「アイノカタチ」エルヴィス サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
アイノカタチ
まぁ、好きですねアメリカは。此処ぞとばかりにミュージシャン伝記映画を作りますな。大好きなんですけど。今回のエルヴィス。世代では無いのでほとんど詳細は知りませんが、音楽史において大きな名を残した偉大なる人物ということで、鑑賞。せっかくなら映画館で〜です。期待は半々ぐらいだったけど、かなりよく出来てました。
何が面白いかって、伝記映画とは思えないくらいストーリーが壮絶で骨太なんですよね。
本作は、エルヴィス・プレスリーとそのプロデューサーであるトム・パーカーの2人を追った作品。それもあって、かなり濃密で見応えがあります。
その2人で起こる出来事が、これ本当に現実で起こったの?レベルで衝撃的。エルヴィスのことを何も知らなくとも、グイグイ引き込まれてしまいました。こんな人生、頭おかしくなっちゃいそう。
そして何より、テンポが超絶いい。が故に、手荒になっていて駆け足になっているのは少し残念。結構話がぶっ飛ぶから、心情の変化とか活躍度、人気具合があまり描けていない。伝記映画というよりも音楽映画として重点が置いている気がした。伝記映画を見に来たという意識が強かった私にとっては少し不満だったが、それでも、走り出したら止まらないテンポの良さのおかげで、158分という長い尺を感じさせず、余すことなく楽しませてくれました。
「魅せ方」を非常に拘っている本作。
煌びやかで美しく、華麗で魅力的な演出に心奪われます。テンポの良さと通じる部分が、場面切り替えの演出。オシャレを存分に詰め込んでいます。エルヴィス・プレスリーという人物が世間にどれほどの衝撃を受けたのか、これが画面越しでも分かるほど最高の演出で魅せてくれます。この人の人生は愛でいっぱい。音楽への愛、妻への愛、娘への愛、ファンへの愛、そして自分自身への愛。その異常なまでの愛に漬け込んだのが、トム・パーカー。このプロデューサーも異常な愛の持ち主です。...えげつない。
もちろん、音楽のカッコ良さも凄まじい。
欲求的な話ではないが、拍手をするとか歓声を上げるとかそんなレベルではなく、叫びたくなるような音楽だというのは十分にわかる。轟音上映とかで見たかったな。そして、エルヴィスを演じたオースティン・バトラー、パーカーを演じたトム・ハンクス共にとんでもない演技。もうこれに関しては、見てからお確かめ下さいとしか言いようがないんだけど、本当に完璧に良かったです。ナイス配役。
不満点が強く残ってしまったので、★4.5寄りの★4.0で。個人的にはボヘミアン・ラプソディより好きでした。最高の音楽映画。ケネディ射殺事件を通して、そして今回の射殺事件を通して、こういう時だからこそ音楽だと。勇気と希望の光を与えるのは、いつだって音楽なんだから。
コレが「バズ・ラーマン」監督ですから・・作り込みが半端ないです。エルヴィスの「高カロリー食べ物」への執着心も半端なかった模様です。余計なことすみません。激しく共感です❗️