「ぜんぶ「ダメ」」MOTHER マザー Miyuさんの映画レビュー(感想・評価)
ぜんぶ「ダメ」
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周平の最後に発した「お母さんを好きじゃ、ダメなんですかね」のセリフに涙が溢れました。
映画中盤まで、理解もしたくないしょうもない母親とあまりに悲惨な子供たち、幾度か手を差し伸べようとする人間が現れるにもかかわらず、低い方へ低い方へ、親子は下へ流れていく。正直同じことを繰り返しているし、馬鹿げてもいて、長いなと思ってしまう自分もいました。
しかし亜矢と面会するラストのシーンで、なぜこれほど丁寧に、同じことを繰り返す親子を描きあげたのかわかりました。周平の目は、サイテーな母親や救ってくれない社会を非難するではなく、ただ母を想う気持ちで、支配されていました。あの演技に胸が締め付けられる気持ちになりました。
先日見たグザヴィエドラン監督作品「マイマザー」で、「人には、母親に向かない人もいる」というセリフがありました。長澤まさみ演じる母親はまさにそれで、しかしそのことを自覚することは母親として屈辱的なことであり、そのような親のもとに生まれてしまった子供を救うにはどうすべきなのか、真剣に考えなければならないと思いました。
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