「主人公のメンタルが鋼」魔女がいっぱい 魔星さんの映画レビュー(感想・評価)
主人公のメンタルが鋼
おもしろかったねー。
物語の目的がしっかり提示されており、多少ご都合主義はあるものの展開がきちんとしており、ゴールに向かって起承転結がしっかりしてる。非常に見やすい映画でしたね。
ここからは映画の内容に踏み込んだ感想です。
一番印象に残っているのは主人公の少年が途中で別人と入れ替わったのかな、と思うくらいに人間的に成長していく様ですね。
主人公は両親を事故で亡くし、叔母の家に引き取られるんですけど両親が亡くなったショックから心を閉ざしてしまいます。運のいいことに叔母がよくできた人間で、あの手この手で主人公を精神的にサポートし心の回復に努め、見事やり遂げます。
立ち直った主人公は叔母と平穏無事に日常生活を過ごしますが、ある日魔女に姿をネズミに変えられてしまいます。(文章でみると急にぶっ飛んだ話に感じるね)
魔女は子供が嫌いであり世界中の子供を薬によってネズミに変える計画を企てている。
今作の目的は下記2点ですね。
1.魔女の薬を解析し元の人間の姿に戻ること
2.魔女の計画を阻止すること。
さて、姿をネズミ変えられてしまった主人公ですが少年ジャンプの主人公かと思うほどのポジティブな精神の持ち主で、「ネズミになったときに誰か別の人と入れ替わりましたか?」と感じるほど前向きに現実と向き合います。
ネズミ状態を悲観することなく現状を打破するための考えを巡らせ行動しやり遂げる。
最終的にネズミ状態から戻ることはできないと結論が出るのですが、「僕はネズミのままでも大丈夫だよ」と言い、無知ゆえの諦めなのか何なのか驚きの達観ぶりを見せつけてきます。あまつさえ自身はネズミから戻れないけど魔女の計画は阻止しようと行動します。
いくら前向きな人物でも姿が戻れないと分かれば多少の絶望は出るものと思いますが主人公君は違ったね。そんな感情は出さないんだもの。やっぱジャンプの主人公ともなると心折れないんですね。
『なんだコイツ、本当に先ほどの少年か?メンタルお化けやん!鋼の心じゃん。折れなさすぎじゃない。頭少年ジャンプかよ!・・・でも好き。』そんな思いが私の心を駆け巡ったよね。
そんなメンタルで展開されるので、お話は少年漫画のようにテンポ良く進み観覧後も「いやー面白かったわー」と、気持ちよく映画館を後にできる作品でした。
やっぱりテーマがしっかりしてる作品は見やすいですね。
特に映画館ならではの迫力とかは無いのでDVD等での鑑賞でよいかと思います。
おすすめです。
ネズミから戻れない状態をバッドエンドと解釈することもできますが鋼メンタル主人公のおかげで、そんな悲観的な印象は受けませんでしたね。
あと、叔母さんは絶対死ぬんだろうなと思ってたんですが死ななかったですね。
だまされたなー。