「切ない物語でした」MOTHER マザー h tさんの映画レビュー(感想・評価)
切ない物語でした
なんだか切ない物語でした。周平とふゆか(漢字分からないごめんなさい)の母親は間違いなく最低で処刑したいくらいの人間だった。周平もそれをわかってるはず。(ふゆかはとても小さいので母親が最低とかそういう感情がまだ分からないと思われる…)
周平は、自分の母親が最低だってことは十分すぎるほどに分かっているはずなのに、それでも母親への愛情の方が勝ってしまう。それは視聴者という第三者からすると「なんで…!?」という感情になった。でも、実際自分の母親がそのような人格の人だとしても案外周平のように受け入れてしまって結局母親を愛してしまうのかもしれないな、と思うと凄く怖くなりました。
感動する話では一切ないけれど第三者から見て辛いシーンが何個もあって結構泣いてしまった。
中でも私が印象深いシーンは前半、周平が元夫に会って「修学旅行に行きたいからお金を貸して欲しい」と母親に頼まれて言いに行くシーン。この映画に出てくる大人は正常な人もいたけど周平に対して心配して尽くしてくれた大人は元夫と施設のお姉さんだったのかな、思いました。元夫は少ししか出ていないけど、彼なりに心配してくれてたと思う。元夫は周平に「修学旅行のお金を貸して欲しい」と言われて少し考えたあと、「周平、お父さんの所来るか?」と優しく、心配した顔で問いかける。絶対に、100%、元夫について行った方が周平は生活も安定して充実した暮らしができるのに周平は「いや、お母さんの方が好きだから。」と真顔で答えた。そのシーンで号泣。第三者からしたら元夫が一緒にする提案をしたところで「周平、お願いだから元夫について行って!!その方がぜっったいに辛い思いしないよ?」とずっと心の中で願っていたが、お母さんを取ったシーンで周平、なんで……?という困惑とあんなに最低なのに、母への愛情が勝ってしまうのか…という驚き、そして元夫が思ったであろう、周平はそれでもあんな最低なあいつ(母親)を取るのか…という虚しい思いが重なってたくさん涙が出てきました。
胸糞悪いでもなく、ただただ切ない物語でした。