MOTHER マザーのレビュー・感想・評価
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ぜんぶ「ダメ」
周平の最後に発した「お母さんを好きじゃ、ダメなんですかね」のセリフに涙が溢れました。
映画中盤まで、理解もしたくないしょうもない母親とあまりに悲惨な子供たち、幾度か手を差し伸べようとする人間が現れるにもかかわらず、低い方へ低い方へ、親子は下へ流れていく。正直同じことを繰り返しているし、馬鹿げてもいて、長いなと思ってしまう自分もいました。
しかし亜矢と面会するラストのシーンで、なぜこれほど丁寧に、同じことを繰り返す親子を描きあげたのかわかりました。周平の目は、サイテーな母親や救ってくれない社会を非難するではなく、ただ母を想う気持ちで、支配されていました。あの演技に胸が締め付けられる気持ちになりました。
先日見たグザヴィエドラン監督作品「マイマザー」で、「人には、母親に向かない人もいる」というセリフがありました。長澤まさみ演じる母親はまさにそれで、しかしそのことを自覚することは母親として屈辱的なことであり、そのような親のもとに生まれてしまった子供を救うにはどうすべきなのか、真剣に考えなければならないと思いました。
そんな馬鹿な(泣)
大森立嗣監督の作品は色々と拝見させて頂いてますが、個人的に『MOTHER』は最高傑作!!
こんな母親は嫌だ、No.1。
世間には、この様な母親は5万といるのでしょうか。
子供を幸せにできないのなら子供を産むなー(●`ε´●)
そして、声大き過ぎ!そんなにギャーギャー喚かないで
冷静になってくれ。シュウヘイ君は冷静だったな。
あれかなぁ、反面教師か。
シュウヘイのお父さんが『シュウヘイ、お父さんの所に来るか』
だが、シュウヘイは『お母さんのがいい』
!!?何でやねん!!
そのシーンを見て思ったのは(お母さんに洗脳されてるのか?)
洗脳ではなく、『お母さんの事が好き』
という。シンプルなものだった。シンプルと言っては語弊があるけど。
後半のシーンで、あやさんが(夏帆さん)
『自分がやったって嘘ついちゃ駄目じゃない』
シュウヘイが
『ずっと駄目だよ、産まれてから ずっと』
号泣でした。
皆様素晴らしい演技力で、圧巻でした。
吐き出さずにはいられなくて…
16歳の高校男子を持つ親ですが、鑑賞から3日たっても、衝撃的なシーンが心から離れなくて…。
長めの髪の周平の風貌が、どうにも我が子と重なり、序盤の小学生時代から涙していました。
彼の周囲の大人が、秋子ではなく、周平を見てくれていたら…。何度もあったタイミングを、なぜどうにもできなかったのか…。
周平が発した「学校行きたいんだけど」「もう止めようよ」を、なぜ救ってあげられなかったのか。
そんな理不尽を、違う、と感じていても、違う行動をするすべを持たなかった周平。
妹をとても大事に思っていた優しい彼が、あまりにも残忍な事件を起こす。
心を決めるまでの長い長い橋のうえ。
心を決めた彼に、罪悪感は無かったと思う。
そうしなければ、母親は生きていけない。そうしなければ、妹は死んでしまう。
でもどうしても、そのシーンが頭から離れない。
チャイムを鳴らして家に上げてもらってから、ほんの数分ある会話。
「妹。かわいいよ。今度会ってよ」
と、言ったのは、油断させるためなのか、本心なのか。
機を伺ってソワソワする彼になにかを気づいて声をかける祖父。
瞬間。
瞬間だ。
心に決めていないと、絶対に出来ない。
そんなスピードで、一瞬で。
その一瞬の彼に、迷いなどない。
そのことが、その手の感触が、今後の彼の人生にどれだけのことを残すのだろうかと想像したら、涙が止まらなかった。
それでも母親を好きだと言う彼に、本当はどうしたら良かったのか、その答えを大人は持ち合わせていない。
17歳男子は、親の言うことなんてなにも聞いちゃいないし、親がやれと言ったことはだいたいやらない。
そんな世の中で、彼は、母親の言うことをすべて聞いて生きていた。
母親がすべてだった。
周平が、秋子に「え?」と聞き返すシーンがいくつかあるが、リアルそのものだ。
なんどか試みた小さな反抗を握りつぶされる度に、彼の自我が消えていく気がした。
そうするしかなかった、のだ。
そうするしかなかった、から、と言われても、受け入れられないあのシーンの衝撃。
反芻しては落ち込むのに、何度も反芻してしまうあのシーンに、観ることを後悔した映画でした。
(すごく良かったんだけど…ね…)
大嫌いになりたかった
何故、阿部サダヲ扮する遼は
5年を経て帰ってきたのか?
「お前の母ちゃんはいい女だ」と周に言ったり、遼の借金のメールを見て息子に
強盗をさせたけど
二人の馬鹿な大人でも通ってる愛がまず
見れなかったから言葉だけが宙に浮いていた。
映画全体にこの「言葉だけが宙に浮いている」箇所がありすぎる。
周に寄り添う児相のあやが本を持ってきた
シーンも本が好きだから持って来たと言うが、少年の本好きは伝わっておらず
熱意の言葉も空回りする。
共依存、、ということ1つとっても
息子の視点からの母への愛しさ、
周しかいない歪んだ息子への愛の描き方
薄く、殺人に至るギリギリの精神状態が伝わらずハラハラすることも
胸を締め付けられることもできなかった。
ラストの丸刈りの周の言葉は
最も重く伝わるはずのものだが
深く感情移入できなかったのは
背景にある
過酷な貧しさや生活、喫茶店や焼肉屋での食べ物に対する兄妹の姿、
自分も幼くして妹を育てる大変さ、
(赤ちゃん時のおむつ替えや夜泣きのシーンなど必要だったと思う。妹への愛も言葉だけ宙に浮いていた)
祖父母との可愛がってもらっていた
関係性や学校へ行きたかった気持ちなど
言葉だけでなく、1つ1つもっと丁寧に掘り下げなければラストは響かないし
誰の視点からもこの物語を追えない。
せめて
長澤まさみ演じる母親の秋子を
大嫌いな気持ちになりたかった
こんな母親でも僕は愛している
「誰もボクを見ていない: なぜ17歳の少年は、祖父母を殺害したのか 」
が原作となり、それを実写映画化した本作品
本作の主人公である、秋子(長澤まさみ)は、実子に対して、
ネグレクトをしさらには自分の親(祖父母)を殺すようにと頼む、畜生な人間と
そんな親に対しても、変わらず愛してあげた息子(奥平大兼)の
親子とは一体何なのか?というのを問いかける作品
どんなにひどい事をされても、結局この人にとっては自分(息子)は必要な存在で、
自分(息子)にとっても、母親(毒親)は必要な存在となっている、一種の共依存関係が
息子の自立を阻害してしまった
そんなズブズブな関係を周りの大人たちは見て見ぬふりをして、自体は最悪の結末を迎えてしまう
この作品は、一つの歪な親子関係を表現しているだけでなく、それを止めることができない
周りの大人たちの対応の悪さも顕著に表されている
例えば、
祖父母たちは、娘(秋子)の浪費癖をに呆れ、孫(息子)共々、縁を切ることになってしまった
市役所職員たちは、アパートを貸してあげるだけで、秋子に怒鳴られただけで、すぐに退散してしまう
職場の上司は、秋子に言い寄られただけで窃盗の罪を許してしまう
このように、周りの大人たちが彼(息子)のことを全く見ようとせず、彼から遠ざかることで
より親(秋子)への依存度をましてしまうという、負のスパイラルが生まれてしまう
この作品の一番に伝えたいことは、
こんな親でも、結局自分の心に空いた穴を埋めてくれる存在は、この人しかいないという
最悪な現実をどうにかして変えることができなかったのか?
どのようにすれば、変えることができたのか?
そのような存在に、息子さんが出会えれば、きっと‥
最後に、
この作品は、親子の美しさというものを表現していない
あくまでも、秋子は都合の良い相手を探していただけであるから
秋子は、パラサイト(寄生虫)である
長澤まさみ&奥平大兼をこれからも追いかけ続けたい
テーマとしては是枝監督の『万引き家族』や『誰も知らない』、洋画の『フロリダプロジェクト』に通じるものを感じたけど、もっと救いがなく、絶望感が強かった。
たとえば『万引き家族』は、世間からみたら「最低」と思われるような家族だったかもしれないけど、どこか愛や温もりを感じるところもあった。でもこの映画の母親にはそういう甘さはない。最後の最後まで。
たぶんこの先、妹のふゆかちゃんが成長したら彼女に寄りかかるんじゃないか。そして周平が出所したらまた同じことになるんじゃないか。この人のことは永遠に変えられないし、そこに他者が入り込むこともできないんじゃないかと思わせられる。
それを演じた長澤まさみさんはやっぱりすごい。あの長澤まさみが、白髪で顔色が悪く、だるそうなホームレスに。真面目で仕事のできる女性も、溌剌とした女の子も、エロも、悪女もすべて演じきる長澤まさみさんがこれからどんな役をやっていくとかとても楽しみになった。
そして周平の奥平大兼くんも強烈なインパクト。口数が少なく、自分の気持ちを封じ込めてしまう周平の本意は最後までよくわからない。母親や義父に比べると、一見「まとも」な感覚を持っているように思えるけど、実は狂気を秘めている。そういう難しい役を映画デビュー作で表現してみせた奥平くんの今後も注目したい。
〝〜してたら、〜してれば〟が多い映画
実際の事件が元になっている映画。
どこまでが、フィクションかはわかりません。
(記者の方が書かれた事件の本は未読です。)
ただ、映画の感想について。
長澤まさみさん演じる母親の育った環境が気になりました。
虐待されて育った親は子に虐待するとよく言われますが、阿部サダヲさんと別れるシーン以外で長澤まさみさんが周平くんに〝肉体的暴力〟をふるうことはありませんでした。
ただあんな毒親になるなんて、何かしら長澤まさみさんもつらい思いをしていたのかもと思いました。
あと長澤まさみさんが両親の事を呼ぶ時、いつも〝クソババア〟とばかりで父親が空気な、殊な家とも感じました。
(幼少期の周平くんがお金の無心に行った時の祖母の怒鳴り様も長澤まさみさんそっくりで演出凄かったです)
また幼少期に比べ怒鳴って周平くんを押さえつけるシーンが少ない少年期でしたが、その分言葉巧みに操っていたと感じます。
はたからみたら、どうして言い返さないのか。
なぜいう事を聞いてしまうのか。
なぜ現状の生活を捨ててまで、落ちた生活を選択するのか。
共依存の関係が母親、養父、周平くんそれぞれ当てはまって考えさせられました。
あとは長澤まさみさんの演技力が素晴らしかったと思います。
他の方は長澤まさみさんが綺麗過ぎると言われている方もいらっしゃいますが、実在の母親もホストクラブ通いにホストが養父なので容姿端麗なのでは、と推測してむしろ合っているなと感じました。
最後に、
お金の無心に来た孫を児童相談所に預けるという選択肢がなかった祖父母。
なぜ母親の方を選ぶのか聞いてあげれなかった実父。
学校で虐められていたとしても、現状をおかしいと思わなかったラブホの経営者。
養父が母親に対して暴力をふるう現場を見ながら見ないふりをした綾さん。
母親に説教しながら肉体関係を持ってしまった周平くんの雇主。
何か一つでも変わっていたらどうなっていたんだろう。
本当に考えさせられる映画です。
よかった
長澤まさみの体当たり演技がすごい。本当のクズにしか見えないのはすごいのだけど、魅力的な部分が皆無で、奥行きがない。彼氏が絶えないのなら楽しい面や愉快な面があるはずで、そういった振り幅があった方が面白いのではないだろうか。また、両親を殺させた後、どうやって換金するのか本当に頭が悪い。息子もやる前に考えろよと思う。
ホームレスにまで転落していて服が本当に汚れていて、感じが出ている。阿部サダヲがシェルターみたいな部屋で長澤まさみをボコボコにしている時に、夏帆が何もできずただ縮こまっていたのはリアルで、実際そんな感じする。
見ていてげんなりする話だった。
長澤まさみさんの新境地的な感じで違う意味で凄い作品ですが…な作品です。
かなりの問題作と観賞前から聞いてましたが実力派の長澤まさみさんが主演とあって、どうにも気になって観賞しました。
で、感想はと言うと…重い。
すんごい重い。全然救いが無い。言葉が悪いけど胸糞悪い。
実際に起こった事件を元にされているとの事ですが、あまりにもリアルに描き過ぎではないか?と思うくらい。
また、こんな事が本当に起こったのか?と信じられないくらい。事実は小説より奇なりとはよく言ったものです。
これに実力派の長澤まさみさんの迫真の演技とコメディ作品で真価を発揮(そんなイメージです)しながらもマジな演技でもさすがの阿部サダヲさんの熱演に周平役の奥平大兼くんの新人らしからぬ演技が拍車を掛け、めっちゃくちゃリアルでズンと凹むぐらいに仕上がってます。
是枝監督の「万引き家族」や「誰も知らない」の様で、でもそれらよりも重たい。
どちらかと言うと「許された子供たち」や「存在のない子供たち」を思い出しました。
面白いと言うよりかは見応えがありますが、とにかく凹んで疲れた。暗い。
観た後に"ちゃんと頑張ろう"と思ったぐらいw
こんなに救いの無いお話はアカンやろ?もうちょい希望の光を見せても良いんちゃう?と思いますw
結構好きな作品の「日日是好日」の大森立嗣監督がこんな真逆な作品を描くとはちょっとビックリ。
長澤まさみさん演じる秋子はどうしょうも無いダメダメ。母親としても女性としても人間としてもダメ。ここまで徹底していて、こんなに共感の出来ない長澤まさみさんが凄すぎて怖い。
長澤まさみさんと言えば、笑顔が素敵で可愛らしい感じで好感度が高い。
上映前に「コンフィデンスマンJP プリンセス編」の予告編が流れてましたけど、"同じ役者さんか?"と思えるぐらいのギャップがありすぎて、長澤まさみさんの演技の幅の広さを感じました。
その好感度を部分をバッサリ削ぎ落として、一切の共感が得られないのがある意味凄いんですよね。
新たな演技の新境地を開拓と言えば聞こえが良いけど、ここまでこの作品の為に強いるか?と思うぐらいです。
阿部サダヲさんの笑顔のダメダメなクズっぷりの演技も凄い。
何よりも周平役の奥平大兼さんが凄いです。
この作品からブレイクしていく雰囲気があって、今後が期待出来ます。
難点で言えば、阿部サダヲさん演じる遼が市役所役員の宇治田を階段から転げ落ちた時に刃物で刺した後がおざなりになり過ぎ。
児童相談所の職員が用意した仮の宿泊施設に遼が簡単に転がり込むのもなんか解せない。
そんなに施設のサポートってそんなにザルなのか?って思ってしまいます。
また、長澤まさみさんが綺麗過ぎるんですよね。
全てになげやりな感じで疲れた感じはあるんですが、どうにも綺麗過ぎ。
特にホームレス同様に野宿していた時ですら、まだまだ綺麗。
ポスター画像ではかなり疲れた30代後半から40代に見えますが、作中ではそうは見えない。
目でやさぐれた感じを醸し出しているのは流石なんですが綺麗過ぎるから、魅惑の悪女的にいろんな男性をたぶらかすんですが、どうにもそこには引っ掛かるんですよね。
そんなゲスっぷりの振り切りが凄い作品ですが、秋子を見ていて思うのは
どうしてこんなに他人に依存するんだろう?
どうして母親として子供をきちんと育てられないんだろう?
どうして掴みかけた立ち直る切っ掛けを簡単に捨ててしまうんだろう?
どうしてこんなに人として駄目なんだろう?
と言う事。
共依存と言う言葉が劇中にもありますが、それだけなんだろうか?
また単にネグレクトと言う言葉だけでは片付けられないんですよね。
子供が母親に依存するのは当たり前で母親が子供を思う事も当たり前だけど秋子は周平と冬華の事を思っているとは思えない。
単に自分の物と認識している子供を手放したくないだけ。
根本的に駄目で、自分ではどうすることも出来ない。
だから、周平も母が望んだ事ではあるけど、祖父母を殺害する事で自身が全ての罪を被り、そうする事で今の現状を打開し、母親と離れられる事を望んだのではないか?
正直このラスト辺りからは"こうならないで欲しかった"の連続で、祖父母を殺害する事を強要する事も、周平が祖父母を殺害する事も、周平に殺害を強要した事を否定する事もこうならないで欲しかった。
ラストの終わり方も"えっ?これで終わり??"と言うぐらいにあっさり。
…報われなさ過ぎ…
作品の煽り文で「感動の衝撃作」と書かれてましたが、正直全く感動はありません。
それどころか胸糞悪過ぎて、こんな母親がいるのか?とショックにぐらいのクズっぷり。
深読みをするとすれば、祖父母を殺害する事で、周平を自身から解き放つ事が出来るとも読めなくはないんですが、その方法を選んだのならもう人では無いんですよね。
どう考えても、秋子が周平と冬華の為を思ってやった事とは思えないし、そう解釈するにはあまりにも無理があり過ぎるんですよね。
何度も同じ言葉の繰り返しをする感想になりましたが、ここまで問題作とは思わなかった。
もう少しなにか希望の光が見えると思ってたんですが、違いましたね。
まぁいろんな意味で凄い作品でした。
作品の評価は長澤まさみさんの熱演と徹底した非道っぷりの振り切りで評価しました。
結構ガツンと来るので、正直あんまりお勧め出来ない感じではあります。
興味があられましたら、その辺りの心構えは持って観賞される事をお勧めします。
どの視点で観たらいいのか、分からなかった
シングルマザーの秋子は、小さな息子がいるが、すぐに行きずりの関係を持ち、夜でも子供に食料を買いに行かせ、時には自分の親や妹にカネを無心させに行かせる。
別れた夫からの養育費もパチンコに使ってしまう。ガスも電気も止まる。
内縁の夫ともケンカ別れし、住む場所も無く街をさまよう。身内からは絶縁される。
ようやく保護してもらっても、戻って来た内縁の夫の借金取りから逃げるため、また住む場所を失う。。。
保護してもらったときに、母親から逃げることが出来ると教えてもらっても、結局子供たちは母親に付いていく。17歳になった息子が、なぜそこまで母親の言うなりになるのか。そしてなぜ母親をかばうのか。。
刑務所(少年院?)に入った息子の答えは
『お母さんのことが、好きだから』
この言葉を別室で聞いた母親(長澤まさみ)は、その言葉にも心を動かされる様子は、ない。
母親の無表情のアップになり、映画は、終わる。
うーーーーーむ。
こんなに子供を愛せないことって、あるのか。
子供を学校に通わせることも出来ない。
息子は小学校すら卒業出来ていない。
愛情じゃなくて、支配と依存かな。
ビールダッシュ!!
・長澤さんの演技力に圧倒されました。
阿部さんも本当にスゴかった。
二人共に今までのイメージが払拭された感じを受けた。
・周平役の方も素晴らしいと思った。
あの握り拳のシーン…。きっとあの時に母のためなら、何でもするって決心したのでしょうね…。
・観終えた後も、ずっと考えさせられる余韻が残る作品です。
演者の迫真の演技は秀逸だが。。。
あの長澤まさみが、30代半ばの廃れた中肉中背の母親役を演じ、
阿部サダヲがド迫力のチンピラホストを演じる。
息子役の奥平大兼くん、そして子供時代の郡司翔くんなんかは
これからどういう俳優になるのだろうと楽しみになるくらい素晴らしい演技だった。
元ネタも社会派ヒューマンドラマにはもってこいの題材。
時系列なども含め、映画全体の展開も
下手に小細工をするのではなく、オーソドックスな筋書きで見易い。
しかし、作品を観終わった後、これほど重いテーマの映画なのに
特に考えることがなかった。
映画全編で全て言っていた気がした。
特にラストシーンの冒頭に出た
判決のテロップ。
これが本当にこの映画の最後に観る側が知りたかった事かなと疑問が残った。
さらに弁護士が面会のシーンで母親に言っていた
『あなたと息子さんは共依存』という言葉。
これは敢えて本編で言う言葉だったのかな。
2時間弱この映画を観ていれば、
この親子の関係性はわかっているし、
それをラストシーンで、
本当の言葉で出してほしくはなかったかな。
観た側が各々考えることが全部なくなってしまった感じがする。
うーん、個人的にはめちゃくちゃ良い題材と役者陣の演技なのに、
あと一つ物足りなかった感。
ただ観る価値は十分にある作品でした。
最後のシーンの息子のセリフ
働くこともせずだらしない母親とその息子と共依存の関係。お互いに自分なしでは生きていけないと思っている。長澤まさみくらいの魅力がないと最後まで観れないようなキツい展開。演じ切ってる長澤まさみの演技力はすばらしいと思う。最後に収監された面会室での息子のセリフが一番感動した。「僕は生まれてからずっとダメです。でも母親が好きです。これもダメですか?」
「MOTHER」というある意味、とてつもないモンスター。「私の産ん...
「MOTHER」というある意味、とてつもないモンスター。「私の産んだ子なんだから、どう育てようと私の勝手!」なんだと。その考えが子どもとの共依存と虐待につながっていく。周平、気づけよ!と何度も叫びたかった。あんな事件を起こすほどの共依存関係はあんなものじゃないはず。母親はなぜモンスターと化したのか。その背景的なことをもう少し描いて欲しかった。
役者さん達の演技力に引き込まれていく
実際にあった事件を題材として描かれている今作は、
その荒々しさを忠実にその再現できていると思う。
救いのない終わり方や何処までも息子を無意識に追い詰める母親
けれどそれがまた現実的で、特に途中のシーンで亜矢が蹴られている秋子を見て助け出せなかったのが胸にささった
助け出せるのはわずかな人間しかいない。そのことを強く学べた作品でした。
本当に事件を再現できている作品とは「子宮に沈める」や今作のようにバットエンドが普通なのかもしれない
魂を込めた演技で長澤まさみさんが母性を問う
長澤まさみさんが、この作品の母親を演じるにあたり、大きな覚悟を持って挑まれたであろう事が、スクリーンからもピリピリと伝わって来ました。
朗らかでユーモラスな役の多い阿部サダヲさんが、
ダーティーな役を熱演。この作品に凄みを添えて
いました。
弁護士と接見する長澤まさみさんの独白のシーンで、
涙がこみ上げました。心が荒み切った彼女の表情が強く心に刺さりました。
心に深く問いを投げかけるような作品で、制作に関わった皆さんの強い思いが伝わって来ました。
傍観するコディペンデンシー
作家性が強くって鑑賞者がフォーカスを絞りづらい
作品が近年、大森監督は続きましたが
河村光庸プロデューサーの方向性と
相性が良かったのでしょう。
シンプルかつ深い作品になっていると思いました。
自然界では環境に応じて繁殖におよびます。
でも環境が一変してしまった際には
母体が産んだばかりの幼体や卵細胞を
母体自身が生命維持のために摂取したりします。
細胞分裂して種を増やしたと思ったら
母体がさらなる活動のために
切り離した細胞を再度
取り込んだりすることもあります。
〈感情と思考を持っているのが人間です〉
ですのでこれらのケースを
人間に当てはめるのもどうかと思いましたが
一度“倫理観”を取り払わなければ
わたしは感想が思い浮かびませんでした。
そのぐらい見過ごせない、傍観できない作品でした。
〈社会というコロニーを形成しているのが人間です〉
多様な考え方のある社会のなかで
小さなコロニーが家族です。
家族にはいろんなかたちがあります。
家事と稼ぎ。役割の分担。共存と依存…
そしてひとつの家族は
ほかの家族を寄せ付けない雰囲気、
頼れない感じもあります。排他と自立…
個人に対しては好意的に接しようと思っても
その個人が身を寄せているコミュニティまでも
好意的に接しようとしたら、いろいろと面倒になって
結局傍観してやり過ごし
付き合いやすいコミュニティとだけ接するでしょう。
そこを自分の居場所と決めて…
〈限られた世界のなかで自分の居場所をつくる〉
わたしも両親の愛情を知らずに育ちましたが
代わりに血の繋がりにも負けない家族が
わたしを支えてくれて、愛情を注いでくれて
わたしの居場所をつくってくれました。
それでも記憶の薄れた両親の面影を
知らず知らずのうちに追ってしまいます。
今でも。
なかなか映画好きの方にしか触手が伸びない
辛辣な題材の作品ですが、観てほしい。
そして考える時間をわずかでも持ってほしい。
この作品で唯一の光、
夏帆さん演じる〈亜矢〉の存在があってこそ
この映画は救いあるべき作品だと思いました。
彼を哀れには思わない。
とにかく惨めなかわいそうな人たちがいっぱい出てきますが、主人公であるシュウヘイは一貫して純そのものでした。
ああいうどこにいても光が当たっているような人は、どこまで酷い目にあっても観ているこっちは安心してしまいます。懲役15年は大変に長い刑期ですが、残酷ですがこのくらい時間がないとあの母親の支配からは逃れられない、必要な時間だと思います。これは私の実際に現在服役中の友人と文通を通して感じたことですが、刑務所はとても有意義な勉強や運動を行える場所であるということです。もちろん反省が第一の目的なのでしょうが、それと同時に人をもう一度信じてチャンスを与える場所であるようです。シュウヘイは間違いなく刑務所で初めて本を読み、まともな教育を受けて仕事を身につけていくでしょう。そして母親の支配から離れて、悲しいことですが刑務所で真の精神的な自由を得るはずです。自分がどういう状態にあって、何をしたのか、考える時間はいくらでもあります。彼は自分を許し、人生をやり直せるはずです。私にとってもはやあのラストは救いに感じました。
というより、シュウヘイのような人間は大体どこへ行っても何とかなります。あのような人間が腐っていくのを人間は黙ってみておられないのです。映画の中でもどの状況でも彼には味方がいました。非常に不幸な境遇が重なり、あのような事件になりましたが、あれはどう考えても母親の洗脳のせいでしょう。何故適切な医療が裁判に反映されなかったのか不思議でなりません。
どちらかといえば母親の方が哀れに感じました。彼女はどんな状況でも満ち足りることなく現状を破壊し続けます。そうせずにはいられないのでしょう、彼女にも適切な医療が必要です。
どこへ行ってもどうにかなる主人公と、どこへ行っても上手くいかない母親の対比がとても胸に刺さりました。
長澤まさみさんは明らかの凄い演技でした。阿部サダヲさんもシュウヘイ役の方も、他の役の方たちも本当に素晴らしい演技でした。とても面白い映画でした。
最悪の気分になる…
最低の読後感(映画の場合なんていうか分からんけど)てやつですね。
自分の感覚から言えば、いくらでも助けの手が入ったのにそれを振り払って破滅に向かってしまうことに疑問を感じるが、教育の機会を奪い、他者が受け入れてくれないぞと脅し続けるとこうなってしまうのかな?とも思う。
そこら辺の腑に落ちなさをあえて描かないからこそ、上で書いたような観客にモヤモヤしたものを喚起する気持ち悪さを生むいい脚本だったと思う。
それは、ショウヘイの感情描写にも同じ事が言えて、敢えて無感情な演技を貫くことで、なんでそうなってしまったんだ、秋子切り捨てる事出来なかったのか?という葛藤を生む。
最後に祖父母殺しの罪を全て背負ったのは本当に『母親が好きだから』だったのか?
自分の中で生まれる感情や情動を上手く言葉にする術がなかった故ではないのか?裁判でそこに至るまでの生活をもっと踏み込んで調べたら本人が証言しなくても秋子を正犯として裁けたんではないのか?
という哀しさも感じる。
親は選べない?選んで生まれてくる?
幼少期の子供は何があっても母親が好きなのだ。悲しい顔をみたくないのである。それを操る母親。言う通りにさせて心の穴を埋めている。全く酷いマザーの話。
だかしかし、その母親もかつては子供。不安定な心や、大人になっても自立(働く)ができないのは、一見常識的なその母親(ババア)との関係に問題はなかったのかと考えてしまう。
生まれたばかりの赤ちゃんは純真無垢である。たまたまそこに生まれてしまったのである。
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