劇場公開日 2020年5月2日

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「優しく冷たく誠実な眼差し」精神0 SHさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0優しく冷たく誠実な眼差し

2020年6月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

悲しい

観察ドキュメンタリーを数多く見ている訳ではないけれど、想田ドキュメンタリーは相当に気に入っている。
今回も最初からかなり見入ったし、作り手と被写体との距離感というか空気感は、これまで以上に素晴らしく感じた。
あくまで撮る側は陰というスタンスを維持しつつ、カメラがあることを決して隠そうとすることなく、カメラ存在をリアルでナチュラルに構築されているところが毎回好感を持つ。今回も、カメラで撮っていれば対象はこうなるであろうことを素直に誠実に、それでいて冷徹に見つめていて、微笑ましくもあり悲しくもあり、感動的でもあった。
これまでの作品と違う点としては、かなり辛い気持ちで見つめたというところ。どうにもならないもどかしさ、悲劇的な方向へと向かっているベクトルをひしひしと感じて、見終わったときのわだかまりはかなり強いものだった。
映像だけで分かりやすく濃密な内容を伝えていることに素晴らしさを感じることは言わずもがな、無理にコントロールすることなく誠実に被写体を追った結果が凝縮されているこの構築物を眺めているだけでも非常に面白いと感じる映画だった。

SH