THE BATMAN ザ・バットマンのレビュー・感想・評価
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儚さと憂い
他の方が書かれていないところ(字幕不足など補足)
今年68本目(合計341本目/今月(2022年3月度)10本目)。
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(3/15 22:30 わかりにくいところを追加)
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観た方もこれから観られる方も、この映画は要は「リドラー」との「なぞなぞ対決」的な部分はあり、それらの話をし始めると一気にネタバレになるので、そこがわかりにくいだの何だのという部分はカットします(日本の「なぞなぞ」とはやや違うが、文化的に類推できる範囲です)。
私自身はこの映画は原作からは観ていませんが、初めての方も入れるように配慮はあります。ただその分、他の方も書かれていた通り、3時間とかなり長く、今週(11日~の週)はこれが大本命枠になると思うのですが、3時間を長いと取るか「初めての方も考慮した」と考えるかは微妙なところです。
個人的に気になったのは字幕の翻訳不足で、この点が本質的に映画の理解につながる重要な点なのですが、ここが抜けているため、かなりの語彙・文法(実は「文法」のほうが重要。下記にて)が求められます。また、一見翻訳されていない語も後からは出るものもありますが、正直、準1~1級レベルの単語をホイホイ出してきますので(しかも、出る単語の分野は理系文系問わずバラバラ)、「字幕は後から出る」(出ないものもある、後述)と考えたほうが良いです。
本映画に関しては結局のところ、そういう「英語がわかる方は気にする論点」はあるとしても、実質は「ファンサービス枠」と考えるのが妥当で、その限りではリドラーの「なぞなぞ」なども意味不明になっていませんし(日本の文化からでも理解可能なように配慮されている)、そこまで大きな傷はなく、今週の大本命枠になるかな…と思います。
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(減点0.3) 主人公含め、色々な方とのやり取りの行方はテレビ(もっとも、架空のものでしょうが)で流れますが、ここの翻訳不足が結構あります(中には、まったくないものもあり、これが非常に難しい)。しかもストーリーの一つの核となる部分であり、語彙よりも英検よりの文法的な知識を持っていないと「何がなんだか不明」(字幕どころか、元の映画自体の英文法のミスのようにさえ見える)な状況が発生するところがあります。
▼ 「リドラーが言うには、(この仕掛けで)動画の再生回数が1000万回を超えた」という趣旨の字幕
・ この部分(全体で60%あたりの部分かな?)。テレビの字幕で出るところですが、日本語字幕なしの状況。
ここで使われている動詞は、中学1年でも習う超基礎動詞の go です。しかし、 go は自動詞なので、目的語を取れません(同族目的語などの論点除く)。同じ理由でthat節もとれません。
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★追記★ 自動詞の同族目的語とは?
dream「夢を見る」は自動詞ですので、目的語を取れません。しかし「良い夢を見る」のように、「動詞と縁のあるものに限って目的語を取り、一時的に他動詞化する現象」があります(dream a good dream)。このような自動詞の他動詞化を「同族他動詞」といいます。
日本語では「歌を歌う」のようなケースを想定すると、わかりやすいです。
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しかし、そのあと、that自体は省略でき(that節のthat自体は大半で省略可能です)、そのあとにS+Vの完全な文があるので、ここのthatは関係代名詞ではありません。
実は go には「~が言うには」という意味の他動詞用法があり、その限りにおいて他動詞用法です(that節を取りますし、that自体も省略可能)。ただ、動詞 go の他動詞用法自体が非常にマニアですし(「言う」だけなら、thinkやsay 、tellでも可能)、このthatも省略されている(基本的に英語ではthatは、that節でも関係代名詞でも(目的格なら)省略可能)ため、このgo の他動詞用法がわからないと字幕の翻訳不足もあり、何がなんだかわからない(かつ、動画再生の話はストーリーの一部にかかわってくる)ところが明確にあり、ここは不親切かな…とは思えます(このあと、動画の話になるが、「何度も再生されてうれしいだろ」とか挑発してくるシーンのセリフが意味不明になる)。
※ なお、英字新聞やニュースの見出し、速報など「可読性」が求められるものでは、「過去形のことでも現在形で書く」というルールがあるので、wentにはなりません(goか、三単現のsがつく goes が正しい)。
※ また、think「思う」を頂点にする「~を思う、言う、論じる」などの「思考動詞」(言うことも「言論・思想」の一つです)は、that節を基本的に取ります。動詞go もその例外ではありません。
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実はこれらのことを知らないとハマリ現象が発生する部分があったりします。
人間味あふれるバットマン
ハードルの高さにしては健闘した方かな
ダークナイトトリロジーの伝説的な評価の高さ。
皮肉にもDCEUという失態が更にそれを加速させていた。
それ故にもはや世界一と言っても過言ではない程に上がりきった"バットマン"という名のハードルを課されたにしては、よく健闘した方かなと思いました。
良かった点は、俳優さん達の演技。
もちろん吹替え声優さんを含めてです。
全員素晴らしかったですが、特筆すべきはロバート・パティンソンとポール・ダノ!
ロバートはブルース/バットマンの背負う過去をより寂しく、より切なく魅せてくれました。
吹替えの櫻井孝宏さんもそんな雰囲気にとてもよく似合っていましたね。
ポールはリドラーの粘ついた気持ち悪いヴィランとしての質感をとてもよく表現していました。カリスマ性の権化であるジョーカーとは違う、もっと陰湿でサイコな性格を。
吹替えの石田彰さんも流石の一言!
バットマンとの面会中に叫ぶ声なんかは皮膚の下が痒くなるような気持ち悪さでした(笑)
もう1つ良かった点として、一貫した演出です。
暗い。とにかく暗い。ジョークのひとつもない。
デッドプールももう弄りたく無くなるだろうと思えるほど潔く徹底的でした。
好き嫌いが別れるであろう最も大きな部分ではあるでしょうが、僕は好きです。
ただ、悪かった点は他のほぼ全ての要素。
まず戦闘シーンやバットモービルのようなガジェット類は地味だなと思わざるをえません。
やはりヒーロー映画の醍醐味である部分を現実的な世界観を構築する為に犠牲にするのは如何なものかと...。
すんげーSFなコンタクトレンズは出てきたのに。
あとは脚本の細部にツッコミどころが多すぎますね。
特にバットマンが気絶するシーン。
ゴードン以外の警察は基本的にはバットマンをあまり信用していませんよね。
何故気絶しているバットマンを確保した時、まずマスクを剥がす!とならなかったのでしょうか。
それはゴードンが何とか阻止した...とするのも警察官があの数では無理がありますよね(笑)
他にもキャットウーマンや探偵もの的要素など、若干大きな要素が多すぎて中途半端になってしまっているような印象でした。
残念。
まとめると、DC映画はそろそろ本当に知名度と予告編の期待感が高いだけのフランチャイズになりつつある...と感じさせてくれる作品でした。
いや面白かったですけどね。
もっとやれると思うんですよね...。
my name is vengeance
どうしてもクリスチャン・ベイルやヒース・レジャーやホアキン・フェニックスと比べてしまうから、ポールダノの悪役はインパクトが薄く感じてしまう。
とは言え今回のバットマンも精神的なダークサイドをよく描けていた。vengeance復讐を拠り所に生きるバットマン、それに対して自分の親やポールダノの動機、そしてSNSにより生まれる無数のリドラー、、。
復讐は新たな復讐を生むという終わりのないループに気付いてモチベーションを変え、ゾーイクラビッツの殺人も止めるバットマン。
折しもウクライナ戦争が進行中で、どうしても復讐は復讐を生むというのが頭から離れないテーマとなってしまった。一刻も早くロシアの侵攻がやんでほしいし、新たな戦争が生まれない事を切に願います。
あまりに魅力的なロバートパーティンソン
いやー、素晴らしかった!
尺は若干長くはありましたが、非常に魅力的なキャスト、ストーリーで全くあきませんでした。
私の中でバットマン史上ベスト!
評判通りつまらなかった午前中に見たナイル川殺人事件を見事に上書きできました。
なんと言ってもロバートパーティンソン!
なんで魅力的なのでしょうか。
精神的にも他のシリーズより若い分未熟で人間的なところがいい。
そして映像がなんともスタイリッシュで耽美的。
音楽も素晴らしい。
悪の描き方が容赦ないですが、残酷なシーンも撮り方が綺麗で、なんとも言えない退廃美をかんじます。
キャットウーマン、ゾーイもアンハサウェイやミシェルファイファーよりいい。
少し、ドラゴンタトゥーの女のルーニーマーラを彷彿とさせる、強いがガラス細工のような脆さがあり守ってあげたくなる、アンビバレントな魅力があり、素晴らしかったです。
コリンファレルは最後まで気付きませんでした。
そしてポールダノの怖いこと。
あの人って地味な顔しているのに、なんでこんなに凄みがあるのでしょう。
終始不気味でした。
周りの観客の方も皆さん映画に引き込まれたようで、エンドロールまで皆さん席をたたなかったのが良かったです。
未だ余韻に浸ってます。
DCコミック=Detective Comicsだなと知る
高評価です…が、好み分かれるかなと
まずヒーロー映画を期待して観に行くのだけはおススメしません
本編はほとんどが調査、潜入などのパートに時間を割いていて、アクションパートは本当に少ないです
格闘シーンだけ抽出するなら20分あるかな?位かと思います
バットモービルでのカーチェイスも1回のみです
ただ元々のDCコミック自体がDetective Comics=探偵漫画ということらしいので、
そういう作りにしたのかと思います
『ウォッチメン』や『シャーロックホームズ』からコメディ部分引っこ抜いたような作品です
ただ昨今のヒーロー映画=派手なアクション&派手なギミックになれた観客だと、
地味だなと思ってしまうかなと思います
特にガジェット関連がダークナイトよりも劣化してるなと、あのバイク再登場してほしかった…
また今回のヴィランが『なぞなぞ』をしかけてくる知能犯のリドラーということもあり、
探偵ものとしてもバットマンは後手に回り、出し抜かれ続けています
正直バットマンすごい!と思えるシーンほとんどなかったのが残念でした
しかし、今回のバットマン
奇しくも先日公開されたスパイダーマンに近いものを感じました
スパイダーマンもバットマンも苦悩しながら、自分がヒーローとしてどうすべきか選択し
ラストで『真にヒーローとなる』ストリートだなと感じました
キャスト面に関してもとにかくロバート・パティンソンの力がすごく
はまり役だったと思います
他キャストも個人的にはシリーズで一番好きだなと思いました
のめり込み度が凄かった!
バットマンは「ダークナイト」位した観た記憶は無し。
本作はエンタメ度が少な目。
じっくりと観せる作品の印象。
映像と音楽が上品な感じを演出。
アカデミーの作品賞にノミネートされる予感(笑)
その為か派手さは無いけどカーアクションや格闘シーンが派手に見えるので省エネ的な感じだった(笑)
謎解きの要素も多目。
バットマンの推理力が凄い(笑)
後半の盛り上がりが前半と違いスケール感が凄い。
バットモービルの出番が少な目だったのは残念です( ´∀`)
病んでる系ヒーロー(イケてる陰キャ)
観ました。ご存知バットマンの映画
タイトルの割には完全にバットマン知ってる人向け
僕ちゃん病んでるの🥺系ヒーローの元祖であり厨二的要素満載だけどコレがオッサンにはたまらない
いつでも明るいスパ〜イダメェ〜ンよりは感情移入しやすいように思います
そのバットマンことブルースウェインが自身の存在を見つめ直すのが今回のお話のキモ
人生において全ての選択肢で正解するのは難しい
どんな善人でも叩けば少しは埃くらい出ると思うのです
ゴードンは誇りが出そうだけど笑
しかしゴードンはWHOのあの人にしか見えなかった笑
余計な一言
いつも思うのだけど既存の作品のキャラクターを人種や性別いじるのはなんだかなぁ
新しいものを作るなら構わないんだけど既存のものを変えちゃうのは文化的にも作品に対してもどうなんだろうと思いました
ブルースとセリーナ→◎ゴードン警部とアルフレッド→X
金曜レイトショーレイトショー『THE BATMAN-ザ・バットマン-』
やっと公開ですが、・・・
注:3/11には、内容的にちょっとって描写ありです。
私的に子供の頃からアメコミヒーローと言えば、バットマンとスパイダーマンとスーパーマン
その中でも1番好きなのは、特殊能力を持たない生身の人間設定のバットマン
今までのバットマン=ブルース・ウェインは、大富豪ならではの資金力で超ハイテク武器を駆使して悪に立ち向かうんですが・・・
今回は、その部分の見せ方がさりげなく、素顔を隠したコスプレ探偵って設定で・・・
いつ着替えたのって感じのバットスーツは、過去最強に強靭さを思わせる凄さで、まだ未完成って感じのバットモービルが、最高にカッコいい!!
幼き頃のトラウマと憎悪に苦しみながら葛藤する若きブルース・ウェインは、一切笑わないし、3時間ずっと画面も含めてまぁ暗い。。。。^^;;;
過去のバットマンシリーズと比べてもよりダークでシリアス
ドラマシリーズGOTHAMの世界観と通じていて、細かな設定は違えどあの最終回の続きって感じでも楽しめますが・・・
バットマンお決まりのオリジンは描かないって事でしたが・・・・
所々の描写でしっかり匂わしてくるのも含めて、登場人物相関図と各キャラのオリジンの把握が出来てないと、初見でコレを面白かったと理解するのは難しいと思うし3時間は長い。
2時間半くらいには出来たような気がするのと、内容的にR指定まで振り切るべきだったと思う。
しかしバットマン演じるロバート・パティンソンとセリーナを演じたゾーイ・クラヴィッツは、素晴らしかった!!
ペンギンに関しては、コリン・ファレルである意味が・・・スピンオフで、あの姿になるまでが描かれるのかな!?
私的には、ゴードン警部とアルフレッドに終始違和感しかなかったのがマイナスポイント
で、バットマン最大の宿敵ジョーカーは、出てくるのか!?
最初に出てくるピエロメイクの半グレは、GOTHAMにも出て来たのでもしや!?既に彼はいるのかと思ってましたが・・・
ラスト、アーカムに収容されたリドラーに語りかけるヤツが・・・・!!!!!
続編が、楽しみです!!
バットマンの心の闇…そして…
かつての『バットマン』と言えば、勧善懲悪のSFアクション・ヒーローというイメージがあった。しかし、『ダーク・ナイト』を境ににして、方向性が大きく変わり、アカデミー賞に数多くノミネートされた『ジョーカー』でも描かれたような、人間臭い苦悩や痛さが根底に流れる、ヒューマンタッチ色が濃くなってきている。
本作も、この流れを汲みながら、ブルース・ウェインが、幼き時に両親を殺されたトラウマを抱える中で膨らんできた復讐心が、底深い心の闇となってバットマンを生み出す原動力となっている。そのバットマンの本性を、今回は敵のリドラ―によって暴かれていくのだが、そういう点では、原作のアメコミとは一線を画し、犯人捜しのサスペンス要素も取り入れた、新たな『バットマン』と言える。
ストーリーは、ゴッサムシティーに蔓延る大物マフィアのボスを検挙した、市長、警察署長、検事の連続殺人事件が発生するところから始まる。その犯人として名乗り出たのが、「世の中の嘘を暴く」と豪語したリドラ―。犯行現場に、なぞなぞを残し、警察やバットマンを挑発していく。リドラ―を追う中で、執事のアルフレットまでもが襲われ、これまで明かされなかった、ブルースの両親の死の真相と父親の罪が明らかになっていく。そして、リドラ―の仕掛けた最後の謎に、バットマンが挑んでいく。
本作では、両親の復讐心だけでを支えに生きてきたブルースが、両親の死の真相を知る中で、人を想う心が芽生えていくのだが、その最たるところが、キャット・ウーマンこと、セリーナとのピュアな美しいラブ・スリー。ブルースの氷の様な心を、セリーナが解きほぐしていく。
また、リドラ―役のポール・ダノは、リアリティーのある猟奇的なサイコパスの雰囲気を醸し出している。そこは、『ジョーカー』の経緯と同様に、どこにでもいる一人の男が、リドラ―となるまでの生い立ちや屈折した考えや苦悩までも、しっかりと描くことで、インパクトあるキャラクターに仕上げている。
そして、バットマンを演じたのが、ロバート・パティンソン。パティンソンは、これまで『ハリーポッター』では、優等生役のセドリックを、『トゥイライト』では、美しきヴァンパイアを演じた。そのことが、これまでとは、ひと味もふた味も違う、暗黒面に落ちそうな殺気を含んだダークヒーローを演じるのに、活かされていると感じた。
3時間の超大作で、最初は、ストーリーの布石が読めない部分もあったが、ある時点からスッキリし、ラストシーンまで観る者を飽きさせない、展開となっていた。
バットマンがかっこよかったからすべて良し!
ペンギンの正体にビックリ!
主演のかっこよさが圧倒的
それぞれの復讐を探偵する姿が悪役。正にリベンジャーズのバッドマン。
内容、はバットマンとなり2年目の新米感ある主人公の視点で描かれる悪の街ゴッサムシティ中でそれぞれの復讐をテーマに置いた物語。印象に残ったのは言葉は、お前!殴る時は手加減しろよ!との味方警察との笑える会話。そしてこれを解いてくれよ!とペンギンの動き。シーンや場面については終始、暗くて重苦しい印象で映画館で楽しむべき作り方をしていたような気がします。5年掛けて練り込んだ作品の内容的には炒飯に麻婆豆腐をかけてチーズを乗っけて白髪葱を乗っけた様な料理をいただいた感じがしました。原点回帰で過去作の内容を踏襲した上に盛り沢山な内容で、それらを全て急いでまとめ上げた様な感覚でした。3時間近くあるのでトイレに行く人いるのかなあと思いながらも皆コアなファンなのでしょう?!誰も立ち上がらなかった凄い映像の素晴らしい作品でした。
評価は次作に持ち越しかな
■観ていて鳥肌立ったり「こー来たか!」と意外性を感じる事が無く、淡々と想定内の事が進んでいく感じ。リドラー達に怖さを感じる事も無かった。ダークナイトでじゅうぶん。
■尺が無駄に長い。30分は短くできる。
バットマンはやたらゆっくり歩くのでイライラした。長いのに凄いと思える画も無かった。
■なんで二人はキスするのか。しそうでしないのが自然に思えた。
■バットマンでゾディアックやられてもなぁ。クライムサスペンスの映画やドラマの傑作は国内外問わず他に沢山あるから、間に合ってますよって言いたくなる。やっぱりバットマンはスナイダーの世界線で他のヒーロー達とわちゃわちゃしとけばいいと思う。
■予告で事前に見せ場やセリフを出しすぎ。
逆さ視点でバットマンが歩いてくるシーンもなかなか良いのに予告で既出。もったいない。
■ポリコレうざい。バットマンを黒人にやらせる度胸はないくせにとりあえず沢山配役しときました感。誰がなんと言おうとアンハサウェイをキャスティングできた、のどかな時代が好きだ。
あらすじ・ネタバレ・解説
【あらすじ】ゴッサム市長、警察本部長、地方検事など、街の有力者が次々と殺害される。
彼らはいずれも、麻薬王マローニの検挙という偉業に携わった功績者だった。
犯行声明を発表した謎の男「リドラー」はバットマンを名指しし、街の権力者たちの「仮面」を暴くよう指示する。
警察や世論からの強い風当たりを受けながらも、ゴードン警部補や謎の女セリーナ(キャットウーマン)と協力。ペンギンやファルコーネらの悪人と対峙する。
だがやがてたどり着く真実は、バットマンの存在意義すらも揺るがすものだった。
大切な存在を失いかけながら、ゴッサム市を壊滅の危機から救うバットマン。
それは彼が、復讐心からではなく、崇高な善意から行動した瞬間だった。
経済格差、腐敗と汚職に満ちたこの街は変化するのだろうかー。
【ネタバレ】ゴッサム市に蔓延し、人々の心身を蝕む麻薬。
その生産・売買を取り仕切っていたマフィアのマローニを検挙した功績は、ゴッサム市長・警察本部長・地方検事らの連携によるものです。
しかしその情報提供者は、もう一人のマフィア王であるファルコーネでした。
ファルコーネは有力者に情報提供し、ライバルであるマロー二を蹴落とします。
そして麻薬の支配権を掌握。見返りとして麻薬収入の一部を、有力者に与えていました。
ゴッサム市の権力者はマフィアと利益を分け合うほどに腐敗していたのです。
また、マフィアが台頭する温床となったのは、バットマンことブルース・ウェインの父親が、孤児支援のため生前に設立した児童基金でした。
ブルースの父親は善良な医師でもありながら、マフィアとのつながりを持っていました。
ウェイン家の醜聞をもみ消すために、ファルコーネに仕事を依頼したこともあったのです。
ファルコーネは、ブルースの父親によって悪事を暴露されそうになったため逆に彼を暗殺。
ファルコーネこそがバットマンの復讐の標的であることが判明します。
リドラーの正体は会計士であり、街の有力者とマフィアとのつながりを帳簿から知り得ました。
彼は孤児院の出身でしたが、ブルースの父親が暗殺され、児童基金がマフィアによって食い潰されたことによってないがしろにされたことを恨んでいたのです。
(なぜバットマンの正体まで知り得たかは不明。おそらくダークナイトのように帳簿から)
両親殺害の復讐のために犯罪者をボコボコにしていたバットマンですが、自身の父親にも悪の一面があること知り、信念の根幹が揺らぎます。
ですが執事アルフレッドが傷つけられたり、セリーナ(キャットウーマン)と共に行動することによって、バットマンの行動原理は、「復讐」とは異なるものへと変化していきます。
そして何より、「人殺しはしない」というルールだけは変わりませんでした。
ファルコーニとリドラーを捕らえたバットマンは、リドラーが最後に残した防波堤破壊計画・新市長候補暗殺計画を阻止するために奔走するのでした。
「腐敗を暴く」という目的を共に達成した点で、バットマンはリドラーの計画を実行したと言えるかもしれませんが、「殺人を犯す」という一線を決して超えないことが、バットマンをリドラー達犯罪者とは異なるものにしているのでした。
【解説】「仮面を暴く」というリドラーの目的は、『ダークナイト』におけるジョーカーの役割と共通しています。
『ダークナイト』におけるジョーカーは、単にバットマンの仮面を剥がす=正体を知ろうとするだけではなく、善良な市民達が身につけている仮面、すなわち道徳・モラル・倫理観が偽物であることを示そうとしていました。市民の善良さは、打算的・利己的なものに過ぎず、極限状況においては自分の身を守るために人々は倫理観をかなぐり捨てるであろう、と。しかし劇中において市民は自らの善良さを示し、バットマンもまた、不殺の誓いが本物であることを示します。
このような「人々の仮面を暴く」というジョーカーの役割は、『ザ・バットマン』におけるリドラーの役割と類似しているのです。
ちなみにジョーカーは、嘘をつくことによって人々を誘導し、翻弄することを得意としていますが、「嘘つきでありながら真実を暴こうとする」という倒錯性が特徴的です。
バットマンもまた、「仮面を身につけた姿こそが本性であり、素顔こそ仮の姿」という倒錯性を『バットマン・ビギンズ』において完成させており、ジョーカーとバットマンは「倒錯性」という共通点を有していることがわかります。
ジョーカーが数多くの嘘をつくことにより、『ダークナイト』という物語は「嘘→真実の暴露」の連続によって構成された作品となっており、疾走感のあるエンタメ作品としても仕上げられています。
『ダークナイト』において描かれたジョーカーの倒錯性は、『ジョーカー』においてより明確に描かれており、彼は人生のどん底へと突き進むほどに浮揚していくのです。
他にも、バットマンに対する世論の風当たりが強い点、警察が必ずしもバットマンの味方とは限らない点、汚職警官が多い点、政治家・司法官が汚職によって腐敗している点、有力者が標的となる点、悪役がメディアを利用して劇場型犯罪をおこない市民を焚きつける点、会計士(経理士)がバットマンの正体を見抜く点など、多くの点で『ダークナイト』(3部作)との類似点が見られます。
ナイトクラブでの格闘シーンや、武装した集団との戦闘シーンなども、『ダークナイト』を想起させやすいものとなっていました。
ラストシーンでバイクに乗って哀愁を漂わせる点でも似ていますね。
結果として『ダークナイト』の影響力、普遍的なよさが確認されました。
貧富の格差に強く注目した点は、『ジョーカー』から継承されています。
格差の原因としてバットマン=ブルース・ウェインあるいはウェイン家の責任を強く追及した点においては、『ザ・バットマン』は『ダークナイト』を超えると言えるでしょう。
『ダークナイト』3部作においても、ブルースという有数の資産家が経済格差の解消にとりかからないのか、と匂わせる場面はありました。ノーラン監督としても、ゴッサム市における経済格差を背景とした犯罪率の増加を描く以上、大金持ちであるブルース、あるいはウェイン社の責任を理解していたでしょう。しかしあくまで、ウェイン家やブルース個人の責任を明確に描くことはせず、単に「経済格差」と(を)表現するに留めていました。
そのような状況を変えたのが、生活困窮者の側からゴッサム市を描いた『ジョーカー』であり、『ザ・バットマン』はバットマン自身が、ウェイン家あるいは自身の責任を突きつけられている様を描いたものと言えるでしょう。
また、『ダークナイト』とは異なり、両親の死にも自業自得の側面が多少あり、ブルースは複雑な感情を抱かざるを得なくなっています。
それゆえに『ザ・バットマン』においては、ブルース個人の抱える痛み、疲労、傷つきが深みを増していると言えます。
事件の真相を追及するにつれてブルース個人の苦悩も深く掘り下げられていく様は、3時間という時間をかけて説明するだけの価値があり、アクションシーンのリアリティと合わせて、視覚的な楽しさ・物語的な楽しさを満遍なく網羅した作品に仕上がっています。
全631件中、481~500件目を表示