも見えて混乱を招く事もあるところを、とても上手くまとめている。もちろん観客にも集中力が必要だが。
主役のパク・ジフの演技や脇の俳優陣も素晴らしいが、個人的にはヨンジ先生役のキム・セビョクの質素だが芯のある美しい佇まいがとても素晴らしい。
70年代の日本でも見かけた少しはすっぱな雰囲気と知性を持つヨンジ先生は、裕福な家庭に育ち大学で学生運動をしていてドロップアウトした人なのだろうか、何処か世捨て人じみているが、その優しくウニを精神的に導くメンターにも見える。
ネタバレあり
後半では韓国では有名な事件のソンス大橋崩落が起こり、それまで小さなウニの視線が大きく広がり、この悲劇を姉兄や家族と見届ける。
抑圧された影響で、歪みの様な腫瘍まで背負った彼女は、大切な人を失いながらも、立ち上がったように日常に戻る姿で深い余韻を残して映画は終わる。
商業映画デビュー作にしてこの完成度は驚異的で、キム・ボラ監督の次回作に期待が持てる。
もちろん後輩女子の変化や母親の不安な姿など伏線回収的な部分がないので、気になる人もいると思いますが、少女の目線で見て理由は、観客に委ねるのもアリだと思う。
近年の傑作揃いの韓国映画の中でもかなりの上位に値する傑作だと思うが、それでも受けて手には、若干のリテラシー(またです)は必要だと感じるところがあり、性別や世代によってはこの映画の示す事柄が飲み込めないのではとの危惧もある。
もちろん自分も分かった気になっているところはあるはず。映画自体も静かでいわゆる強烈な展開が少なくて、淡々しているので、持て余してしまう事も。
そして問題なのは、この映画は2018年10月に韓国で公開されたのに、日本公開が2020年6月とこれほどの作品が2年も上映されなかった事だと思う。
ちなみに94年の日本でも、ソンス大橋崩落はニュースで報道されていて、自分も記憶に残っているが、そのすぐ後に起きた韓国の三豊百貨店崩壊の甚太な被害によりこの映画を観るまでほとんど忘れていた。(もっとも当時の自分は車とバイクと洋画にしか興味ないアホでした)
・教育実習のときの生徒と、自分の中学時代が被って、感情が揺さぶられ...
・教育実習のときの生徒と、自分の中学時代が被って、感情が揺さぶられた
・全員が全員、苦しんでいた。みなハチドリ。それに気づいた主人公
・伏線の置き方のさりげなさ、演出の少なさが文学的で良かった
・全体を通して笑顔が少ない
・音楽がいい
・リアルな息遣い、肌の質感
「わたしのしこりはどこにいってしまったの」
14歳の目に写るもの。
かごの中のはちどりに例えられるのは、主人公のウニなんでしょう。
力もなく、翻弄される、14さい。
鳥のはちどりは、蜂のように音を立て羽をはばたかせて宙に浮くのではちどりというらしい。
wiki先生によると体重2~20g!!はかない生き物なんですね。
1994年で14さいなのだったら、わたしより一つ上なのかな。
90年代を10代(若者)として生きた作家たちが、内省ののちにその時代を描く年頃になったということですね。
94年は、阪神大震災と地下鉄サリン事件の前年。
わたしは13さいになる年で、不仲の両親に4人目の子どもが生まれた年でした。
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父、母、兄、姉、ウニという5人家族
ソウルのマンションに暮らす
父母はお餅屋さんを営んでおり忙しい
学校ではちょっと浮いてるのかな?
漢文塾に一緒に通う子が友達
彼氏がいる、後輩女子にもモテる
お兄ちゃんは、長男だから両親(父)からの立身出世へのプレッシャーがきつく、ウニを殴る
お姉ちゃんは、夜遊びしたいお年頃で、父に隠れて出かけて、見つかって殴られたりしてる
お母さんは、家事と家業に疲弊。いろんなことを見て見ぬふりしている感じ
お父さんは、説教こそが父の役目と思っている感じ
ウニの境遇は、よくもないけどすごく悪いわけではない。
両親がすごく愛情深いとかってわけじゃないけど、衣食住に困ることなくそこそこちゃんと子どもらしくいさせてもらえる。
学校も面白くはなさそうだけど、そんなもんといえばそんなもん。
ただ、14さいの日々に起きる小さな不満や疑問を全く無視して世界が進んでいて、ウニは何をどう生きればいいかわからないという感じ。
そのぽつんとした感じがよく伝わってきた。
世界の中にぽつんといる、はちどりに例えられるほどか弱いウニが、漢文塾の女性教師と出会い、世界の中にぽつん、である現状を、分かるよと言ってもらえてすごくうれしかった、でも先生は事故で帰らぬ人になった、というお話。
25年くらい前の雰囲気、10代のぐらぐらした気持ち、家族に大事にされない不安、友達も彼氏も水物過ぎてあやふや…そういう知ってる世界が密度濃く描かれていて、夢中になってみた。
1986年の韓国の政変について、ぜーんぜん知らないので、先生のバックグラウンドがわからなかったです。
他の韓国映画をみても、1986年は大きな転換点のようなので勉強した方が鑑賞に奥行が出るのだろうなと思った。
小さな社会と大きい世界
エピソードのほとんどが、友達と喧嘩したの恋人に女がいたのという
他人からしたらとるに足らない出来事だ。
ところが、終盤そういったとるに足らない出来事の積み重ねと
大きな社会的な出来事との対比が素晴らしかった。
ちょうど『この世界の片隅に』では絵が好きなすずさんの日常を描きながら
大きなうねりに否応なく巻き込まれていったようにダイナミックさと押しつけがましくなさ。
全てが行き届いていたと思います。
とるに足らない出来事も思春期の煌めきだけではなく重々しさ息苦しさもあり「あぁ自分もこんな不安定で多感な時代があったなぁ」という共感も大きいです。
個人的にはウニが“漫画を描くのが好き”なら
ちょろっとイラストを描く描写ではなく漫画を描いてる場面があっていいかとも思ったけど
監督のインタビューを読むとかなり削ったそうですし、
そこはまぁ素晴らしい映画の中では些細なことです。
つまらなくはないが長い…
実話ベースの、時間をたっぷりゆったり使った決して楽しくは無い青春ドラマ。
韓国人にとっては、この映画で懐かしい過去の出来事が空気感と共に蘇ることだろうが、それ以外の国の人には実話なのかフィクションなのかよく分からない話が続くことだろう。
つまらなくはない。ただ、もっと短くできなかったのかと思う。
1990年代の韓国の時代背景と思春期の葛藤が分からないと楽しめない作品。
冗長で説明不足な感じで何をこの作品で伝えたいのかって思う内容だという印象。ラストも「主人公は何を思ってるんだろう?」っていう疑問を浮かべながらエンドロールを眺めていた。
個人的に微妙だったけど、おそらく説明不足な所はこの作品の良さと捉えるべきなのかなって思った。逆に良かった点として個人的に感じたのは、一貫して主人公の主観的な視点で物語が語られること。だからこそ、この人は今何を考えてるの?って場面が多発する。邦画は時に説明し過ぎる節があると感じるのでこのぐらいが案外良いのかも。あと、一貫して閉塞感がある映像はとても良かった。進学校、集合住宅、ギクシャクした家族関係、とても主人公の窮屈さや鬱屈してしまう感じが伝わった。でも、流石に長いかも。このぐらい長尺だと展開を期待してしまうよ。音楽はマイナスかも。
タイトルはここのレビュー読んで、思った感想。
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