DUNE デューン 砂の惑星のレビュー・感想・評価
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映画館でしか体験できない映像と音響、引き算のルックによる堂々たる風格
ドゥニ・ビルヌーブ監督は、それぞれ目指すところは違うもののクリストファー・ノーラン監督と同じように映画館でしか体験できないゾーンを目ざしつつあるのかなと本作を見て強く感じました。IMAXフルサイズによる圧倒的な絵力、ぐわんぐわん鳴るハンス・ジマーによる音楽は、映画館以外の環境では完全に堪能できないはずです。2作目公開の前には、東京・グランドシネマサンシャイン池袋、109シネマズ大阪エキスポシティではぜひフルサイズでの再上映をお願いしたいです。
「メッセージ」と同様、シンプルなデザインとモノトーンの色合いで統一された引き算のルックは堂々たる風格で、普通だったらありきたりに見えてしまいそうなところを、突きつめたゴージャスな映像でねじ伏せられるような心地よさがありました。
陶酔の渦に呑み込まれる
冒頭に掲げられた夢に関する言葉通り、このSF絵巻には深い夢と現実とが溶け合っていくかのような深淵さが渦巻いている。中には「眠くなった」との感想もあるだろうが、それは実のところ、本作を体感する上で最高に適した精神状態と言えるのかもしれない。人はまどろみの中でこそ潜在意識が覚醒されていくものだから。翻って、80年代のD.リンチ版への偏愛を抱く自分としては、今回のヴィルヌーヴ版が独自の芸術性、創造性、時間配分でF.ハーバートが織り成した原作世界を執念深く追究している点に心打たれた。スパイスをめぐる情勢には植民地政策を、フレメンの描写にはアラビア世界のあれこれを想像させるなど、あらゆる場面に地球上の過去と現在と未来がないまぜになったかのような趣向を感じる。掴んでも指間から砂がこぼれ落ちていくほどの全貌を、製作者らは今後いかに描き続けるのか。憂いある瞳を持つ主演シャラメの運命をしっかりと見届けたい。
映画史的記憶を織り込み壮大な世界を構築したヴィルヌーヴの到達点
フランク・ハーバートの傑作SF小説「デューン」(1965)は、ジョージ・ルーカス監督の「スター・ウォーズ」シリーズにも影響を与えたことでも有名で、たとえば「Ep.6 ジェダイの帰還」に登場した砂漠の大穴から人間を丸呑みする巨大生物サルラックは「デューン」のサンドワームの借用だ。だから2021年の「DUNE デューン 砂の惑星」を観て物語要素などに「スター・ウォーズっぽさ」を感じるのはある意味当然とはいえ、SF文化を一本の大河にたとえるなら「デューン」の方が上流に位置することは知っておいて損はない。
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は、初期こそ緊張感に満ちたドラマの作り手という印象だったが、ノーベル賞作家ジョゼ・サラマーゴの小説「複製された男」の映画化(2002)でSF風味を足したのを皮切りに、「メッセージ」(2016)、「ブレードランナー 2049」(2017)そして本作と、すっかりSF映画の巨匠のような立ち位置になった。自然の景観に宇宙船という異物をナチュラルに存在させた「メッセージ」、砂嵐が吹きすさぶ過酷な世界を舞台にした「ブレードランナー 2049」など、過去作に連なるテイストの映像も嬉しい。
俳優陣では何といっても、ティモシー・シャラメの惚れ惚れするような“王子感”がたまらない。スラリと足が長く10頭身もありそうなスタイルの良さが、縦幅が長いIMAXのスクリーンで憎らしいほど映える。オスカー・アイザック、ジェイソン・モモアにもグッとくる見せ場が用意されている。
多くの観客が感じると思うが、「スター・ウォーズ」だけでなく、「アラビアのロレンス」や「地獄の黙示録」といった記念碑的な傑作を彷彿とさせるショットもちらほら。異世界を舞台にした壮大な冒険物語なのに、日常と地続きのような親近感や懐かしさを覚えるのは、そうした映画史的記憶が織り込まれているからだろう。
余談ではあるが、デヴィッド・リンチ版の「デューン」も嫌いじゃない。特に巨大な脳みその化け物みたいなギルドナビゲーターのグロテスクな造形などは、リンチの趣味が全開で最高だった。見比べると、異形の者への偏愛をさらけ出すリンチに対し、ヴィルヌーヴは上品で優等生的な絵作りかなと。
デビッド・リンチの汚名を、ドゥニ・ヴィルヌーヴが雪いだ
新しい「デユーン」が生み出されたことに、ひたすら感無量です。1984年にデビッド・リンチが監督した「砂の惑星」は、プロデューサー(ディノ・デ・ラウレンティス)によって無残に切り刻まれたバージョンが公開され、酷評を浴びました。リンチ自身も「私のフィルモグラフィーには載せてほしくない」と語っているほど。リンチのファンにとっても、心が痛い案件でした。
それから37年も経って、ドゥニ・ヴィルヌーヴが非の打ちどころのない完璧な「デューン」を創りあげたという事実は、驚きとともに、「信じられない」という感想すら覚えました。つまり「これ、製作費は回収できんのか?」という疑問です。
この映画は、前編・後編の前編に過ぎません。早く後編が見たい。しかし、後編が製作されるのかという不安もあります。世界中で大ヒットして欲しい、そして、後編がフルバジェットで製作されることをひたすら祈っています。
ドゥーン
2023年4月27日
映画 #DUNE/#デューン #砂の惑星 (2020年)鑑賞
#ドゥニ・ヴィルヌーヴ 監督は、最近、近未来とか別の惑星とかのお話が続いているね。しかもどれも哲学的で多くを語らないタイプの作品。
製作の方から監督を指名するのか、それとも本人が希望しているのか、
警告音的な音はでかい
気候変動とシンギュラリティ後のAI監視社会を連想させる
圧倒的な砂の視覚世界、終始、身体に響き渡るデジタル・バッカーションによる聴覚世界。面白かった。描かれた世界はシンプルだが、気候変動とシンギュラリティ後のAI監視社会、そして現在の後期資本主義社会を鋭く批判している。次作のメッセージも期待する。
2023年公開のPART TWOが楽しみ
今まで映像化に恵まれていなかったフランクハーバートのSF巨編の映像化の決定版‼️PART TWOを観ないと正当な評価はできないかもしれませんが、少なくともこの作品を見る限りでは物語、撮影、アクション、美術、衣裳、音楽、演技まで、ほぼ完璧。やはり監督であるドゥニヴィルヌーヴの手腕によるところが大きく、SF映画の新たな名作「メッセージ」、SF映画の金字塔に勝るとも劣らない続編「ブレードランナー2049」、そして今作と、新たなSF映画の巨匠としての地位を確立したと思います‼️
タイトルなし
序盤の1時間から1時間半くらいが、この映画を楽しむ為のお勉強時間に成っているのが辛い。必要な事なのかもなしれないがホラー映画やアニメ映画なら1本観終わっていてもおかしくない事を考えると、もう少し配分を考えるべき。正直、スター・ウォーズのオープニングのように字幕でサラッと伝えてくれた方が世界観は頭に入ってきたと思う。
ようやく物語が動き出し映画に没頭し始めても度々差し込まれる未来視のような演出が遮ってくるのも辛気臭い。
海のように波打つ砂漠の演出は素晴らしかった。
余計な説明を省ける次回作には期待している。
さりげなく美しいヴィルヌーヴの世界に浸る快感
ドゥニ・ヴィルヌーヴの作品はさりげなく美しい。何というか一見して驚くような美しさではなく、後からじわじわきて、いつかどっぷり浸っているような美しさなのである。
「ブレードランナー2049」はリドリー・スコットの伝説的作品の続編でありながら、独自の魅力を見せていたし、「メッセージ」「静かなる叫び」「プリズナーズ」のどれも印象が深い。
そして、この「DUNE」である。
原作はベストセラーSF小説で、それに影響を受けた「スター・ウオーズ」を今度はヴィルヌーヴが引用するという形らしい。
小生は原作をずいぶん以前に読んだのだが、内容は単なるスペース・オペラでほとんど忘れてしまった。「スター・ウオーズ」にはもう完全に食傷させられた。リンチ版の「デューン」は安っぽくて途中で放棄。本当に感銘を受けたのは本作だけである。
砂、砂、砂…の世界は「アラビアのロレンス」で見事に描かれているが、それに引けを取らない手触りや質感が伝わってくる。砂漠の民の生活は奇妙にリアルで、その乏しい色彩の中で豊かなグラデーションが美的快感を生み出し、この世界に浸っていることが嬉しい。
そもそも内容はあまり意味がないのだが、続編を作ってくれるならまたあの快感を味わえると楽しみになる。
どう捉えて良いか分からない印象のまま…
デヴィット・リンチ監督の「砂の惑星」を
再鑑賞して、この作品に臨んだ。
リンチ作品の予習があったことと、2部作に
して事細かく描くことが出来たためか、
話の展開に理解が進んだ。
また、おどろおどろしいリンチ作品に比べ
映像も洗練された印象があった。
しかし、
どう捉えて良いのか分からない物語だ。
原作は誉れ高いSF小説とのことだが、
未読なので、
それが原作のせいなのか、あるいは、
原作に迫りきれていないためなのかは
分からないが、何故か「砂の惑星」の話の世界
そのものに入り込めない感覚。
その原因の一つに、私にとっては、
この作品から何を感じ取れば良いのか、
と言う基本的なモヤモヤ感がある。
リンチ作品を観た際は、
主人公をキリストに見立てている印象も
あったのだが、
この作品は2部作の前半ということなので、
その回答を得ることも出来ない。
従って、「SW」のようなワクワク感や、
「2001」での壮大な宇宙への想い、
またリドリー・スコットの
「ブレードランナー」の生命への想いにも
至らず、
ましてやドゥニ監督自身の「メッセージ」での
時空への不可思議感も湧いてこないので、
ひたすら洗練された映像の世界に浸ること
だけにしか傾倒出来なかった印象だ。
今年公開の後半の作品で
その答を得られるのかは分からないが、
いずれにしてもこの作品単独での評価には
躊躇せざるを得ない鑑賞となり、
リンチ、ドゥニ両監督の「砂の惑星」には
共に肩透かしを食ったような鑑賞に
なってしまった。
荘厳なIMAX映像は素晴らしいけど、長いなぁ。
特に予備知識無しに観た作品。映画の半分以上過ぎたあたりから、キャラクターの多さと世界観の大きさの割にそのストーリー展開の異様な遅さから、続編有りきの作品ってことは解ったが、それを差し引いても二時間半の上演時間は冗長に感じる。広大な砂漠で展開される壮大な映像表現は劇場(しかもImax)で観るべき作品であることは間違いない。ただ、この作品自体が次作への振りである為、もう少し語り口をテンポアップしてコンパクトに見せて欲しかった。いまいちワクワクに欠けるが、それでもドゥニ監督らしい奥行のある荘厳な映像美はしっかり堪能できる。
MEI作!
そう迷作。
とにかくつまらん。マ、製作の当事者はみな寝食を忘れて頑張ったんだろうがね。
でもビジネスだからね。結果がすべてだ。
なぜか不評のリンチの旧作が懐かしい。TOTOの音楽、そして往年の名優揃い、私には名作だった。口直しに見直すとしよう。
原作に忠実
予想外に概ねは原作に忠実な骨太な作りとなっています。
3部構成のようなので、続編の出来に影響されるとは思いますが、1作目としては大満足です
。
今回のポールには少年要素も王子様要素もちゃんとあって良い。
ポールを心配するジェシカが原作よりもナーバスな感じで、個人的にはちょっと違うなと感じてしまったけど、他の大部分ではクールビューティーな威厳を維持してくれていたのでよしとする。
ダンカンがけっこうムキムキで陽気なアニキキャラで、自分のイメージとはちょっと違ったけど、それほど問題には感じなかった。
ただ、昨今の米国映画の「ポリティカルコレクト」な要素として、やや無理矢理に特定の人種の役者を配置しているのが目につき、せっかくのSFなのにその瞬間に現実に引き戻されてしまうのが惜しかった。
ずっと厨二病同士で何を言ってるのかわからない。 何故、彼らはあれで...
ずっと厨二病同士で何を言ってるのかわからない。
何故、彼らはあれで会話が成り立つのだろう。
殺陣もこじんまりした動きで迫力がない。
セットやCGは立派。
これで終わりではないDUNEシリーズ1作目
独特な世界を美しい映像と造形で表現したSF叙事詩。
陰謀で家を取り潰された眉目秀麗な公子がお家再建のために戦うっていうみんな大好きな話な上に主人公がティモシー・シャラメなので画面が映える。ちなみにポールは上半身裸で寝るようです。
続編ありきのストーリーなので、1作だけでは登場人物の描写も世界の描写も物足りない印象。なので、続編を期待。
余談だが、ポールの父親レト公爵(オスカー・アイザック)が劇中での戦闘機の操縦が上手いのを見て、きっと若い頃は凄腕の戦闘機=X-WING乗りだったと思う事にした。
砂歩き
映画タイトルにパートOneとあったのでまだまだ続く序章なのだなぁと思って見ていたが長い。何だか全部が間伸びしているのか疲れた。ナウシカの話?と思って見ていたがこっちの原作が先なのね。うーんなん作まで続くのか
圧倒的なビジュアルに魅了された
延々と続く砂漠。
異文明ならではの奇怪なメカ。
巨大で神秘的なサンドワーム。
後にスターウォーズなど様々なSF映画のルーツとなったDUNE。
これを最新のビジュアルで堪能できただけで満足だ。
次回作はぜひスクリーンで見たいものだ。
全483件中、1~20件目を表示