「あなたと周平君は共依存です。」MOTHER マザー 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
あなたと周平君は共依存です。
「あれは私の産んだ子なの。私の分身。」と母は言い、「僕は、お母さん、好きなんです。産まれてからずっと。」と息子は言う。それほど切っても切れない関係もないだろう。だけどそれは、けして美しくはない。いじらしくもない。むしろ、惨めで、みすぼらしい。それは貧乏だからではない。自立せず、他人や世間にすがる、すっれからしの母親の腐った性根をそう思うのだ。
病気や障害を持つ者にまで身体を動かして働け、とまで強要するつもりはないが、やはり基本は働かざる者食うべからず。ましてや、貧しさを、盗みや殺人の理由にすることは許されない。この母親なら特に、だ。長澤まさみを起用する通り、容姿見映えのする女ゆえの甘えがダラダラと滲みだしていた。監督も、致し方なく世間の底辺に落ちこぼれた、彼らにも言い分はある、とは描くつもりはないのでしょう。クズはしょせんクズ、という映画。
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