劇場公開日 2020年4月3日

「いつまで続くかレイシズム」白い暴動 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0いつまで続くかレイシズム

2020年7月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 はっきり言って、昔はパンクロック嫌いでした。しかし、このドキュメンタリー作品を見て、ちょっと考えが変わりました。ただ、トム・ロビンソン・バンドは元々好きだったので、RAR(ロック・アゲインスト・レイシズム)コンサートのトリを務めていたことに単純に嬉しかった。

 「白い暴動」はクラッシュの1stアルバム、同名曲。音楽的には好きになれなかったけど、歌詞を見ると現代にも通ずる反骨精神がそのまま心に訴えてくるものがあった。反ナチ、反ファシズム、反レイシズムといった痛烈なメッセージ。もっと英語やイギリスの内情を勉強しとくんだった。今でも充分にメッセージが伝わります。

 エリック・クラプトン、デビッド・ボウイ、ロッド・スチュワートなど、レイシストとしてレコードを捨てたというエピソードも目から鱗。そういえば、70年代後半って、アメリカじゃNO NUKESコンサートもやってたし、イギリスではこのRPRコンサート。日本のミュージシャンは何をしてたんだろう?

 白人至上主義のイギリス国民戦線(British National Front)やネオナチの不気味さ。アンチ・ナチ・リーグのデモ行進。とにかく行動に移さなければ世の中は変えられない。79年の選挙ではNFも敗退したというが、やっぱりパンクが政治を変えたという歴史があったのですね。なお、パンクも極右と左派の2通りがあり、スキンヘッズはほとんど右翼だという。とにかく、音楽の力で世の中を変えることができるんだと感じました。

kossy