「正解が分からないのもよい」悪の偶像 ぐちたさんの映画レビュー(感想・評価)
正解が分からないのもよい
飲酒運転の若者が起こしたひき逃げ。
加害者の父は将来を嘱望される政治家であり、自分の地位を守るため、誠実に謝罪するふりをしつつ息子の罪を隠ぺいする。
被害者は知能が4歳で止まってしまった20代の男である。息子を失った父親は、息子と一緒にいたはずの嫁を探す。
中国から来た不法移民である嫁が姿を見せ、さらに、嫁を追って中国から来た男が登場すると、物語は暴力的に血なまぐさくなる。
韓国ノワール。容赦なく生々しい。
偶像とは誰のことだろう。見終わってもよく分からない。
息子の罪を隠した議員を指すのか。息子を失った父親のことか。あるいは父親たちを圧倒してしまう嫁か。
自分の読解力のなさは棚にあげて言うが、物語の正解が分からないのもよい。
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