劇場公開日 2020年10月2日

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ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ : 特集

2021年2月8日更新

【大好評につきアンコール上映】 チャーミングな元大統領の素朴にして熱い日々に密着する、「ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ」をお届けします

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映画.comがセレクトした世界の名作を、オンライン上映会という形式で皆さまに直接お届けする試みは、昨年の11月からスタートし、2カ月間で計3回実施することができました。大好評につき、2021年も引き続き開催していきます。どうぞお楽しみに。

今回の映画は、日本人監督によるドキュメンタリーです。「世界一貧しい大統領」として有名になった、ウルグアイの元大統領ホセ・ムヒカに、日本のテレビディレクターが突撃取材するところから始まります。(構成・文/映画.com編集長 駒井尚文)


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「世界でいちばん貧しい大統領」が、初めて日本にやって来た!

この映画の主人公は、第40代のウルグアイ大統領ホセ・ムヒカです。絵本やテレビで見てご存知の方も多いと思います。

ムヒカが有名になったのは、2012年、リオデジャネイロで開催された国連持続可能開発会議で行ったスピーチがきっかけでした。「私たちは発展するために生まれてきているわけではありません! 幸せになるためにこの地球へやってきたのです!」と熱く語るその模様は「伝説のスピーチ」として世界中に報道されました。

そして、そのスピーチは日本で絵本にもなりました。さらには、本作を含む何本かの映画が生まれるきっかけにもなっています。

テレビ局のディレクターをしていた田部井一真は、ウルグアイを訪れ、ムヒカ大統領に直撃取材を敢行します。多くの取材陣がカメラを向けるなか、思いがけず田部井とそのクルーの前で立ち止まってくれて、日本について語ってくれたムヒカ。彼には、もともと日本との間に、ある繋がりがありました。

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片道36時間かけて、二度目のウルグアイ訪問を決行する田部井。小さな畑に面した自宅で、ワンオンワンの取材に応えてくれたあげく、「さあ、みんなで酒を飲もう」とラム酒をふるまうムヒカの姿は、世界中のどこの田舎にでもいそうなラブリーなお爺ちゃんです。

しかし、大統領を務めただけあって、ムヒカはただのお爺ちゃんではない。実は、とんでもないお爺ちゃんだった。

彼は、若い頃には左翼ゲリラとして活動し、逮捕・投獄の経験もあるバリバリの革命戦士だったのです。チェ・ゲバラとも親交があったというから本物です。大衆をアジるスピーチが上手いワケも、この経歴で理解です。

そんなムヒカを「日本に連れてくる」、そして「現在の日本の姿を見てもらう」というミッションを、田部井は成し遂げました。2016年4月、ムヒカとその妻は、日本を訪れ一週間ほど滞在しています。

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この映画は、田部井ディレクターがウルグアイで取材したムヒカ関連の映像と、日本に来て、各地を訪れるムヒカに密着した映像を一本にまとめたものです。田部井の初監督映画でもある。実は20年に、もう一本のムヒカ映画がありました。「黒猫・白猫」などの巨匠エミール・クストリッツァ監督がウルグアイを訪れて撮った「世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ」というのがそれです。

正直、この田部井監督バージョンは、昨今のドキュメンタリー映画のトレンドとは真逆で、ナレーション過多、説明も多い。ときおり、テレビ番組を見ているようにも感じます。

しかし、クストリッツァ監督バージョンと比較してみると、遙かにカタルシスは大きいし、作り手の気持ちが入っているのが分かります。田部井監督のパーソナルな物語にもなっていて、共感ポイントも多い。

残念なことに、20年10月、新型コロナの蔓延を理由に政界引退を発表したムヒカですが、この映画はそんな偉大な元大統領の足跡を知るのと、彼が残した日本人へのメッセージの記録として大変貴重です。白眉はやはりスピーチですね。ウイットに富みつつ、人を導き、考えることをうながす。

是非、多くの方に見ていただきたいと思います。

本作のアンコールオンライン上映会は、2月19日(金)17:00~2月21日(日)23:59。チケットは、2月18(木) 23:59まで購入可能です。料金は1500円。どうぞお楽しみに。


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