「クリスマスに贈るファンタジー。」魔女がいっぱい ガバチョさんの映画レビュー(感想・評価)
クリスマスに贈るファンタジー。
魔女の恐ろし気な姿と、対照的なネズミたちの可愛らしさが印象に残る作品。普通、映画は登場人物の心理を推測したり、人知を超えた運命みたいなものに魅かれたりしながら見るものだが、この作品にはあてはまらない。現実とは別世界のひたすらファンタジーの世界を見せてくれる。ロバート・ゼメキス監督が「この映画をクリスマスに贈る」というようなことを言っていたが、確かにそんな感じである。日本の可愛らしい(?)魔女を見慣れている者にとっては、邪悪で尊大なだけの魔女は新鮮である。なるほど西洋の伝統的な魔女はこういうものかと感心する。しかしその魔女がやっていることと言えば、子供をニワトリやネズミに変えるだけという情けない実態に笑う。ネズミに変えられた子供たちが、その現実を疑問なく受け入れて魔女を退治するのもファンタジーである。普通の感覚であれば、ネズミになったことに驚き苦しむであろうがそんな様子は一切ないのが面白い。小さなネズミ3匹が恐ろしい魔女達をやっつけるのは痛快で楽しい。ネズミの何と可愛いことか。
これといった内容はないので、一般の映画ファンには物足りないと感じられると思うが、余分な説明や描写のない童話みたいな話と思えばそれなりに受け入れられるのではないか。
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