「胸糞悪い」MOTHER マザー U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
胸糞悪い
実際の事件に着想を得たとの事。
実際、ああいうケースばあるのだろうか?
俺の目線からすると異次元の話だ。
どんな理屈ならば、自分の人生や行動を肯定できるのだろうか?
「母親」というタイトル。
当然ながら子供への影響力は計り知れない。
私の勝手でしょと母は言う。
まぁそうだ。勝手ではないけど一存はされてるように思う。シングルならば尚更だ。
つまりは母親のモラルに依存する。
子供は子供で「愛されたい本能」があるかのようだった。その本能が満たされない内は、ずっと縋り付き求め続けていくように思う。
「愛されていない」を本能が拒絶し「どうすれば愛してもらえるのか」を終始模索してるようだ。
あり得る事なのだろう…。
極端な拡大解釈であって欲しいけど、作品の流れを見るにそんな事を考えてしまう。
そう言えば、冒頭の秋子も言ってた。
「妹ばっかり可愛がるから!」みたいな事を。
自分勝手な言い草だと思ってたけど、連鎖の中にはいるようで…そんな整合性に青ざめる。
端から見てると歪んでるのはよく分かる。
でもそれは、歪んでないモノを知ってるからだろう。比較できるモノがあるから。
ソレを知らないのなら順応していくしかないのだと思う。
コレも俺の見識の範囲の話だけれど、誰に向けて作られた話なのだろうか?
テーマは重く、社会に一石を投じるにたる作品だ。
でも、当事者達はきっと見れない。
今どうこうする話ではないのだろう…。
正常な道徳感で、この母親を否定できる価値観がある内に見ておく話なのだろう。
どこかの施設でカウンセリングに使う事もあるかもしれない。
手遅れになる前の予防線だろうか?
なんせ俺なんかは、こんな目に子供を合わせずに良かったと胸を撫で下ろす。
子供もそうだけど孫がそんな目に合わないように努めてもいきたいと思う。
正常な人が金払って観るべきかどうかは甚だ疑問だけども、必要な作品だと思う。