エルヴィスのレビュー・感想・評価
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ロックンロールの始まりの人でKing of Rock 'n' Ro...
ロックンロールの始まりの人でKing of Rock 'n' Roll、エルヴィスプレスリーの伝記映画。
前評判が高い作品で、公開初日の今日(2022年7月1日)、有楽町丸の内ピカデリーのドルビーシアターの第1回目の回に行ってきました。
平日(金曜)の午前中というのもあって、お客様の年齢層が60代~70代のシニア層が多いか
なという印象でした。エルヴィスプレスリーのファンの世代だから…ということもあるのでしょうが、アロハやプレスリーTシャツで来場されていらしたり、上映前から(エルヴィスを満喫しようぜ!Rock 'n' Roll)なムードでした。
エルヴィスプレスリーは私が生まれた時にはすでに大スターでした。日本でも彼の曲は大ヒットしてたし、お笑い番組では芸人さんが盛んにプレスリーの物まねをしていました。
1977年8月16日は彼の死が報じられて、 世界に衝撃が走りました。その後、悲劇的な人生について盛んに報道されたので、-私も晩年はラスベガスのホテルでショーをやっていて、そのまま死んだ、人気が出過ぎて表に出れなくなって太って、薬を多用して、急に死んだというのは覚えていましたが、こんな話だったなんて!!
が、この映画、主役のプレスリーを演じたオースティンバトラーさんが最高にCUTE!
それで、すべて救われます。
なんというか、乙女心をわしづかみにしてしまうBOYで、スクリーンに出てくる彼の一挙手一投足に、胸がキュンキュンさせられます。
まだ若くて甘いマスクの彼のあどけない表情。やわらかくて癒されてしまう声質。それでささやくように歌うラブソング、一転して青春の雄叫び、体の芯から動き出す、震えるようなダンス。
震える声。
ホンモノのエルヴィスも、スターダムに乗った若い頃、オースティンバトラーさんのように本当に本当にCUTEなBOYだったんだろうなあと、想像したり、エルビスに恋をする当時のファンの気持ちを追体験しました。
バズラーマン監督作品なので、ひねった趣向がある作品なのかな? と予想していたのですが、きちんと描がかれた作品でした。
ただ、この作品では単純に下半身の動きで女性が狂ったように彼にヘロヘロになっていくかのように描いており、(この表現はちょっと違うんじゃ?)と思ったので、私的にはこの作品の減点ポイントになりました。当時は黒人のR&Bは細かい複雑なリズムを刻んでいるという理解がなくて、ただ「腰をふってる」という理解のされ方をされたのかもしれませんが、それってスポーツ選手を性的対象として写真をとりまくる人の感覚に近い認識だと思います。
そこに男性の認識している性と女性の認識する性の認識の違いを感じました。
若い女子ウケする男性のセクシーさというのは、清潔感やCUTEさがないと成立しないと思います。ジャニー喜多川さんがご存命だったら、うまく解説してくださるところなんでしょうけれども、だからこそ、私からみてCUTEなオースティンバトラーさんの起用で「プレスリー」というスターが誕生する必然が描けていたと感じた次第です。
あと、この作品、最高だった点はR&Bとゴスペルをプレスリーの原点としてしっかりと描いているところです。
この作品は、がっつりとブラックミュージックを愛したプレスリーの話で、ブラックミュージックを愛する方にお勧めです。
また、この作品は親代わりでもあった老獪マネージャーとの共依存関係が、上手に描かれています。また「親ガチャ」に苦しむ若者の話でもあるし、いろいろ考えさせられるところが多かったです。
悪くないがもう少し盛り上りが欲しい
伝記物としては無難な仕上がり。ただもう少し売れるまでの生い立ちと過程を丁寧に描いても良かったと思う。どちらかと言うと売れてからの苦悩にクローズアップしているが、似たような展開の繰り返しで少し飽きる。もう少しメリハリつけてエピソードを絞っても良い。トムハンクスの役作りは相変わらず凄いけど、中心的な役所ながらトムハンクスには勿体無い。
バズ・ラーマンとエルヴィスのベストマッチ
伝記映画だから、期待しないで鑑賞。
ムーランルージュ以降のラーマン作品も宜しくなかったから!
BUT‼️
相性が良かったのか、時間が気にならず楽しめた。
大佐役がトム・ハンクスじゃなきゃ、もっと、楽しめたと思う。ハンクスじゃ憎めないでしょ!
とても良い映画です。もっと人種差別反対を唱えても良かった。
『エルヴィス』観ました。正直言って「とてもよかった」です。素晴らしい映画を観たと言う感じがします。監督は脚色のプロ、バズ・ラーマンですから、過去の彼の作品同様かなり思い切った脚色があるかと思いました。
しかしながら割とエルビスの人生をそのまま映し取っているように感じまし
大胆な脚色はなかったように思われます。主役はエルプスではなく、エルヴィスのマネージャーだったパーカー大佐です。エルヴィスのような大スターには必ず悪徳マネージャが登場してきます。クイーン、エルトン・ジョンも同様に悪徳マネージャーに搾取されました。
特に薬物を盛られる場面は胸を痛めてしまいます。アーティストを扱った映画のほとんどは酒・薬物に溺れて、身を滅ぼしていく結末が多いからです。
音楽もとても良かったです。エルビスの楽曲も流れますし、エルビスが影響受けたであろうアーティストたちが登場しました。
そして1番心を寄せたのは、エルヴィスが黒人たちと同じように貧しい環境で育ち、ゴスペロの心を持っていたと言うことです。映画ではそれほど強く描かれていませんでしたが、エルヴィスは人種差別に反対していた人物だと思います。その点をもう少しアピールすればいい映画になったのではないでしょうか。
『運だぜ!アート』のluckygenderでした
エルヴィスはブラックミュージックを心から愛していた
僕が外国のポップミュージックに興味を持ち始めた頃(小学校高学年だよ)、かつてスーパースターだったエルヴィスが「サスピシャスマインド」「この胸のときめきを」(これは日本でも大ヒットした)とヒット曲を連発し復活を遂げ、さらにラスベガスのライブ「エルヴィスオンステージ」のド派手な衣装とパフォーマンスで大絶賛を浴び、まさにロックミュージックの生きる伝説となったところでした。しかし、この復活も何年かするとドーナツの食べ過ぎ(都市伝説?)による肥満が噂され若くして亡くなってしまった。これが僕のリアルなエルヴィス体験である。
この頃僕はマーヴィン・ゲイ、テンプテーションズ、ジャクソン5が好きになり、特にエルヴィスには興味はなかったのだが、黒人音楽を取り入れて人気を得たということは知っていた。模倣?流用?なんて思っていたが、エルヴィスの音楽は単なる模倣ではなく、その出自から始まり心からのブラックミュージックへの愛情から来たものだということがわかりすごーく感激してしまった。
当局からエルヴィスの黒人的なパフォーマンス(白人を貶める、性的で猥褻などという戯言)を止められたにもかかわらず、友人であるブルースの神様B.B.キングの助言もあり、自らのスタイルを貫き通し逮捕された下りでは不覚にも涙がこぼれてしまった。エルヴィスって凄いんだ(何を今さら)。
エルヴィスが世間に見つかってしまった冒頭のステージ、自らの思いを貫き禁じられたダンスパフォーマンスをするステージ、低迷から復活を遂げたステージ、この3つのステージ(そこに至った背景とオーディエンスの熱狂ぶりを含む)を観られただけで星5つ、大満足である(-0.5は終盤のマネージャーとのごたごた)。リトル・リチャードみたいな歌手(あの人リトル・リチャードだよね)が出てたのも感動もん。50年代のブラックミュージックを感じられたのも良かった。観て良かったなあ。エルヴィスをもう一度聞き直してみよう。
映画「ボヘミアン・ラプソディー」もそうだったけど史実を弄っているのだろうが、野暮なことは言うまい。観るものを感動させるラーマン監督の手腕を褒めておこう。
期待しすぎました
もっと面白く出来ただろう!
って思いながら観てました。
俳優はすごく良かったと思いましたが
演出、選曲にセンスが感じられなかった
YouTubeで観れるエルヴィスよりカッコいいエルヴィスは観れなかったかな(後半ほど似てくる感じでした)
実は4時間バージョンもある!なんてニュースを見ましたが、映画館では観れないと思いました。
Blu-rayの特典でみれたら嬉しいかな
どっぷりエルヴィス
エルヴィスの人生がよく分かった。短命だが輝いた人生だったのかも。葛藤しながらも好きなようにやり遂げたんじゃないかな。
マネージャーの爺さんは強者だった。
歌が沢山聴けて良かった。
愛さずにはいられないはもっと長くフルで聴きたかった。
ちょっと長かったかな。
超えられない壁
あの「ボヘミアン・ラプソディ」は名作だったと思い知らされます
同じ様な題材でここまで出来が違うとは、、、
エルビス・プレスリーの楽曲を期待してもなかなかまともに流さない
エンドロールでさえもエルビスがうたっていない、アレンジされたものだった
「I can't help falling love with you」が、様々な場面で様々なアレンジで流れるが、気付くことができればより楽しめるかも
ちなみに、ボヘミアン・ラプソディではピアノの上にあったのはペプシ、エルヴィスでは・・・
承認欲求の代償と隷属
面白かった。
悪く言えばボヘミアンラプソディの二番煎じ、良く言えば全て描き切ったボヘミアンラプソディ。
この物語は奴隷のように使われる労働者は、案外その立場に理解と納得してしまっているというジレンマをテーマにしていると思うのだが、おそらく監督が推したいのは承認欲求だろう。
初めは母親にピンクのキャデラックをプレゼントをしたいという夢を持つ好青年がスターになった時何を望んでいくのか。
栄光と挫折の連続。
映画化する上ではうってつけの人生を歩んできたエルヴィスだが、映画の題材上どうしても比較されてしまうクイーンと違う点、
というよりどうしても劣ってしまう点は、ロックスターの原点が故、時代が遡りすぎるが故、現代人が誰でも知っている曲というものが少ないところにある。
この手の映画はどれだけ主人公が作った曲を知っているかが楽しむために重要になる。
気づかぬ間に知っていたという曲が目の前のスクリーンに映し出されるキャラクターをよりスターたらしめるからだ。
そのアドバンテージがあまりにもあるクイーンをあのような完璧な脚本で見せつけたのだから、比較されてしまえばどうということもない映画なのだが、
より人間らしく、栄光から没落までを主観と客観を織り交ぜながら描いたこの作品にも意義は大いにある。
何よりの理由はエルヴィスという人間をこの映画で知れたからである。
個人的な満足度は5200円ほど。
知ってるけど知らなかったスター
名前も顔もよく知ってるが、世代的に
どんな活躍したのか、どんな死に方したのか
など知らなかったスター。
かっこよかった。改めて曲を聴きたくなった。
細い頃のエルヴィスはかっこよかったんだろうな。
太いのしかみたことなかった。ほぼ。
大スターの恍惚と葛藤。
面白かったです。
中途半端なメルヘン
キチンとやるならそれなりに汚いところも見せるべきだと思うし音楽だってもっと全面に出して行くべき。
なんだってエルビスプレスリーだよ!
リサとか居なくても全然問題無かったと。
大佐が悪者役なのは間違いないんだけど完全なヒールでもない…
そりゃ太ったエルビスなんて美しくないし?スマートなほうが画にもなる。
昔の映像絡めるにしてもあまり上手では無いし当時の世相を絡めるに手法も…(凄い変革期だったのは間違いないけど)
あれだけ偉大なエルビスなんだからこの際汚いところには完全に蓋してもらいたかったです。
ミュージカルやるくらいに崩してほしかった。
期待していたのですが…
ビートルズもそのうち映画化されるんだろうからエルビスの家に遊びに行くシーン入れてほしかったな(無理だろうけど絶対楽しそう)
1972年、米国ラスベガス。 4年目のショウを行っていたエルヴィス...
1972年、米国ラスベガス。
4年目のショウを行っていたエルヴィス・プレスリー(オースティン・バトラー)は開幕直前に倒れてしまう。
が、マネージャーのトム・パーカー大佐(トム・ハンクス)は、主治医に薬を打たせ、エルヴィスはステージに立つ。
「エルヴィスを殺したのは俺じゃない!」と十数年後、ラスベガスの病院のベッドに横たわるパーカー大佐は夢の中で叫ぶ。
「そうだ、エルヴィスを世に出したのは俺だ。あれは53年の夏だった・・・」とパーカー大佐は回想する・・・
といったところからはじまる映画で、冒頭の15分ほどのあらすじを書いたわけだが、書いたのには理由がある。
とにかく、エルヴィスとパーカー大佐が出逢うまでの時制がコロコロ入れ替わり、さらには画面分割の手法まで使っているので、すんなりと映画に入っていけない。
「あれは53年の夏だった・・・」の後に、カーニヴァル育ちのパーカー大佐のエンタテインメント哲学や回想があり、
ファーストステージ直前に震えるエルヴィスの後ろ姿に、彼の生い立ちをコミック風にクロスカッティングし、
ステージにおける観客の戸惑いと熱狂のスローモーション、と続いていく。
「万華鏡のような演出」といえば聞こえがいいが、ごった煮のような演出で、エルヴィスに関心がなければ、まぁ、このあたりで寝落ちするでしょう。
(実際、隣席の婦人は寝落ちしていました)
ということで、エルヴィスにそれほど関心がないわたしは(わたしが知っているプレスリーは晩年のブクブクに太った姿だけなので)、いやはやどうしたものかといったところ。
ですが、観進めると結構面白い。
というのも、エルヴィス・プレスリーの音楽人生再現映画ではなく、「エルヴィスを通して観た米国暗黒歴史」映画だったからで、キリスト教的偏見と白人至上主義が色濃く残る(つまり黒人差別)50~60年代を毒々しく描いているからで、雰囲気的にはアメリカン・ニューシネマ的、映画でいうとジョン・シュレシンジャー監督『イナゴの日』、ロバート・アルトマン監督『ナッシュビル』を思い出しました。
その上、パーカー大佐の出自が、第一次大戦の脱走兵、グリーンカードのない不法移民というあたりも、移民に苦しむ米国の姿が投影されており、興味深い。
肝心の音楽シーンなのだが、これはあまりいただけない。
『ムーラン・ルージュ』などでみせたバズ・ラーマン得意の細切れ演出で、ダイナミズムを殺いだ感じ。
1曲1曲たっぷりと聞かせてほしいんだけれど、そこいらあたりはフラストレーションが溜まる。
おおお、と感動するのは、最後の最後に登場する本人歌唱の「アンチェインド・メロディ」。
これは圧巻。
また、「好きにならずにいられない(Can’t Help Falling in Love)」が編曲されて繰り返し繰り返し劇伴として使われているのも好ましいです。
『エルヴィス』
試写会にて鑑賞。
元々監督のバス・ラーマンの作品が好きで、今作も場面転換や挿入歌、彩色などバスらしさが満載で心が躍った。
エルヴィス役のオースティン・バトラーも歌声も見た目もそのままエルヴィスだった。
トム・ハンクスの演技は言わずとも素晴らしく、なんとも言えない嫌らしさが絶妙。
衣装も素敵なので注目必須。
おススメです!
「ボヘミアン ラプソディ」のヒット以降乱発される音楽映画。一定の水準に達していないのも多々見られますがこれは大成功!
昔はプレスリー!プレスリー!言うてましたが、今はエルヴィスなんですなぁ。この映画、ミュージカルではなくちゃんと音楽映画です。突然歌いだしたりしないので安心してください。バズ・ラーマンの凝った編集は、要所要所でテンポをら生み出すので2時間半有りますが全く飽きないエンターテイメント作品に仕上がりました!
マネージャーから見たエルヴィスからスタートしますが視点はどんどん変わるので飽きません。
主人公を演じる俳優さんのエルヴィスは、声の出し方や動きもそのまんまで良かったです。若い頃はちゃんとかっこよくて後半のサングラスにお腹が出ちゃったプレスリーは、今の時代に見てもダサい。でも、それを全力で見せちゃうところがかっこいい!ビジーフォーのモノマネの意味が分かりました。
所々当時の時代背景も分かるのでそれがエルヴィスにどんな影響を及ぼしたのかとか、エルヴィスの苦悩のキチンと描いているあたりアーティストであり、いかに彼の存在が世の中で革命的だってのかも理解できます。そして一番の話の中心は口の達者な曲者マネージャーの存在で彼を成功に導きますがその存在がいい意味でも悪い意味でも影響を及ぼし、やがては悲劇を生んでゆくのです。嗚呼。マジ、トムハンクスがムカつきます。
エルヴィスの曲は知ってても生き様を知らなかったのでとても立体的に知れて勉強になりました。
後半のライブシーンは圧巻!
おススメです。
加山雄三さんがライブの引退を発表された今年、
なんの因果か、公開される大スターの物語、
しっかり受け止めたい!
主役は大佐かも
試写会で拝見。
華やかなショーの世界のドロドロした裏側を描くのは、さすが『華麗なるギャツビー』のバズ・ラーマン監督。
プレスリーの幼少期(1949〜1950)と、デビューの1955〜亡くなる1977年の、政治、世相、風族を映すアメリカ史の側面もありつつ。
歌のシーンはかなりのパフォーマンス。
自分はジャケットなどの写真ではともかく、動きある映像では、薬漬けでブヨブヨ中年のビジュアルでしかプレスリーを知らなかったので、若い頃のイメージで配役されたであろうオースティン・バトラーがどれだけ似ているかはわからないものの。
元マネージャーのトム・パーカーの回想の形で物語は進む中で、トム・ハンクスの怪演が濃すぎる。
だから、歌やステージはともかく、あまりプレスリー個人のパーソナリティが記憶に残らないのだ。
主役はトム・ハンクスだと思いました。
ただし、最後の最後にプレスリーの生前のライブ画像がそのまま使われていて、そのトム・ハンクスも薄まるほど、すべてを持ってっちゃうんですよ。
本物の迫力に勝るものなし。
最高!
華やかなバズ・ラーマン監督ワールド全開で期待を裏切りません!エルヴィス&彼の音楽のルーツとなるゴスペルやブルースなど、とにかく音楽シーンがカッコ良いです。ストーリーは、「全てを手に入れた大スターの物語」なのに、なぜか始終「痛み」を感じる様な雰囲気が印象的でした。
真の意味での“信用できない語り手”
まずはエルヴィス役のオースティン・バトラーに拍手。容姿は似ていないが声質や仕草がかなり本人に寄せている。エルヴィスのモノマネは一歩間違えたらギャグになりがちだけど、そう感じさせないギリギリのラインを保っていた。
そしてトム・パーカー大佐をトム・ハンクスが演じると聞いて、本作は彼をストーリーテラーにして進むんだろうなと思っていたが、案の定その通り。エルヴィスの晩年は様々なメディアや検証本などで語られているが、本作では“信用できない語り手”をパーカーにする事で、エルヴィスとの関係性にサスペンス性を高めている。「誰が彼を殺したのか」と宣伝コピーにあるのも、そういった要素を意識したと思われる。
ただ、そうした煽りが逆効果になってしまった感ありで、パーカーが考察した(というか脚本&監督のバズ・ラーマンが)エルヴィスの死亡要因がイマイチ呑み込めない。主役はエルヴィスだが、陰の主役といえるパーカーの出自や人物像なども掘り下げて欲しかったところ。多分これがエルヴィス視点での伝記ものだったら、母親への愛情をメインに描いていたんだろうなあ。
ただ、エルヴィスの熱唱シーンはさすがラーマン。特に「サスピシャス・マインド」の使い方には唸らされた。
にしてもトム・ハンクスはイイ人役や独りぼっちになる役が多いけど、『クラウド アトラス』でも見せた狡猾な役も上手い。
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