「【自分勝手な”孟母(毒母)三遷”と幾つかの”共依存”が引き起こしてしまった哀しき出来事を、演者の方々が渾身の気合を込めて演じた作品。】」MOTHER マザー NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【自分勝手な”孟母(毒母)三遷”と幾つかの”共依存”が引き起こしてしまった哀しき出来事を、演者の方々が渾身の気合を込めて演じた作品。】
ー鑑賞中、秋子に共感する事は全くなかった。だが、私はこの2時間越えの作品を飽くことなく鑑賞した。-
■今作の不可思議な魅力
1.長澤まさみさんが、天真爛漫な笑顔を一切封印して演じた秋子の得体の知れぬ男を引き付ける身に纏う淫猥感と無気力な姿。
2.秋子と共依存関係になっていった軽重浮薄な男、りょうを演じた阿部サダヲさんの駄目男の存在。
3.彼らの理不尽な行い、指示に時に逆らいながらも”ビールダッシュ””ババアダッシュ”を健気に行う周平の幼き姿と少年になった姿。
何故、周平は秋子の理不尽な指示に従ったのか。
ラスト近くに周平から語られた一つ目の答えは余りに切ない・・。
<だが、その後に周平の口から出たもう一つの言葉には、参った。
彼の言葉を聞いた時、腑に落ちた。
周平は幼き時、父から”俺のところに来ないか”と言われても断り、秋子から理不尽な指示を受けても17年間従ってきたのだ・・。
”気骨ある男”は、いつでも母を想い守るのだ。守るべき価値のない母親であろうとも・・、許される事のない、罪を犯してでも守るのだ。周平の哀しい決意が、遣るせない・・。
ー以下、2020.7.5追記ー
今作は、哀しすぎる物語だが、”あるレビュアーの方のレビューを読み、確信したのですが” 今作は全ての演者の方々が与えられた役を、渾身の気合を込めて演じたからこそ、見応えがある作品になったのだと思いました。>
NOBUさん
みかずきです
本作、衝撃的な作品ですが、
子供にとって母親の存在は、唯一無二の絶対的で抗えないものだと改めて実感しました。
支配的な関係だけでなく、本作の終盤では、子供の母親への愛って、途轍もなく強いものだということの感じました。
善悪とか良否というレベルではなく、
業、性という言葉が妥当だと思います。
-以上-
NOBUさん、コメント有難うございます。
ちょっと強烈な映画でしたね。
秋子とリョウ以外の登場人物たちも、皆どこか正しくない面がありました。
周平くんの問いは、母親がまともじゃないことなんか解ってるよ…と言っているんだと感じました。