「原作の熱い描写を表現するのは酷か」弱虫ペダル りんちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
原作の熱い描写を表現するのは酷か
86巻も続いている長寿マンガを実写映画化するとなると、なかなかハードルは高い。女性ファンも多いので、キャスト選びは慎重にしなければならない。
まずはストーリー。
小野田くんの入部から始まり、ウェルカムレースを経て、インターハイ県予選で締める。
なるほど県予選なら、原作もあっさりしてただけに自由に改変できるわけだ。
しかし全国大会をやらないから、箱根学園も当然出てこないし、みんな大好き御堂筋くんも出てこない。
だから今泉のトラウマもイマイチになる。
それどころか、魅力ある敵キャラは一切出てこない。というか敵キャラいたっけ?
他に目立つ改変点といえば、まずは青八木と手嶋がいない。まあその二人出したら合宿編やることになり、そんな尺はないから仕方ない。
あと、寒咲さんのお兄さんと総北の監督が融合した存在になってる。これは残念。寒咲さんのキャストはカッコ良さそうだったのに。
巻島さんと小野田くんのエピソードが薄く、奇妙なダンシングもない。まあ再現は無理か。
というか、金城も田所も鳴子でさえも、もはや空気である。
県予選の展開は、インターハイ初日の展開を複合したものになっている。
全体的にまとめると、圧倒的に尺足らず。次回作も無さそうだし、原作ファンを満足させられるには高いハードルだった。
だが、その中でも橋本環奈の存在感は凄い。原作でも可愛いキャラの寒咲さんは、映画版の方が映えていると言ってもよい。
映画監督たちがこぞって彼女を使う理由も頷ける。
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