あの頃。のレビュー・感想・評価
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味のある役者陣のやりとりが徐々に癖になる
この映画には何か、若き頃に未知なる扉を押し開いたときに感じた部室臭のような空気が満ちている。それは懐かしさと共に酸っぱさすらこみ上げる記憶。歳を重ねて口にする機会は減っても、それでも、当時の仲間とならいつでもあの頃に戻って盛り上がれる。思い出して笑顔になれる。ハロプロ好きでもそうでない人でも、誰もがそういう記憶、場所、仲間に思い当たるところがあることを、じわじわと気づかされる作品だ。イベントで集う仲間は、各々が格別の芸達者ばかり。はじめはとっつきにくそうに思えても、幾度も場面を重ねていくことで、徐々に味が沁み出し癖になり、しまいにはこちらの方が「馴染みのあの感じ」を求めてしまうほど。また、今泉演出は決して感傷的になりすぎず、お涙頂戴にも陥らない。だからこそ、あの苦笑してしまうくらい掛け替えのない日々が輝きだす。いつもとガラリと違う個性を放つ松坂桃李、そして波に乗る仲野大賀の魅力も堪能した。
冨永昌敬脚本×今泉力哉監督にしては少々物足りないが
今泉監督作は大好きなものが多いので、鑑賞前の期待のハードルを上げすぎてしまったかも。本作では脚本を担当している冨永昌敬監督にしても、いつもならある種独特のモノローグで雰囲気を作りつつ物語を牽引するのだけれど、劔を演じる松坂桃李のモノローグはまあ割と普通のトーンで(もちろん今泉演出なので真似をする必要もないのだが)、何か少しずつ物足りない思いがした。
評者もバンド経験があるので、仲間と何かを一緒に追求したりだらだらと馬鹿みたいな時間を過ごしたりする感覚はよくわかるし(共感しすぎてつらくなる場面さえあった)、関心のない人から見たら価値がよくわからないことに夢中になれるのが青春なのかもな、と自分に重ねながら観ていた。
昨今のアイドル事情に疎いので、握手会の場面で登場するのが松浦亜弥本人?と一瞬思い、でも今こんなに若いはずないし…CGで若く見えるよう加工した?などと悩んだが、ハロプロの山崎夢羽さんというすごく良く似た子を起用したのですね。このキャスティングはなかなか憎い。
公開前の作品と比較して恐縮だが、4月公開予定の「街の上で」の方が今泉監督らしさがよく出ていて断然好き。「あの頃。」で劔とちょっといい感じになる中田青渚が、「街の上で」で印象的な関西弁の女の子役で好演している。
あほみたいな仲間たちと
いい仲間たち、大人になってからの第二の青春、小さな事件が巻き起こったり、馬鹿やったり。あの頃が一番楽しかったって懐古するのではなくて、日々いまが一番楽しいを更新していく。
前半コメディで後半急にしんみりな展開来てびっくりしたけど暗くなりすぎることもなく、笑いもちりばめられていた。コズミンはあの頃の曲を聴いて最期を迎えたんだなと最後にわかる演出とそのままエンドロールのがかなり涙を誘った。コズミンは決して良い奴ではなかったけど憎めないキャラだな、そしてコズミン演じる仲野大賀が適役だった。
ストーカーがつけた変なあだ名とコズミンとアールのあほみたいな本気の言い合いシーンがツボだった。
好きです、今泉監督作品
モーニング娘。、松浦亜弥、藤本美貴…ハロプロ全盛期は小学校高学年でした。成年オタではなかったけど、まさにその世代で、私はやぐっちゃん推しだった。親に壁掛けカレンダーとか買ってもらったり、写真カード集めたり交換したりしたなぁと懐かしくなった。観終わった後、ハロプロ聴きて〜!となったけど、Apple Musicでは配信していないんだね…悲。
ラストで泣いたと言うよりかは、エンドロールに入った途端に涙がほろりと溢れた。
劇中で何度か劔が言う。今が一番人生で楽しいときだ、と。今生きててそう感じられてないからか、その言葉は自然と自分への問いかけとなった。好きなこと、楽しみなことがあるっていいよね。それだけで人生が鮮やかになる。
青年オタたちが登場人物であるからか、時折の下ネタが気になるところではあるが、基本的にはとてもハートフルな物語で彼らの掛け合いにクスッとしてしまう。仲間っていいな。
☆☆☆★★ 原作未読。ほんの少しだけの感想。 自分!眼の玉見開いて...
☆☆☆★★
原作未読。ほんの少しだけの感想。
自分!眼の玉見開いて、よ〜見なや!
《 T H E 仲 野 太 賀 ワ ン マ ン シ ヨ ー 》
ネット弁慶や言うてからに、簡単に◯下◯してしまうんが痛いねん!
もうパリパリですやん!バリバリやのうてパリパリや〜!
…え?何でパリパリか? そんなん知らんがな!
いわゆる【オタク仲間】の強烈なる〝 仲間意識 〟 による群像劇。
映画では幾つかの男女関係が、この仲間達の中へ割って入って来るのだけど、必要無い…とは言わないが。それらが、この仲間意識の中に入って接着剤の様な役割になっていたとは…と言ったところ。
下世話な大阪弁が縦横無尽に飛び交うのは良かったのだけれど、この監督が描く会話のリズム感とはほんの少しズレている感が有った。
脚本が富永昌敬だけに、これまでの会話の空気感でリズムを生み出す今泉作品とはちょっとだけ違っていた気がする。
2021年2月20日 TOHOシネマズ日本橋/スクリーン8
ふーんまぁこういう奴らもいるんだ〜という日常系の内容で特筆する事は...
ふーんまぁこういう奴らもいるんだ〜という日常系の内容で特筆する事はない
実体験なのかフィクション混じりなのか分からないけど最後仲間がガンでしたというオチがいかにも創作っぽい
名曲サルビアの花
松坂桃李扮するあややファンのベーシスト劔樹人はうつろに部屋で歌っている時に友人が訪ねて来た。
冒頭、サルビアの花の歌唱が出て来てびっくり。コッキーポップ時代のあの名曲がこの映画で聴けるとは。ハロプロの応援が好きなみんなでバンド活動かな。あんまりまとまり無かったね。
脇役陣素晴らしい!!!!!
若葉竜也さんと山中崇さん、コカドケンタロウさん他、今泉さんの他の作品でもお見かけする脇役陣の瑞々しいことよ!!!!!!!!!!素晴らしく無いですか、これ。
大好きな演技ばっかりで、配信にかこつけて何度も見返してしまうシーンがあるほどです。
言わずもがな、仲野太賀さんの小気味良さが、こんな仲野太賀もずっとみたい!!見せてくれ!願うほどよかったですが、まあ、こうなるだろうという範囲で思い切りやってくれた感じではありました。ちょうど良すぎるような気もするけど、あのくらい少し物足りないが、ちょうど良いのかな…
主役も名のある俳優でとなるとこれくらいかな…とか、このくだりは必要だったかな…とか、端々に演出的に整理整頓が欲しいところと、その整頓されてないところの緩みの良さもあり、内容の割には予算が大きかったりしたのか、チグハグさを感じました。
俳優陣が言いたくなるセリフばかりだったのでは?と、演じるのが楽しくなるシナリオだっただろうな、それも雰囲気の良さになっていて良かったです。
とにかく、脇役陣の瑞々しい演技を見る作品だと思いました。
とても良かったです。
若い頃に観たら、良さは半分しか分からなかったかもしれない。エモい。涙が出てしまった。
心底アホな内輪ノリ、しょうもない揉め事満載のオタクたち。しかし大好きなアイドルでつながっている仲間たちとの日々はかけがえのないもので、永遠に続かないからこそ、振り返った時によりいっそうキラキラ輝いて見える。
完全に気を抜いて、生ぬるーく鑑賞していたのに、それは突然訪れる。仲野太賀演じるちょっとクセ強めのコズミンに、「嘘でしょ…」「頼む、冗談だと言ってくれ」「いつまでもそのまま、ずっとずっと面倒くさい奴でいてくれよ…!」と願わずにはいられなくなる。
病気が分かってからも、淡々と、かなり抑えて演出しているところが非常に好感度高かったです。悲劇的な音楽も流れないし、ドラマチックな効果音も無いけど、だからこそ余計にリアルで残酷。よく聞いていると、病気が判明する前に低いベースのリズムとシンバルの音がずーっと鳴っていて、ちゃんと引っかかるように(印象に残るように)なっている気がする。
最後の方、ベッドで看護師さんにイヤフォンを付け直してもらった後も、何か言ってますね。看護師さんにありがとうと言ったのか、皆んなといつも歌った曲を口ずさんでいるのか…
いい歳した大人が騒がしいのって、側で見てるとイタいのかもしれないけど、今生きてること。今が一番楽しいと思えること。それがどれだけ眩しいかを知ってる大人の視線が全体を通して感じられるので、決してイタい映画にはなってない。人生短いんだ。いつも楽しい!って感じていたい。そう思わせてくれる作品だった。
あと、松坂桃李の衣装が絶妙に計算され尽くしていた。ちゃんとダサいんだが、バランス良くてお洒落で小綺麗。自分が思っていたより最近の映画だったので納得。(そして真っ白いブリーフがあんなに似合う俳優が果たして他に居るだろうか笑)
どうでもいいが松坂桃李と山中崇が一緒に仕事してると、タイミング的にどうしても「V IV A NT」が頭をよぎるなぁ。
懐かしさはあるけれど
自分が求め過ぎなのか。様々なエピソードが重ねられる一方、驚く程蓄積されていかない。結果終盤の出来事にも淡々としか反応できない。
自分の中には今泉力哉に求めている種類のカタルシスというものがあるけれど、本作にはそれ(エンティティ(笑))が足りない。
いいなぁ
ハロープロジェクトのアイドルの追っかけとしての道を進む中で色んな人達出会う。
どの人達も癖のあるにキャラクターで役者それぞれの演技と共に自然と笑ってしまった。
多くの出会いや別れを繰り返して、成長して、大人になっていく。
そんな中で出会った中学生みたいな友達。
毎日自分の好きな事と向き合って、バカをやってそれがいい。
それでも時間は、止まってくれないから
何かの歯車になっていかないいけない。
良かったあの頃がある。
前半から後半にかけて物語がどんどんまとまっていく所にどんどん引き込まれてもう少し観たいなと思いました。
なんか、今が楽しくないとかこの先に何か期待してるとかそんな事を忘れてバカになりたいなと感じた。
とても好きな映画の一つになりました
2000年台初頭のあの頃と今。
冴えないベーシストの劔(つるぎ)が松浦亜弥のDVDを観たことでハロプロにのめり込み、共通の趣味を持つ仲間と共に青春を謳歌する話。
2000年台初頭のアイドルオタク達の活動をリアルに描写してて、没頭していく熱量というか圧が凄い。
ずっと同じまま活動していくことは出来ず、仲間たちも就職なんかで散り散りになって各々の生活を送っていく。
友人が病気になる展開は唐突だったけど、実際世の中、何があるか分からない。
一緒にバカ出来る仲間が居る、のめり込める好きなものがあるのはいいこと。
昔は楽しかったけど、今が一番楽しい。
過去のノスタルジーに浸るだけでなく、今の充実感に意識を向けることが大事と思わせてくれる映画でした。
くだらなさと強さと明るさ
何を描きたかったんだろうか?と思える映画だった。男同士の友情?なのかな。そういうのは、こうしたおちゃらけた笑いの中にあるんだろうし、感情豊でバカになりきれる男が愛されキャラになるんだろうなとあらためて思った次第で。
こうした仲間ってなかなかできるものではないので、羨ましいなと思う反面、大人になってしまうと、もうこうした仲間をつくるのは難しそう。愛されキャラの死というシリアスさえも笑いに振っていく元気さもあって、と。変わらない仲間。どんなことがあっても、映画の中で変わらない。そのくだらなさと強さ、明るさ。愛されキャラの死ということではなくて、みんな生きている中での変わらなさ、もっと、とことん、くだらなさを描いてほしかった。
んーー…イマイチ。
冒頭からなぜか入り込めない中、仲野太賀くんの演技でスルスルっと入り込む事が出来たが…
途中からテンポが悪くなった感じ。
役者達の演技も原作もいい。
演出と編集なのか…
なんか失速感…
人生の一部を切り取り、様々な出会いと別れが軸になると思うのだが、熱量?なんか足りなかった。
熱い友情にホロリと、
松坂桃李と仲野太賀のW主演!
かと、思うくらい仲野太賀が目立ってます。
愛の伝道師、今泉力哉監督が、男女の愛を封印して、
アイドルに夢中になる仲間たちを描いたコミック「あの頃、男子かしまし物語」原作・劔樹人の
映画です。
「ハロー!プロジェクト」
通称ハロプロ!と聞いて、なんじゃそれ!!状態だったワタクシ。
ハロプロは「つんく♂」プロデュースの女性アイドルの総称。
モーニング娘。が一番メジャーだが、うちらおばさんにしたら、
ほとんどマイナーなグループ(売れる前のアイドルに先鞭をつける?が、アリなのか?)
松坂桃李(劔君)はミュージシャン志望だが、大学院受験に失敗。
彼女も夢もないアルバイター。
ある日、ハロプロのオタク仲間に入れられて、アイドル「松浦亜弥推し」真っしぐら。
「あややに慰められ、あややに胸いっぱい」の日々を過ごすことに。
それで日常が充実するんだから「推し」最強ですね。
それがハロプロのコズミン(小泉=仲野)ら仲間と連む、はじまりでした。
みんな一様に善良な連中で、金なし、仕事なし、理想なし!!
まぁまぁ、ユルーイ映画です。
松坂桃李も素顔はこんな目立たない奴かも?と思わせるボーッと立ってるだけ。
それに引き換え、コズミンはネット弁慶の騒がしい男。
現実にコズミンは末期癌になって、その映画の重要なパーソンになります。
彼の七転八倒な人生。
彼を虐めイタブリつつ、愛する仲間たち。
「アイドル道」より、仲間たちの友情物語ですね。
ちょっぴり笑いあり、ちょっぴり涙あり。
賑やかだった「学園祭の終わった後」の寂しさを思い出す・・・そんな感じの映画でした。
アイドルオタクたちの青春。 大好きなものがあるってやっぱりいいなぁ...
アイドルオタクたちの青春。
大好きなものがあるってやっぱりいいなぁ。
大好きだと言える素敵さ、楽しさ。
そして、青春が終わり、社会へ出ていく寂しさと物足りなさとか。
くすっと笑える感がまたいい。
懐かしい想いになる映画でした。
全202件中、1~20件目を表示