椿の庭のレビュー・感想・評価
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すごく静かな、良い作品でした
写真家 上田義彦さんの初監督作品
上田監督は写真家らしく、フィルム撮影とできるだけ自然の光を使うことにこだわったそうで、それがよく解る作品に仕上がっています
水の音と濡れた感じの透明感、風によって生まれる音、光のコントラスト、といった五感を刺激する美しい映像と音が印象的でした
富司純子さんの凛とした佇まい、大御所の風格とオーラを放ち圧倒されます、特にシュッシュッと音をさせながら着物を着るシーンが素晴らしかった、忘れられないシーンです
そして鈴木京香さんもとても綺麗で色っぽく、魅力的でした
富司さんともしっかり渡り合っており、その堂々とした立ち居振る舞いがとても良かったです
全編通していいなと思ったのは舞台となる立派な屋敷、歴史を重ねた風格を感じ、本当に素晴らしかった、間取りが良いのが一番ですが、内装を彩る囲炉裏、シブいレコードプレーヤーやソファなどがすごく素敵でした、短期間でいいのであんな家に住んでみたいものです
素晴らしく光り輝くものでも限りがあり、いづれは姿を消してしまう、万物は儚い運命と共に生きる
というテーマを受取り、もの悲しさを感じ切なくなりました、とても良い作品です
富司純子ファンが楽しむ作品
写真を見ているような映画
庭のお花に金魚や昆虫などをじっと写し込んで、最初の方では殆ど会話もなく、人によっては寝てしまいそうになるのでは?自然が好きな人にとっては風景写真を見ている様で独特な雰囲気が印象に残った。環境破壊とか歴史的な建造物を大切にしたいとかそういう事を伝えたいのかな?鈴木京香はあまり出て来なくて残念。重要な役に韓国人俳優が2人も出てきて非常に違和感があった。
お庭探訪
椿は日本を代表する美しい花木
終わってもまた続いていく、季節のようなもの
おばあちゃんはいなくなり、その思い出が宿る家も取り壊されてしまった。
でもおばあちゃんが大切にしていたもの、おばあちゃんとの思い出は渚の中にしっかり受け継がれ遺っている。
最後、おばあちゃんが大切にしていた椿の庭が、狭いマンションの一室のテーブルの上に出来上がった。
形は変われど続いていく。
終わってもまた続く季節のように。
No. 1170
椿と金魚と
【"四季の移ろいと共に・・”亡き夫と愛した椿の庭のある葉山の海を眼下にする一軒家に住む、高齢の女性が相続税により家を売る覚悟を決める姿を美しき四季の自然を背景に描き出した作品。】
ー あの日、僕が住んでいた家の近くをいつものように歩いていたら、見覚えのない空き地に足が止まった。
あの家がない。穏やかな静寂に包まれていた古い家。
優しい木漏れ陽を歩道に落としてくれていた大きな木が跡形もなく、消えていた。
そして思った。ここに暮らしていた一度も姿を見かけた事の無かった人の事を・・。
急ぎ、家に帰り自然にペンを取った。
庭には、椿の花が咲き誇っていた。
15年前の春先。あの日、この映画が始まった。ー
今作の監督であり、写真界の巨匠、上田義彦の言葉である。
◆感想
・富司純子さんの和装の、品のある佇まいに圧倒される。
背筋をピンと伸ばし、亡き夫の49日の法要を滞りなく終える姿。
■日本の相続税は、相続する側には厳しい制度である。基本思想は、今作でも描かれている通り、資産の再分配であり、格差是正でもある。
戦後、多大なる財産を持っていた、華族が急速に衰退して行った理由でもある。
・今作では、何気ない日々の尊さや命のはかなさを、四季折々の草花と、それを愛する富司純子さん演じる絹子や、同居する孫の渚(シム・ウンギョン)の姿を通して描き出している。
自然光のみで撮影した、絹子の家の美しさ。
夫の旧友が訪れて来た時に聴く、「ザ・ブラザーズ・フォア」の”Try To Remember"がこの静かなる作品に動的な趣を与えている。
・少し残念だったのは、室内のシーンが暗すぎて、重要なシーン(渚の駆け落ちした母からの絹子への手紙)が、見づらかったことであろうか・・。
<命あるモノは、花も人も若き時は美しく成長するが、いつか最期が訪れる。
”もし、私がこの家から離れてしまったら、ここでの家族の記憶などを総て思い出せなくなってしまうのかしら”と絹子が寂しげに呟くシーンは切ない。
だが、それだからこそ、今を大切に生きる必要があるのだ、と思った作品である。>
■税理士役を演じた、名優張震(「牯嶺街少年殺人事件」で、小四を演じていましたが、大きくなったものだ。)が、
”富司純子さんが、四季の移ろいと共に、家を売る決意を固めていく姿の表現に驚いた”
という、逸話もあるが、納得である。
もったいないの一言
美しい海と手入れされた庭、そして長年大切に住んできた家。ロケ地は何...
良かった。
映像が圧倒的に美しい!
イントロに金魚、以降に印象的なシーンで現れる金魚。何かのキーワードやろか?
舞台は海が見える高台の日本家屋。庭には四季折々の花が咲き(椿、藤棚、あじさい・・・)、そして様々な小動物たち。家屋内の家具や美術品が住まう人の人柄を連想させる。古き良き時代の暮らしが香り立つ。「こんな家に住みたい」と思わせる素敵な住まいだ。兎に角、映像が圧倒的に美しい!
此処で同居する絹子(富司純子)と渚(シム・ウンギョン)【祖母と娘の忘れ形見・孫娘】、娘の陶子(鈴木京香)、素晴らしい女性トリオ。富司純子は“藤純子”時代からのファン、長女“寺島しのぶ”も好きな女優。シム・ウンギョンは「新聞記者」で松坂桃李とW主演、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を獲得している。「新聞記者」を鑑賞した時から彼女のファンになった。シム・ウンギョンはこの映画に出演し一段と飛躍したのではなかろうか、富司純子他の共演や日本の自然を介して。
ラストはむごい、切ない!観客の想像に任せて欲しかった!
この家には世界のすべてがある
日本の四季の花々
藤の花から始まり、四季の草花を巡って、椿になる。
桜で新たな始まりと未来を暗示させられながら、古き良き物が去っていく。
栄枯盛衰、諸行無常。
人の一生から続いていく命の連鎖。
でも、はっきりと金魚やスズメバチがその様を見せつけてくる。
スズメバチのシーンで志賀直哉の「城崎にて」を思い出していた。
室内の調度品の数々が豪華で、特に椅子にはいったいいくらかけてらっしゃるのかと気になって気になって。
外にあったのはまさかアカプルコチェアではないわよね、とか、気になって気になった。
豪華なお庭も、あれだけすごいと年間のお手入れ代がバカにならないだろうなぁ、と貧乏人目線でばかりみてしまいました。
シム・ウンギョさんて誰、見たことある顔、と思ったら、イム・ナミ、でした、サニーの。
あらら、オトナびたね。
そして
富司純子さんの美しさはやはり格別でした。
あ、水平線だ
写真家の撮る映画、という一点の興味だけで足を運んでみましたが、思いの外しっくりときて気持ち良かったです。
映像的には想定内、というか「流石は写真家さんね」という感じの、まさに活動写真な世界。静の中に動が混じっているとでも言えば良いのでしょうかね。ちょっと写真的なイメージシーンが多かったり長かったりする気もしますが、それも味でしょう。
少し気になったのは台詞。極端に少ないのは好ましかったのだけれど、到頭に垂れ流すターンが、ロールプレイングゲームのモブキャラ的というか、何だか喋らされてる感が強目に感じちゃいましたね。但し、不思議とそんな中で抜群に自然な鈴木京香さんのお陰で、中盤以降はそんな違和感も気にならずに浸ることが出来たのは拾い物でした。京香さん、こんなに味のある役者さんだったのですねぇ。何となく穿った目でみちゃってました。すみません。
監督さんの大きく広い画も観てみたいなぁ、なんて思いながら劇場を後にしました。
孫権さま(チャン・チェン)はどういう経緯での配役だったのでしょうね。嫌いじゃないけど、何かね(苦笑)。それにしても、測量技師の二人は良かったなぁ…。
贅沢な気分
こういう雰囲気、好きかも知れない
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