「愛情の形」MOTHER マザー ちゆうさんの映画レビュー(感想・評価)
愛情の形
犬は飼い主の良し悪しは選べない。
犬にとって飼い主は自分の全て、愛情を注ぐべき唯一無二の対象である。
そこに、理屈はない、極めて原始的な愛情で結ばれている。たとえ虐待と思えるような行動さえも犬には掛替えのない愛なんだ。
ある意味、周平君もそんな感じなのかもしれない。
何故、そこまで母に従順なのか?
疑問に思うかもしれないが、文化的な、知的な人間らしい側面に触れずに成長してしまった周平君には、そんな素朴な疑問さえわかなかったと言えまいか?
ただ母が好きだ、行動の動機なんてそれで充分だろう。
母には僕がいないと駄目なんだ。
懲役12年の代償なんてなんてことはないのだ。
大きな失望や喜びなんて、いろいろな経験を経て感じるものであって、母しかしらない周平君にはそういう感情はない。
ただ母が好きだ、それだけなんだ。
コメントする