劇場公開日 2020年7月3日

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「マザー」MOTHER マザー ABCDさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5マザー

2020年12月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

信じられないが、周平は本当に母親のことが好きなのだろう。それは小さい頃から全く変わっていない。
お互いがお互いに依存している。母親を助けられるのは自分しかいないと感じている。洗脳ともまた違う気がする。

阿部さだお演じるリョウがキーパーソン。良い時に彼が現れて、また地獄の日々に戻る。秋子も彼に依存しているが故にその日々はもはや地獄ではない。

何人も助けてくれる良い人が出てきたのに、結局またもとに戻ってしまう。
特に亜矢は、視聴者が感情移入できる数少ない登場人物の1人。周平達を助けられなかったことで相当悔しかったはず。周平の殺人を知った時の亜矢の気持ちを考えるととても苦しい。

序盤なんども繰り返される、秋子が周平にお金を借りに行かせるシーン。これがまさか殺人のシーンの伏線とは。映画的な構成がすごい。

撮影方法が特徴的。カットが少なく長回し。遠目から引きで写していたと思ったら、いきなりドアップとか。
彼らのストーリーにすごく引き込まれた。

現実に、教育を受けたくても受けられない子どもがいることを知れる。彼らに対して、システム的にどうやって助けられるか。そういう人がいるだけじゃダメ。制度を作って助けられる環境を整えないと。
その意味でフリースクールのことはもっと掘り下げてほしかった感じもある。

『私の子どもなのだから、どうしようが私の勝手』という親に対して、私達は何をどうやって話す?

ABCD